「免疫力」の正しい知識
新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、感染を防ぐためにはどうしたらよいかと連日報道されています。手洗い・うがいはもちろんのこと、「免疫力」という言葉をよく耳にするのではないでしょうか。
そもそも免疫とは体の抵抗力のことで、病原性の細菌やウイルス、そしてがん細胞などが正常な細胞を攻撃するのを防ぐ働きをします。この抵抗力が弱まると流行の感染症などにかかりやすくなってしまうのです。困ったことに新型コロナウイルスをはじめ、新型インフルエンザなどの感染症に罹患する方は後を絶ちません。
このような病気にできるだけかからないようにするためにも、正しい知識で「免疫力」を低下させないことが必要です。とくに、食生活と免疫力は密接に関係しています。例えば、子供のころ風邪をひくと、栄養のあるとされる卵や牛乳を使ったお粥などを食べされられた記憶はありませんか。こうしたものを食べると風邪に負けない抵抗力がつき、風邪が治ることが「昔からの知恵」として知られていたのです。
一方、正しい食事が充分に与えられないと、この免疫の働きが低下し、様々な病気にかかりやすくなります。では、どのようなものを食べればよいのでしょう。
「抗体」を作る
三大栄養素の一つである「たんぱく質」は免疫力を維持するには非常に重要です。たんぱく質は体を作っている細胞の重要な成分であるアミノ酸で構成されています。免疫にかかわる「抗体」という体を守る成分も、たんぱく質からできています。ほかにも代謝にかかわる酵素などもたんぱく質の一種です。
ですから、たんぱく質が不足すると体を作っている細胞の働きが落ちるのは当たり前のことなのです。免疫にかかわる細胞の働きも芳しくなくなります。そして、あまり知られていませんが、免疫の細胞だけでなく皮膚の細胞の働きが落ちると、皮膚からの経皮感染なども起こりやすくなります。このように細胞の力が落ちると、病原細菌に体が乗っ取られて体調不良に陥ります。
そこで、前述したように卵や牛乳のお粥を食べることでたんぱく質を体に入れて、細胞の力をよみがえらせることが必要なのです。高齢の女性に適正なたんぱく質量の半量の食事を与えたところ、適正量を摂った人に比べて免疫細胞の活性が半分に減ったというレポートがあります。
免疫を支えるビタミン群
また、5大栄養素の一つである「ビタミン」も免疫と大きくかかわります。なかでもビタミンA、C、Eが充分でないと免疫力を正常に保つことはできません。新型コロナウイルスは高齢者に重篤な患者さんが多いですが、ビタミンEとビタミンCは高齢者の免疫細胞を活性化することが報告されています。
私たちの体には酸素が必要ですがこの酸素が不安定な状態にあるものを活性酸素と言います。この活性酸素は本来、体を守る働きのために発生するのですが過剰な活性酸素は体の細胞膜を酸化させて機能を低下させてしまいます。ビタミンEは高い抗酸化作用で活性酸素の過剰な生成を抑え、免疫細胞の機能低下を抑えます。ビタミンAやビタミンCは免疫細胞に直接作用して免疫反応を促進させる働きがあります。
日本の伝統食を活用
ほかにも私たちの体を正常に保つためにはカルシウム・マグネシウム・鉄などのミネラルも必要です。免疫力を維持し、高めるための必須ミネラルは亜鉛とセレンが代表的です。亜鉛やセレンは活性酸素を除去する酵素の一部となっていて、食事から充分な量を摂取できれば余分な活性酸素は分解されて免疫機能を通常の状態に保つことができます。
実際の食事を見てみましょう。私たち日本人は伝統的に納豆・ぬか漬け・味噌・醤油・酒・みりん・鰹節など微生物を利用して作られた食品を食べています。またヨーグルトやチーズなど発酵乳製品なども食べます。微生物は食品を発酵させて保全性を高め、食味を整え向上させる目的で利用させているのですが、健康増進にも貢献していることがわかっています。
例えば、ヨーグルトに含まれる乳酸菌の一種であるビフィズス菌やラクトバチルス菌を摂ると、がん細胞の増殖を抑えるナチュラルキラー細胞が活性上昇したという報告が数多くあります。
また、「貪食細胞(どんしょくさいぼう)」というものをご存知でしょうか。侵入してくる最近などを自分の細胞内に取り込み破壊してくれるもので、これを自然免疫といいます。ビフィズス菌やラクトバチルス菌を摂ると、この貪食細胞の働きが上昇することもわかっています。
まだまだ鍋がおすすめ!
つまるところ、たんぱく質・ビタミン・ミネラル・乳酸菌の免疫に対する作用はそれぞれ違うのです。たんぱく質は酵素自体を作ります。ミネラルやビタミンは抗酸化作用で免疫系全体の能力低下を防ぎ、同時に免疫細胞に作用して細菌を攻撃する成分を作ります。乳酸菌は貪食細胞を働かせ細菌を破壊してくれます。
これらの作用を考えると乳酸菌・ミネラル・ビタミンを同時に摂ることにより、より効果的な免疫力の向上が期待できると考えられます。
3月といえどもまだまだ寒い日があるので、やはり鍋がイチオシです。アブラナ科の野菜である白菜や大根、ブロッコリー、菜の花や、緑黄色野菜の人参・かぼちゃなどに、亜鉛の豊富な牡蠣を入れてレモン醤油で食べるのがおすすめ。最後のしめは玄米ご飯の卵雑炊にすればたんぱく質も摂取できます。ヨーグルトは毎日摂っていただきたいので、習慣化しやすい朝ご飯の時に合わせましょう。
体温が下がると免疫力が落ちるので冷たいものの摂取は控えたほうがよいですね。体を冷やす夏野菜やトロピカルフルーツもこの時期はNG。血行促進するネギやニラ、生姜をたっぷり入れたお味噌汁などが朝ご飯にばっちりです。
そして、免疫力の大敵はストレス。ストレスと免疫の関係については多くの研究発表があり、両者の密接な関係が認められています。病は気からといわれるくらい、気持ちが落ち込んだ状態が続くと風邪をひきやすくなります。気持ちが落ち込むことにより神経系の細胞から免疫系の働きを抑える物質が放出されるからです。
新型コロナウイルスで神経質になり過ぎてストレスを抱えてしまうと、余計に免疫力を低下させてしまいます。まずは日々の食事を楽しみ、正しい食生活で免疫力を維持して、この3月を乗り切りたいものです。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200309-00070826-gendaibiz-life&p=1
今朝の血糖値です。119(mg/dl)です。(´,,・ω・,,`)まぁ良いと。
また更新します。皆様もご自愛ください。