Naoの誰でもわかる!英語の話

英語を勉強している人へ、面白い、ためになる話し、知識・情報などを、誰もがわかるように書いていきます。

<これは英語でどう言うの?>「可能性/見込みはどれくらい?」(Part 2)

2013-09-12 | Weblog
(お待たせしました。Part 2です。是非Part 1を読んでから、あるいは、再度読んでから、続けて以下を読んでください。お願いしま~す!)

「なるほど~「手術が成功する可能性はあるんですか?」って言うような場合の「可能性」には、the chancesを使えばいいんだ。了解!」…いえいえ、それで終わりではないんですよね、これが(苦笑)。アメリカドラマによく出て来る病院の一シーン。手術をするかどうかの判断を迫られた患者の家族(Jane)が病室にいる母親を一瞥(いちべつ=ちらりと見ること)して、担当医(Dr. House)に聞きます。

Jane: What are the chances of success?
(成功する見込みはどれくらいですか?)
Dr. House: The odds are small. But, the chances of survival without surgery are none.
(その可能性は低い。しかし、手術をしなければ、生存の可能性はゼロだ。)

ということで、今度はchancesと同じ意味を持つ言葉、odds(オッズ)という言葉が出てきました。同義語(synonym/シィノニム)です。同じsynonymとしては、percentageもあります。oddsという言葉は、何か二つのものを量的、あるいは数的に比較した際にみられるその差異の大きさのことをいいます。また、優位性の違い、あるいは、何かが起こる可能性と起こらない可能性の違い、つまり、確率の違いに言及する時に使われます。以下をご覧ください。

The odds are the chances that something will happen. If you flip a coin, the odds are 50-50 you’ll get heads. (from Vocabulary.com)
(オッズとは、何かが起こる可能性のことを言います。硬貨を投げれば、確率(オッズ)としては、50-50で表が出ます。)

どうでしょう?oddsとchancesの関係、わかってもらえたでしょうか。oddsには「(~が勝つ、負ける、~が起こる、あるいは起こらない)見込み(確率)」という意味があり、chancesの同義語となるわけです。ただ、その二つの言葉にはちょっとした違いがあります。chancesにはchanceという同じ概念(意味)を持った単数形がありますが、odds(オッズ)にはありません。

「ん?確かodd(オッド)という単語があったような?」はい、あります。しかし、その意味は、unusual、strange、extraordinaryのように、「奇妙な、普通でない」に類する意味を持った形容詞形で、その名詞もあるにはありますが、その意味は「半端なもの、残り物」といった意味で、めったに使われることはなく、ましてや、可能性を示唆するような意味は全くありせん。ですから、oddとoddsは、形の上では繋がっているように見えますが(単数形とその複数形)、その語幹は違っていると思われます(いろいろ調べましたが)。ちなみに、oddsは、その形(複数形)から、それを受ける動詞(be動詞)も複数形のareとなります。以下がoddsを使った例文です。chancesと同じように、口語では、最初に「まず見込みとしては(可能性が高いのは)」という切り出し方をして(the odds are)、その後にthatを使って、その内容を文で伝えることが多いことを理解してください。It is likely that~と言い換えることもできます。

The odds are (It is likely) that it will rain tomorrow.
(まず明日は雨が降る可能性が高いね。)
I am afraid the odds are against his winning the nomination.
(残念ながら、彼が指名を勝ち取る可能性は低いね。)

ということで、「可能性/見込みはどれくらい?」と言いたい時の「可能性/見込み」には、chancesとoddsが使われること、また、それらは会話の中で混在しても不自然でないことがわかってもらえたと思いますが、最後に付け加えたいのは、その「可能性/見込み」が「低い」あるいは「高い」と言いたい時に使う言葉は何かということです。え?もう前に出て来たけど、ってですか?確かに。前述した例文では、「低い」にはsmallを使っていましたよね。日本語でも「可能性は大きい、小さい」って言いますよね。その感覚です。かなり低い場合は、very smallとか、slimという単語も使えます。では、その反対の「高い」の場合は?smallの反対語で言えば、bigは使えなくはないですが、ちょっと大げさな感があるので、口語的には、goodとかgreat等の感情的表現を使う方が一般的です。

「そっか。じゃあ、highとかlowは使えないんだ。わかった。」え?いえいえ、それが~使えるんですよね~実は。(The)Chances are highとか、lowという言い方もあります。「じゃあ、どれを使えばいいの?」いい質問ですね(冷汗)。僕の調査によると、確かにhighもlowも文法的だし、文章の中でちゃんと使われています。ですが、ドラマや映画の中で見る限りでは、前のドラマの一シーンにもあったように、smallとか、あるいは、pretty goodとが使われているのは何度も見ていますが、highやlowが使われていたのを見たことはないような気がします。まあ、あまり一般的な使い方ではないのかな、と思います。その理由としては、日常会話の中では特に数字とか客観的事実に基づいてというよりは、個人的、情緒的な判断で「見込み」(probability)を言うので、そのような言い方の方がしっくりくるからではないかなと考える次第です。もちろん、あくまで僕の見方ですので,念のため。

ということで、長くなりましたが、今回は、「~が起こる可能性(確率)はどのくらい?」という気持ちを英語ではどう言うのか、についてお話しました。基本的には、chances(あるいはchance)とoddsを使って文章を作ればいいというのが結論です。最後に幾つかの日本文を英語に訳してみましょう。こんな感じでいいかな。

1)次の日韓戦、どれくらいの確率で日本が勝つと思う?
What do you think are the chances of Japan’s winning the next game against Korea?

