ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

握手

2013-03-09 05:42:43 | 日記
甲斐さんいわく…
スキなものは拍手、キライなものは握手

ボクはこの言葉をずっと
握手攻めに対する煙幕だと思っていました(汗)

奥さんいわく…
そういう意味もあるかも知れないけど…(苦笑)

実際はもっと深い事情があったようだ


甲斐バンドがデビューして1年足らずで
【裏切りの街角】がヒットした

当時、松藤さんはドラムを始めたばかりで
大森さんもエレキを手にして日が浅かった

甲斐さんいわく…

バンドは下手で、のっぴきならない演奏なのに
レコードは売れちゃって…
正直『あちゃ』と思ったんだよね

ツアーでいろんな町に行くと
少年少女たちが
『頑張って下さい!』って手を差し出すよね

ギュッと握れんわな…自信ないんだもん

生き方には自信があっても
それだけで生きられるほど世の中甘くない

そりゃあ握れん
俺、やっぱり不安だったからね


デビュー・コンサートの時
チューリップのファンで満員でも

自分たちがとても上手く演奏できていれば
ある程度の満足感は得られたはずなんだ…

でも、その時の演奏が俺たちのすべてだった
一生懸命やれば通じるなんて甘い考えは捨てた

だから余計に
ツアーを経て十分な経験を重ねたいと思った


動員数は増えてきたけど
レコードの売上げはジリ貧で

自分には才能がないんじゃないか?と
不安になっても口には出来ない

言えばバンドがメチャクチャになってしまうから…苦しかったね


ツアー先の楽屋にバイトの振りをした少年が入って来て

『甲斐バンドのロックはスゴい!』って言うわけよ

でも、クラスで知ってるのは自分だけで他には誰もいない

みんなに『甲斐バンドは絶対ビッグになる!』って言うと

バカにされるけど僕が賭けたバンドなんだから信じてる

もし甲斐バンドがビッグにならなかったら

僕はみんなに嘘をついたことになる
何を信じて生きて行けばいいか判らなくなる

だから絶対売れて下さいって俺に訴えるんだ


小学生の頃の自分を見るような気がしてショックを受けたよ

俺は小学4年でストーンズを知って以来ずっと好きなんだけど

当時そんなガキだった俺が
今こうしてプロとしてやっている

だから今度は
俺を賭ける対象として生きている少年たちに対して
切実に売れたいと思った

この少年の夢を壊してはいけないんだという気にさせられた

俺は俺に賭けてくれている色んな人たちに
必死で歌っている部分がある

俺が自分自身に賭けたいが故に
歌っていると思うところもある

その少年の訪問は
その時期の俺たちにとっては
大きな意味を持つものだった

その数ヶ月後に【HERO】は1位になった


…と甲斐さんが著書やインタビューで
語っていらっしゃるのを抜粋してみました


奥さんいわく…
『選ばれし者の恍惚と不安ともに有り』ってことなんだろうね


箱根芦ノ湖での野外ライブの前日
午後9時頃にリハーサルが終わって
甲斐さんが車でホテルに帰ろうとしたら

ものすごく寒い日だったのに
もう200~300人くらいのファンが
徹夜覚悟で並んで待っていたそうだ

それを見て嬉しくなった甲斐さんは
車から降りてご自分から握手したという

甲斐さんが『みんな喜んでくれてね』と話すのを聞いて

奥さんいわく…

ツアーバスで行くんじゃなかった…(苦笑)

『握手嫌い』と『寄るなオーラ』に阻まれ(爆)

奥さんが甲斐さんと握手したのは
それからずっと後のことでした(笑)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする