Naoの誰でもわかる!英語の話

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(Revised!)間違いやすい英語(4)anxious about, anxious to, anxious for

2019-09-22 | 英語の学習
僕が昔から使うのを避けてきた単語がanxious(アンクシャス)。なぜって?どうもその意味がいまいちわからなくて…。「心配」って意味があるのに「〜したい」みたいな意味もある。「心配」はネガティブ(否定的)で、「したい」はポジティブ(肯定的)ですよね。そのギャップがあることを知っていたので、間違ってはいけないと思い、なんとなく使うのを避けてきたのです。そこで今回は、その長年にわたる霧を晴らそうとの思いで、この言葉anxiousを取り上げました(大丈夫かな〜?)。

まずはanxiousの語源を調べてみました。この言葉は1615年から1625年の間くらいに出来た言葉で、angere(窒息させる、絞める、抑える、苦悩、痛み)といった語感をもった言葉から派生し、もともとの意味は、「心配している(worried)、悩んでいる、困っている(distressed)」等で、要は人が危険や不幸が起こるのではないかと精神的に不安になる、極度に心配する状態を表す言葉とのことです。以下がanxious(形容詞)を伴った名詞の例です。

anxious look(心配そうな顔)、 anxious mind(心配性)、 anxious day(気がかりな一日)、anxious night (不安に満ちた夜)、anxious eye(不安げな目)

この言葉の意味そのままに人がその気持ちを表現する時に使われる言い方が、
I am anxious about〜の形です。以下がその例文です。

I'm anxious about the result of my physical examination.
(健康診断の結果が心配だな。)
I'm anxious about the future of this government.
(この政府の将来が危惧されますね。)
I'm anxious about his health.
(彼の健康が気がかりだ。)

be anxious aboutのbeの代わりに、feel を使って、feel anxious aboutと言うこともできますので、覚えておくといいですね。しかし、問題はこれからです。

be anxious aboutが、何かに対する不安、心配、危惧の念を表すことがわかったところで、以下の文を見てください。

I'm anxious for peace in Middle East.
(中東の平和を切望している。)
I'm anxious for my promotion.
(昇進を強く望んでいる。)
I'm anxious for finding an answer to that question.
(その質問に対する答えを見つけることができればと強く願っている。)

次に、以下の文も見てください。

I am anxious to see her as soon as possible.
(彼女に出来るだけ早く会いたいんだ。)
I am anxious to get married.
(僕は結婚を心から待ち望んでいるよ。)
I'm anxious to avoid any more problems.
(僕はもうこれ以上の問題は避けたいんだ。)

どうですか?anxiousのもともとの意味(「心配している(worried)、悩んでいる、困っている(distressed)」が入っていないように思いません?anxious aboutだとその意味を表すのに対して、anxious for、あるいは不定詞を伴ってanxious toになると、「〜を切望する、強く望む」等の意味になるわけです(別の英語で言うと、eagerと覚えましょう)。ね?これだから僕がわからなくなるのは無理ないですよね。

このanxiousの使い方は18世紀の中頃から始まったとのことで、今では一般的に(特に口語では)なっています。何かを強く望む、切望する気持ちは、それが成し遂げられるかどうかの不安、焦燥感と表裏一体という一面もあり、何かに対する強い精神的緊急性を感じているとも言えます。その気持ちがanxiousに共通することから、eagerと同様の意味で使われるようになったようです。このような強い否定的な言葉が何かに対する肯定的な感情を表すという例は、他にもあります。

I am dying to see my grandson.
(孫に会いたくてたまらないよ。)

死んで行く(be+dying)わけではなくて、「それほど」、つまり「死ぬほど」って意味ですよね。anxiousも同じように考えればいいと思います。

「なるほど…じゃあ、結局それらの違いを理解して、そのまま覚えて使うしかないんですね〜。でも、なんかごちゃごちゃしているので、間違わないで使えるかな〜?」確かになんか間違いやすいですよね。では、ちょっと別の角度からanxious aboutとanxious to、そしてanxious forを考えてみましょう。それらの違いは何か?そう、anxiousの次に来る言葉、about、to、そしてforが違いますよね。「だから?」つまり〜それぞれの語が持っている意味を理解するとその違いがはっきりすると言いたいわけです。「違い?」

aboutは、「〜について」って意味を持つ前置詞ですよね。この前置詞は、前に来る動詞の意味を補完する(何らかの影響や方向性を与える)ことはなく、動詞が意味する内容の対象が何かを示すだけの役割しか持っていません。なので、axiousがもともと持っている「心配する」という意味の後に来て、何について心配するのかを示すことになります。前述の例文を参照してくださいね。では、anxious toとanxious forの、toとforはどんな意味を持っているのか?