2)今から頑張れば、試験に受かる可能性ありますかね~?
If I work hard from now, is there any chance for me to pass the test?

3)アイスキャンディーで当たりが出る確率はどれくらいかな?
What are the odds of getting a winning popsicle?
*当たったらもう一本もらえるアイスキャンディーのことを知らない人(特に外国の人)には、最後のa winning popsicleは謎だと思います。質問にあったのでとりあえず訳しましたので、あしからず…。

I hope I was able to answer your questions, Charoko, and I hope that this article was useful to the readers in general. Thanks for reading my blog, guys! See you later! naoki

<これは英語でどう言うの?>「可能性/見込みはどれくらい?」(Part 1)

2013-09-11 | Weblog
だいぶ前に質問をいただいたまま、そのままにしていました(冷汗)質問に対する回答です。すみません(陳謝)。今回は「可能性・見込み」について言及する時にどんな英語を使うのかについてのお話です。

私たち日本人が「可能性」と聞くと、まず頭に浮かぶのはpossibilityという単語だと思います。では、一例として、「手術が成功する可能性はどれくらいありますか?」と言いたい時に、possibleあるいはpossibilityという言葉が使えるかを考えてみましょう。

1) Is it possible for the operation to be successful?
2) Is there any possibility for the operation to be successful?
3) How much possibility is there of success of the operation?

1)と2)は、手術を行うという医者に対して、「手術が成功する可能性はあるんですか?」と、手術の成功に対して疑問を持っている時に使うであろう表現なので、「手術が成功する可能性はどれくらいありますか?」という、手術を行うことを前提にその成功の可能性、つまり、その成功の確率を聞いているという趣旨には合いませんね。唯一3)の文章がその趣旨を表現していると言えるでしょう。なので、possibleという単語を使うとしたら、3)のような言い方になります。しかし、果たしてそのような言い方が適切かというと…ちょっと疑問ですね。どちらかというと、堅苦しい、文語的な表現なので、口語表現としてはまず使われることはないでしょう。

では、possible, possibilityという単語は使われない?そう考えた方が自然だと思います。皆さんもおわかりの通り、質問にある「可能性」というのは、実は「確率」のことを言っていますよね。つまり、一応可能であることを前提に、何らかのことが起きる確率(可能性)はどれくらいかと聞いているわけです。ですから、この場合の「可能性」という言葉に相当する英単語を探す時は、「確率」に相当する単語を探さなければならないわけです。では、「確率」に相当する英単語はというと、そう、チャンス(chance)ですよね。例えば、

There is a good chance of winning a lottery.
(宝くじに当たる可能性は高いよ。)

chanceは、何かが起きる確率を意味し、数えられる名詞(可算名詞)なので、単数形にも複数形になります。但し、その使い方はちょっと違って、単数形の場合は、「何かが起きる可能性」、あるいは「何かが起きる可能性の度合い」を表します。上の例文もその一例ですが、以下のような文もあります。
There is a small chance of success.
(成功する可能性はあるよ、少ないけどね。)
There is no chance of success.
(勝算はないね。)
Is there any chance that I can see you next week?
(来週君に会えるかな?)

では、複数形はというと、まずは以下の例文を見てください。
The chances are (that) he has already gone.
(おそらく、彼はもういない(出かけてる)よ。)
*Chances are…と、Theがなくても構いません。

この場合、複数形(chances)は、単数形とちょっと違い、何かが起こる(あるいは、起きている)可能性(確率)が高いこと、つまり、日本語で言うと、「見込み」を表すと言えます。では、もう一つ例文を見てください。

If you leave at 8 o'clock, chances are you'll miss your flight.
(8時に出発したら、まず(おそらく/多分)飛行機に乗り遅れるね。)

つまり、a chanceが、ただ何かの可能性があること(概念的可能性)を表すのに対して、chancesは、その可能性が「たくさんある」ことを示すために複数形となり、「高い確率で起こるはず」「おそらくそうなる」「そのような見込み」といった、話し手の気持ちを表わす言葉になっていると考えればいいです。

話しを戻しますね。では、「手術が成功する可能性はどれくらいありますか?」を、chanceを使って言うとどうなるか?この場合の「可能性」は、「見込み」を意味しますよね。なので、以下になります。

What are the chances of a successful operation?
What are the chances of success?
(手術のことは言わなくてもわかる場合)

(今回はここまでです。Part 2で完結ですので、また来てくださいね。See you very soon, guys! naoki)