①「英語を日常の言語にする」(Part 7)
「(英語)脳がその内容(インプットされた英語情報)を処理するための時間や環境」についての話の続きです。時間については前回お話しましたので、今回は「日常の環境」について。前に、自分がアメリカに長く住んでいた時の体験をふまえて、「英語の環境」について話をしました。え?覚えていない?(困惑)えっと~…こう書きました。「アメリカに10年近くいましたが、社会では英語が話されているわけですが、自分の家族と過ごす時間が多かったり、あるいは、家で日本語のドラマを見たり、日本語の小説や文献を読んでいたことも多かったので、果たして自分をどれくらい「英語の環境」に置いていたかは疑問です。」また、英語の環境について、「「英語の環境」というのは、「英語圏」(英語の社会)という意味ではありません。自分が毎日見る、聞く、脳が理解しよとする言語が英語であれば、その言語環境は「英語の環境」と言えます。」と述べ、今回の、英語習得における「日常の環境」についても、以下の表現でその結論を示唆しています。「今の日本、いや現代社会はいろいろなメディアにあふれているわけで、その気になれば自分を「英語の環境」に置くことは容易にできます。」と。
そうです、簡単に言えば、英語脳を作るための「英語の環境」は、自分が毎日継続的に英語を見て(see)、読んで(read)、聞いて(hear and listen)、その脳に入ってくる情報(インプット)を理解(comprehend)する(しようとする)環境を作ることでできるということです。後は自分の脳を信じて、基本、それらを続けてさえいれば、時間と質の差こそあれ、それなりに英語脳は発達して行き、程度の差はあっても、誰でも英語を習得することができるというわけです。しかし、ここで覚えていなければいけないのは、日常の日本語のインプットと英語のインプットの量のバランスです。我々は日本に住んでいるわけですから、意識しなければ日本語のインプットしかありません。英語を一所懸命勉強しているという人が「私は一日3時間勉強しています」と言えば、「へ~頑張っているんだ~」という反応が返ってくるかも知れません。ですが、朝6時半に起きて夜11時半に寝るとした場合、一日17時間のうちの3時間しか脳は英語のインプットを処理していないことになります。でしょ?私たちが日本語を習得するためにかけてきた時間数を考えれば、それを毎日続けたとしても、それで日本語脳と同様の働きをする英語脳を作ることは~できないですよね。「でも、一日3時間集中して勉強したら、英語力は伸びるでしょう!」もちろん、それは大事なことで、また、必要なことです。でも、前に言いましたよね。勉強すること(learning)と習得すること(acquisition)は違うことだと。英語が日本語のように分かるようになるためには、脳が英語の解析・理解を自動的に行うようにならなければならないわけです。そうなるために必要な時間数としては、毎日3時間は少なすぎますよね。「じゃあ、毎日何時間勉強しろと…?(困惑)」いやいや、勉強する時間を増やせというのではなくて、英語のインプット量を増やさなければいけないと言っているんですよ(冷汗)。「ん?どういうこと…?」
さっき、「英語脳を作るための「英語の環境」は、自分が毎日継続的に英語を見て(see)、読んで(read)、聞いて(hear and listen)、その脳に入ってくる情報(インプット)を理解(comprehend)する(しようとする)環境を作ることでできる」って言いましたよね。「勉強する」という行為は、英語を自分から積極的にインプットして理解しようとすることを意味します。このような行動を、英語習得におけるactive learning(積極的学習)とでも言いましょうか。それは大変意味があることです。わからないことを自分なりに分かるように努力することで、英語に対する理解が深まり、理解できるキャパシティが広がり、脳の英語に対する自動的処理・認識のベースが広がります。しかし、肝心の自動的処理・認識能力を高めるためには、脳が自然にインプットを理解しようとするような環境(状態)が必要です。そのような環境下、脳は受け身ながらも、次々に入ってくるインプットを、その時点で蓄積している知識を精一杯動員して理解しようとします。このような活動を、積極的に学習(勉強)するという行動(active learning)に対し、passive learning (受動的学習)と呼ぶことにしましょう。言語習得には、このpassive learningの絶対的量が極めて重要です。言い換えると、英語を意識して勉強するのではなく、なんとなく理解しようとするような機会をできるだけ多く持つ、作るということです。「まあ、それはわからないではないけど…でも、そんな環境、どうやって作れば…?」
冒頭の一節の最後にこう書きましたよね。「今の日本、いや現代社会はいろいろなメディアにあふれているわけで、その気になれば自分を「英語の環境」に置くことは容易にできます。」と。そう、現代は様々なメディアが「英語の環境」を私たちに手軽に与えてくれます。問題は、今自分のいる環境で手に入れることができる、アクセスできるメディアにはどんなものがあるのか、自分にとってどのメディアが合っているのか、そして、一番大事なことは、そのメディアに毎日継続的にアクセスして、自分の日常生活を日本語のインプットよりも英語のインプットの方が多い日常生活に変える強い意志力があるかどうかいうことです。
「英語をマスターしたい気持ちはあるんですよね~。でも、無理に英語の環境を日本で作るっていうんだったら、それより、海外に行って生活した方が効率的なような…。だって、よく言うでしょ、海外に行けば英語なんてすぐに話せるようになるって。ほら、赤ちゃんが英語を習得するように英語をただ聞いていれば英語は話せるようになるって話もよく聞くし。海外ならそんな環境ですよね~。」ふむ…きっとその甘い考え方が日本人の英語力をいつまでもアジアで最下位にしている原因なのかな~?それははっきり言います。大きな間違いです!(End of Part 7)
