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庭先で写真を撮っていたら近所の人に出あった。
昨年、お母さんを亡くし、今は一人暮らし。
これから畑に行くという。
お母さん(実母)が元気なうちは、この方はほとんど畑に出ることが無かった。
しかし今は畑仕事に精出している様子。
その事を言うと「そうなの、全然畑仕事をしてなかったけど、母が弱るにつれて手伝うようになって仕事を覚えたの。今では毎日畑に出るのが楽しくて、今日は何をしようかとウキウキして畑に行くのよ」と言う。
「でも、あまり畑仕事をしていたら、指が痛くなって・・・」と湿布を貼った指を見せ、
「手も震えるようになって、先日、地区のお葬式の時に給仕をしていたら『手が震えてる』と地区の人に大きな声で言われてしまったの」とちょっと悲しそう。
「あら、私は草取りをしないけど手が震えるんですよ。子どもの頃からなんです。お茶など注いだり飲んだりする時も震えるんです。だからお客さんにお茶を出すのが苦手なんです。うちに来たお客さんは、その旨言って、時には自分で注いでもらったりするんですよ」と言うと
「ええっ!○ちゃん(私の事)でもそんなことがあるの?」と驚いた様子。
「ええ、もう開き直って、私はこういう事は手が震えて苦手なんですと前もって言ったりするんですよ」と打ち明けると
「わあ、嬉しい。私はこのことを苦にしていたの。○ちゃん(私)もそういうことがあるんですね。それを聞いて気が楽になりました」と喜んでくれた。
立ち話しながら服装の色合いが素敵だなと思ったので、写真を撮らせてもらった。
振り向きざまの笑顔が素敵な写真が撮れた。
それを娘に見せると「カラーコーディネートが上手ね。アメリカ映画の人みたい」と言った。
夕方その写真を持って行って差しあげ、娘の感想も伝えたら喜んでくれた。
そして「○ちゃんも、手が震えると聞いて気が楽になりました」とも言ってくれた。
不器用さ(コンプレックス)には事欠かない私。こういうことで役立つこともあるのかと私もなんだか幸せな気分になった。