3)I’m prepared to die, but there is no cause for which I am prepared to kill.
(私は死ぬ覚悟はできている。しかし、人を殺す覚悟をするいかなる理由も存在しない。)
今回もまたまたマハトマ・ガンディー(Mahatma Gandhi-本名はMohandas Karamchand Gandhi(モハンダス・カラムチャンド・ガンディー))の言葉を使って英語をみていきたいと思います。「でも、ガンディーはインド人なのに英語?」と思われる皆さんも多くいるかと思いますが、実はガンディーは若い頃イギリスで勉強をし、また当時の大英帝国との「戦い」では英語で丁々発止のやりとりを繰り返していますので、英語は「ネイティブ」と言ってもいいと思います。ちなみに、現在世界には英語圏以外にも独特の文化、文法を持った英語が多く存在しますが、Indian English(インド英語)はその中の代表的な英語の一つです。僕の体験から言えるのは、インド英語は発音がかなり特徴的だということ。アクセントの位置が違うので、時々戸惑うこともありましたね~そう言えば。
さて、今回の言葉(文章)を、ガンディーの気持ちを考えながらみていきましょう。ご存知のように、インド独立のために立ち上がったガンディーは、大英帝国と相対します。しかし、暴力は絶対に使わない、いわゆる、「非暴力主義」を貫き、民衆にもそのことを浸透させる努力をしました。暴力は暴力を生むだけで、決して暴力から真の平和は生まれない。このガンディーの信念、哲学が
今回の英文に表れています。
I am prepared to die
(私は死ぬ覚悟はできている。)
これは、ガンディーが、「民衆のため、インド独立のためなら自分一人の命など惜しまない、そのためならいつでも死ねる、死ぬ気持ちの準備(preparation)はできている(be prepared to die)」との気持ちを吐露した部分です。何かをする準備(物理的にも気持ち的にも)ができているという表現が、[主語+be prepared to+動詞の原形] です。以下が例文です。
I am prepared to fight for it.
(そのために戦う準備はできているよ。)
I am prepared to listen to whatever you are going to say.
(君が言おうとしていることを聞く気持ちの準備はできてるよ。)
I am prepared to make a presentation.
(発表する準備はできてるよ。)
I am fully prepared to leave for New York.
(ニューヨークに行く準備は万端さ。)
I am prepared to die. と言ったガンディーですが、すぐその後、自分に死を与える行為(殺人)に言及します。自分が死をいとわないということは、その死をもたらす行為(殺人という名の暴力)そのものを容認するものではない、との意志(非暴力主義)を明確にするために、I am prepared to dieと同じパターンを使い、対比させる形で、I am prepared to killという表現を使います。ただし、その前には、そのような行為をするための理由(cause for which)は存在しない(there is no (cause))という前書きを付けて。それが後段の言葉(以下)です。
there is no cause for which I am prepared to kill
(人を殺す覚悟をするいかなる理由も存在しない)
関係代名詞のwhichの前にforなど(前置詞)が付く、あるいは付ける言い方は、なかなか難しいと思う皆さんも多いかと思います。これは、まず一番強く言いたいこと(主旨)を言い、その後説明が足りない部分(名詞)を関係代名詞で言い換え、それについて言いたいことを付け加える、といった頭の動きからできる文型です。日本語でもありますよね、こんな頭の動き。例えば、
(そんな)規則なんかないよ~。みんなが納得するような。
(There is no rule to which everyone agrees.)
まあ、こんな言い方は、気持ちが先行した(先走った)時の言い方ですけどね。落ち着いて言う時は、「みんなが納得するような」+「規則はない」となりますね。これを [主語+(主)動詞] を基本とする英語の語順にあてはめると、[規則はない] が主構造をつくり、「みんなが納得するような」は、あくまで「規則」の説明(修飾語)ですので、「規則」の説明の位置に来る。この場合、説明文が長いので、その説明は説明されるもの(「規則」)の後に来ます。その際説明される名詞は、再度登場するため、関係代名詞に形を変えるというわけです。よく、頭の中で二つの文章が一つになるっていう説明もありますが。
(A) there is no rule
(B) everyone agrees to no rule
(「前に出てきた名詞と同じものが出てきたら、それを表す関係代名詞に変える」規則の適用)
(A)+(B)=there is no rule+everyone agrees to which
(「関係代名詞は先行詞のすぐ後に来なければならない」規則の適用)
正しい文章((A)+(B)に規則を適用)=There is no rule to which everyone agrees.