「(英語)脳がその内容(インプットされた英語情報)を処理するための時間や環境」についての話の続きです。時間については前回お話しましたので、今回は「日常の環境」について。前に、自分がアメリカに長く住んでいた時の体験をふまえて、「英語の環境」について話をしました。え?覚えていない?(困惑)えっと~…こう書きました。「アメリカに10年近くいましたが、社会では英語が話されているわけですが、自分の家族と過ごす時間が多かったり、あるいは、家で日本語のドラマを見たり、日本語の小説や文献を読んでいたことも多かったので、果たして自分をどれくらい「英語の環境」に置いていたかは疑問です。」また、英語の環境について、「「英語の環境」というのは、「英語圏」(英語の社会)という意味ではありません。自分が毎日見る、聞く、脳が理解しよとする言語が英語であれば、その言語環境は「英語の環境」と言えます。」と述べ、今回の、英語習得における「日常の環境」についても、以下の表現でその結論を示唆しています。「今の日本、いや現代社会はいろいろなメディアにあふれているわけで、その気になれば自分を「英語の環境」に置くことは容易にできます。」と。
そうです、簡単に言えば、英語脳を作るための「英語の環境」は、自分が毎日継続的に英語を見て(see)、読んで(read)、聞いて(hear and listen)、その脳に入ってくる情報(インプット)を理解(comprehend)する(しようとする)環境を作ることでできるということです。後は自分の脳を信じて、基本、それらを続けてさえいれば、時間と質の差こそあれ、それなりに英語脳は発達して行き、程度の差はあっても、誰でも英語を習得することができるというわけです。しかし、ここで覚えていなければいけないのは、日常の日本語のインプットと英語のインプットの量のバランスです。我々は日本に住んでいるわけですから、意識しなければ日本語のインプットしかありません。英語を一所懸命勉強しているという人が「私は一日3時間勉強しています」と言えば、「へ~頑張っているんだ~」という反応が返ってくるかも知れません。ですが、朝6時半に起きて夜11時半に寝るとした場合、一日17時間のうちの3時間しか脳は英語のインプットを処理していないことになります。でしょ?私たちが日本語を習得するためにかけてきた時間数を考えれば、それを毎日続けたとしても、それで日本語脳と同様の働きをする英語脳を作ることは~できないですよね。「でも、一日3時間集中して勉強したら、英語力は伸びるでしょう!」もちろん、それは大事なことで、また、必要なことです。でも、前に言いましたよね。勉強すること(learning)と習得すること(acquisition)は違うことだと。英語が日本語のように分かるようになるためには、脳が英語の解析・理解を自動的に行うようにならなければならないわけです。そうなるために必要な時間数としては、毎日3時間は少なすぎますよね。「じゃあ、毎日何時間勉強しろと…?(困惑)」いやいや、勉強する時間を増やせというのではなくて、英語のインプット量を増やさなければいけないと言っているんですよ(冷汗)。「ん?どういうこと…?」
さっき、「英語脳を作るための「英語の環境」は、自分が毎日継続的に英語を見て(see)、読んで(read)、聞いて(hear and listen)、その脳に入ってくる情報(インプット)を理解(comprehend)する(しようとする)環境を作ることでできる」って言いましたよね。「勉強する」という行為は、英語を自分から積極的にインプットして理解しようとすることを意味します。このような行動を、英語習得におけるactive learning(積極的学習)とでも言いましょうか。それは大変意味があることです。わからないことを自分なりに分かるように努力することで、英語に対する理解が深まり、理解できるキャパシティが広がり、脳の英語に対する自動的処理・認識のベースが広がります。しかし、肝心の自動的処理・認識能力を高めるためには、脳が自然にインプットを理解しようとするような環境(状態)が必要です。そのような環境下、脳は受け身ながらも、次々に入ってくるインプットを、その時点で蓄積している知識を精一杯動員して理解しようとします。このような活動を、積極的に学習(勉強)するという行動(active learning)に対し、passive learning (受動的学習)と呼ぶことにしましょう。言語習得には、このpassive learningの絶対的量が極めて重要です。言い換えると、英語を意識して勉強するのではなく、なんとなく理解しようとするような機会をできるだけ多く持つ、作るということです。「まあ、それはわからないではないけど…でも、そんな環境、どうやって作れば…?」
冒頭の一節の最後にこう書きましたよね。「今の日本、いや現代社会はいろいろなメディアにあふれているわけで、その気になれば自分を「英語の環境」に置くことは容易にできます。」と。そう、現代は様々なメディアが「英語の環境」を私たちに手軽に与えてくれます。問題は、今自分のいる環境で手に入れることができる、アクセスできるメディアにはどんなものがあるのか、自分にとってどのメディアが合っているのか、そして、一番大事なことは、そのメディアに毎日継続的にアクセスして、自分の日常生活を日本語のインプットよりも英語のインプットの方が多い日常生活に変える強い意志力があるかどうかいうことです。
「英語をマスターしたい気持ちはあるんですよね~。でも、無理に英語の環境を日本で作るっていうんだったら、それより、海外に行って生活した方が効率的なような…。だって、よく言うでしょ、海外に行けば英語なんてすぐに話せるようになるって。ほら、赤ちゃんが英語を習得するように英語をただ聞いていれば英語は話せるようになるって話もよく聞くし。海外ならそんな環境ですよね~。」ふむ…きっとその甘い考え方が日本人の英語力をいつまでもアジアで最下位にしている原因なのかな~?それははっきり言います。大きな間違いです!(End of Part 7)