anxious toのtoは不定詞(動詞の原形を引き連れて、その動詞と前の動詞を繋げる役割をします)ですね。to不定詞はその前にくる単語や文脈でいろいろな役割を果たしますが、大事な要素としては、「未来を指向する意味合いを持つ」ことです。つまり、toの後に来る動詞の未来性を表すということです。極めて簡単な例を挙げると、I hope to see you. 「会う」という未来の事象を望むということですね。よく使われる例文が以下です。

He stopped to smoke.(たばこを吸うために立ち止まった。)
* 立ち止まり、そしてたばこを吸ったわけなので、toは、たばこを吸うという行動がstoppedの後に起こることを示しています。つまり、to不定詞は、その後に来る動詞がそれから起こるものであることを意味することになるわけです。なので、「to不定詞は未来を表す」と覚えておきましょう!

では、前述のanxious toの例文を再度見てみましょう。

I am anxious to see her as soon as possible.
(彼女に出来るだけ早く会いたいんだ。)
I am anxious to get married.
(僕は結婚を心から待ち望んでいるよ。)
I'm anxious to avoid any more problems.
(僕はもうこれ以上の問題は避けたいんだ。)

わかりますよね。to以下のことが将来起こることを待ち望んでいるという文意ですね。なので、anxious toは、何か将来起こるを望んでいるという気持ち表す時に使うもの、と覚えましょう。ではanxious forは?こちらもforが持っている意味を理解すれば簡単です。forは「何々のために」っていうことは誰でもしっていると思いますが、forはその中に「前に」「ある方向に向かって」といった、前向き、あるいは、肯定的意味合いを持っています。例文ですか?例えば…Go for it!(頑張れ(その方向に向かって行け)!)とか、He is heading for the new direction.(彼は新しい方向へ向かっている。)とかかな。思いつつままですが。

「forは肯定的方向(意味合い)を示す」という観点で前述の例文を再度みると…。
I'm anxious for peace in Middle East.
(中東の平和を切望している。)
I'm anxious for my promotion.
(昇進を強く望んでいる。)
I'm anxious for finding an answer to that question.
(その質問に対する答えを見つけることができればと強く願っている。)

肯定的なものを視野に入れて心配するっていうのはおかしいですよね。なので、anxious forは、何かが起こることを願うって意味になるわけです。どうでしょう。これで、anxious about、anxious to、そしてanxious forの違い、使い方、わかってもらえたでしょうか?以下の会話を読んでわかるようならオッケーです。もしまだはっきりしないようなら…最初から読み直してくださいね。では、今回の表現が入った会話文です。Here you go!

Nao: Are you nervous about the new job, Hank?
(新しい仕事は不安かい、ハンク?)
Hank: Well, I'm a little anxious about it, yes.
(そうだな〜、ちょっと心配ではあるな、確かに。)
Nao: But, you are looking forward to it, aren't you?
(だけど、楽しみにしているんだろ?)
Hank: Sure. I'm anxious to work for this company.
(もちろんさ。この会社で働くたくて、うずうずしているよ。)
Nao: I think you've got a bright future there.
(あそこなら君にとって未来は明るいと思うな。)
Hank: I think so, too, Nao. With my skills in business, I'm anxious for promotion in a year.
(僕もそう思うよ、ナオ。僕の持っている技能を発揮して、一年以内には昇進したいと思ってるんだ。)
Nao: Good luck, Hank.
(幸運を祈るよ、ハンク。)

How about that? Did you understand the differences well? I hope so. This is all for today. I will see you in the next story, folks. In the meantime, have a good one! nao



あなたの質問にお答えします!(学生Aさんからの質問)

2019-09-05 | 英会話
Question:スピーキングがほんとに苦手で、緊張してパニックになって、いつもならわかることもわからなくなってしまいます。どうすればいいですか?文法とか単語をたくさん練習すれば、パニックになりませんか?