*whichだけが前に出ないのは、to whichで一つの固まり(前置詞句)を形成し、動く場合は一緒に動くという規則があるからです。
さて、この説明でガンディーの言葉とそれに類する文型のこと、おわかりいただけたでしょうか。皆さんも是非ご自身でこのような文を作ってみてください。ではまた、英語の「いい言葉」を知り、そして、それを作っている英語のことを一緒に学んでいきましょう。In the meantime, have a Happy New Year, guys. See ya! nao
(私は死ぬ覚悟はできている。しかし、人を殺す覚悟をするいかなる理由も存在しない。)
今回もまたまたマハトマ・ガンディー(Mahatma Gandhi-本名はMohandas Karamchand Gandhi(モハンダス・カラムチャンド・ガンディー))の言葉を使って英語をみていきたいと思います。「でも、ガンディーはインド人なのに英語?」と思われる皆さんも多くいるかと思いますが、実はガンディーは若い頃イギリスで勉強をし、また当時の大英帝国との「戦い」では英語で丁々発止のやりとりを繰り返していますので、英語は「ネイティブ」と言ってもいいと思います。ちなみに、現在世界には英語圏以外にも独特の文化、文法を持った英語が多く存在しますが、Indian English(インド英語)はその中の代表的な英語の一つです。僕の体験から言えるのは、インド英語は発音がかなり特徴的だということ。アクセントの位置が違うので、時々戸惑うこともありましたね~そう言えば。
さて、今回の言葉(文章)を、ガンディーの気持ちを考えながらみていきましょう。ご存知のように、インド独立のために立ち上がったガンディーは、大英帝国と相対します。しかし、暴力は絶対に使わない、いわゆる、「非暴力主義」を貫き、民衆にもそのことを浸透させる努力をしました。暴力は暴力を生むだけで、決して暴力から真の平和は生まれない。このガンディーの信念、哲学が
今回の英文に表れています。
I am prepared to die
(私は死ぬ覚悟はできている。)
これは、ガンディーが、「民衆のため、インド独立のためなら自分一人の命など惜しまない、そのためならいつでも死ねる、死ぬ気持ちの準備(preparation)はできている(be prepared to die)」との気持ちを吐露した部分です。何かをする準備(物理的にも気持ち的にも)ができているという表現が、[主語+be prepared to+動詞の原形] です。以下が例文です。
I am prepared to fight for it.
(そのために戦う準備はできているよ。)
I am prepared to listen to whatever you are going to say.
(君が言おうとしていることを聞く気持ちの準備はできてるよ。)
I am prepared to make a presentation.
(発表する準備はできてるよ。)
I am fully prepared to leave for New York.
(ニューヨークに行く準備は万端さ。)
I am prepared to die. と言ったガンディーですが、すぐその後、自分に死を与える行為(殺人)に言及します。自分が死をいとわないということは、その死をもたらす行為(殺人という名の暴力)そのものを容認するものではない、との意志(非暴力主義)を明確にするために、I am prepared to dieと同じパターンを使い、対比させる形で、I am prepared to killという表現を使います。ただし、その前には、そのような行為をするための理由(cause for which)は存在しない(there is no (cause))という前書きを付けて。それが後段の言葉(以下)です。
there is no cause for which I am prepared to kill
(人を殺す覚悟をするいかなる理由も存在しない)
関係代名詞のwhichの前にforなど(前置詞)が付く、あるいは付ける言い方は、なかなか難しいと思う皆さんも多いかと思います。これは、まず一番強く言いたいこと(主旨)を言い、その後説明が足りない部分(名詞)を関係代名詞で言い換え、それについて言いたいことを付け加える、といった頭の動きからできる文型です。日本語でもありますよね、こんな頭の動き。例えば、
(そんな)規則なんかないよ~。みんなが納得するような。
(There is no rule to which everyone agrees.)
まあ、こんな言い方は、気持ちが先行した(先走った)時の言い方ですけどね。落ち着いて言う時は、「みんなが納得するような」+「規則はない」となりますね。これを [主語+(主)動詞] を基本とする英語の語順にあてはめると、[規則はない] が主構造をつくり、「みんなが納得するような」は、あくまで「規則」の説明(修飾語)ですので、「規則」の説明の位置に来る。この場合、説明文が長いので、その説明は説明されるもの(「規則」)の後に来ます。その際説明される名詞は、再度登場するため、関係代名詞に形を変えるというわけです。よく、頭の中で二つの文章が一つになるっていう説明もありますが。
(A) there is no rule
(B) everyone agrees to no rule
(「前に出てきた名詞と同じものが出てきたら、それを表す関係代名詞に変える」規則の適用)
(A)+(B)=there is no rule+everyone agrees to which
(「関係代名詞は先行詞のすぐ後に来なければならない」規則の適用)
正しい文章((A)+(B)に規則を適用)=There is no rule to which everyone agrees.
*whichだけが前に出ないのは、to whichで一つの固まり(前置詞句)を形成し、動く場合は一緒に動くという規則があるからです。
さて、この説明でガンディーの言葉とそれに類する文型のこと、おわかりいただけたでしょうか。皆さんも是非ご自身でこのような文を作ってみてください。ではまた、英語の「いい言葉」を知り、そして、それを作っている英語のことを一緒に学んでいきましょう。In the meantime, have a Happy New Year, guys. See ya! nao