Answer: 回答です!会話は相手の土俵でしている以上主導権はないわけなので、その文脈がわからなくなれば、話されている言葉の端々はわかったとしても、時にどう会話に入ったらいいのか、かかわっていけばいいのか途方に暮れることになります。「あ〜なんのこっちゃ!」ってなるわけです。何か言おうとしても、的外れになっては思い、「とりあえず黙っとこ…わかるまで…」となります。そしてその結果、黙ったままで、時に微笑みを見せて理解しているような顔をしながら、ひたすら会話が終わるのを待つことになります。そしてその後で、「あ〜自分は何してるんだ〜(涙)」と自分に対する嫌悪感がわき、それが劣等感に繋がって、さらなる自信喪失に繋がることになるのです。「わかる!」かな?これは全て僕が経験したことです。ではどうしたらいいのか…?簡単に言うと、他人の土俵で話をするのではなく、自分の土俵で話をすればいいのです。つまり、自分の土俵(話す内容)を作って、その中(文脈)で話せばいいわけです。そうすれば、そこで話される単語や表現は事前に自分が準備しているものなので、「途方にくれる」ことはない!また、その文脈もわかっているわけなので、相手(他人)が言った単語でわからないものがあれば、"What do you mean by (単語)?”と聞き、その文脈の中で理解するようにすれば何となく全体の意味はわかるものです。

他人(ネイティブ)が話し始めた内容にしっかり入っていって自分が思うような応答や会話ができるようになるのには時間がかかります。なので、ベストは、自分から話しを振って会話を進めていくことです。そうすれば、その時の分からなくなった時のダメージ(?)はミニマルですみます。「でも…すでに会話が始まっていたら…?」その時は会話の途中で自分の知っている内容を振って、会話の方向性を自分の方へ向ければいいのです。そのタイミングはというと、何か自分が分かった内容や単語があれば、「それにつながるだろう」と思える内容を、例えば…「Do you know about (something)?」とか、「You know what(ちょっといいですか)? The other day, I went shopping at...」とか言って、自分の知っていること、体験したことを自分から話始めたり、「Can you tell me something about (something)?」と言って、相手に質問することによって自分のわかりやすい内容や興味のあることに話題を変えることです。そうすれば、会話をある程度自分でコントロールできることになるので、たとえその後会話がさっぱりわからなくなったとしても、その時の成功体験から、「自分もまんざらでもないじゃん」と、なんとなく優越感や自己満足を感じて、その後のコミュニケーションに自信が持てるようになります。そのようなちょっとした冒険(?)から得た成功体験の積み重ねで英語力(コミュニケーション能力)は伸びていくものです。

そのための準備はというと、人と話す時のネタを貯めておくことです。自分が興味ある内容や話題をいろいろなメディアから見つけ、それをある程度話せるようにしておく。あるいは、自分の体験や経験を英語で話せるように準備しておく。そして、機会を見つけては、それらについておしゃべりすればいいわけです。「でもどうやって準備をするの…?」それは簡単です。一人になった時にその場面を設定して練習しておくことです。そう、一人芝居をして練習しておくことです!その中では時間はあるし、いろいろ調べながらできるし、一番うれしいのは、他人からのプレッシャーがないことです。そういった練習は、実際に起こるであろうことの「リハーサル」となり、その場面に遭遇した時の認知的負担を軽くします。あ、つまり、気軽になるということです。なので、一度やってみてください!

自分に関係のない、使うか使わないかわからない「文法とか単語をたくさん練習する」のではなく、「自分が話したい、使いたい文法とか単語を使う練習」を十分にして、それを実際の会話で使うこと!そうすれば、「パニックにはなりません」!頑張って練習して、いっぱい、いっぱい話をして、会話力、英語でのコミュニケーション能力をつけてください!

というのが回答でした。ちょっと長くてすみません…。しっかり読んで理解して、一度トライしてくださいね。その効果は絶対実感できるはずです!

Thank you for reading my blog, guys. Have a wonderful day! Nao