訪問日:平成25年6月29日(土)
出 発:京阪電車「私市駅」
到 着:京阪電車「河内森駅」
古事記では、高天原に坐す「天照大御神(アマテラスオオミカミ)」の孫「邇邇芸命(ニニギノミコト)」が、「天照大御神」より現在の日本「豊葦原水穂國(とよあしはらのみずほのくに)」を平定するようご神託を受け、多くの神々を引き連れて筑紫の日向の高千穂の霊峰「くじふる」に天降った。その「天孫降臨」の地は、現在の宮崎県高千穂とされている。
その後、「邇邇芸命」の子孫にあたる「伊波礼毘古命(イワレビコノミコト)」が高千穂より東征、それを迎え撃つ「那賀須泥毘古(ナガスネヒコ)」を死闘の末打ち破り、畝傍・白檮原宮(かしはらのみや)で天下を治める。後の初代神武天皇である。その際「邇芸速日命(ニギハヤヒノミコト)」が現れ「伊波礼毘古命」に帰順する。
一方、日本書紀では「邇芸速日命」を「饒速日命」と記し、「伊波礼毘古命(日本書記では磐余彦尊)」と戦った「那賀須泥毘古(日本書記では長髄彦)」の主君であり、「天磐船(あめのいわふね)」に乗って天降った天神の子とされ、天上より郷を見下ろし「虚空から見た日本の國」と述べたと記されている。
そして「饒速日命」を祖とする物部氏の伝承記「先代旧事本紀」では、「饒速日命」は天磐船に乗って「河内國川上哮ヶ峯」に降臨したとか。もうひとつの「天孫降臨」の地「哮ケ峯(たけるがみね)」と伝わる大阪府交野市「河内磐船」を訪ねる。若干起伏はあるが難路ではない。整備されたハイキングコースを歩くので、給水・トイレには困らない。
京阪交野市駅前には大きなコインパーキングがあるので、そこにマイカーを駐車(1日最大700円)し、京阪電車交野線で2駅先の終点(約5分、150円)「私市駅」へ。ここが今日のスタート地点。「きさいち」と読む。3月より機関車トーマスを模した列車を運行していることから、三角屋根の駅舎にはトーマスのデコが飾られていた。午前11時スタート。
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駅から国道168号線に出て右折、小さなお堂に参る。何の表示もないが地図では「大師堂」と書かれているので「弘法大師」様をお祀りするのだろう。今日1日の安全を祈願する。
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大阪府交野(かたの)市。淀川に落ちる生駒山地の北端、交野山(341m)からの丘陵地に広がる田園地帯。大阪のベッドタウンとして宅地化が進み、人口は約7万6千人。これといった特徴はなく、大阪に住む人でも「交野」と聞いてピンと来る人は少ないだろう。しかし、結構、歴史のある町だ。
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国道に沿って歩いても良いのだが、車を避けるため川岸に下りる。そこは「水辺プラザ」と呼ばれる親水公園になっている。
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少し歩くと木の陰になっているが大きな堰がある。案内標示によると明治32年に造られた、長さ7.1m、高低差1.7mの「天野川砂防堰堤」と呼ばれる堰で、国の登録有形文化財に登録されている。
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堤に上がり目の前に見えている橋を渡る。ここは「星の里いわふね」と呼ばれ、ログハウス風のロッジやバーベキュー施設、プラネタリウムなどを備えた、交野市立のアウトドアスポーツ(野外活動)施設だ。トイレや自販機が完備されている。
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磐船峡と呼ばれる天野川に沿って「かわぞいの路」という遊歩道が整備されている。
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対岸には国道168号線。結構、交通量が多い。
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府民の森ほしだ園地に向かって歩く。
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ハイキングコースとして整備されている。
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しかし、こんなのが出るらしい。
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こんなのも。
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標識に従って一旦国道に出るが橋の手前ですぐに遊歩道に入る。
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駐車場に出るが、そのまま真っ直ぐ進んでいこう。
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「森林鉄道風歩道橋」という遊歩道に出る。
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真っ直ぐ木道を進んで行く。
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10分ほどで右に大きな岩山が見えてくる。これが「饒速日命」が天磐船に乗って降臨したと伝わる「河内國川上哮ヶ峯」だ。
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かつてロッククライミングの名所として親しまれていたらしいが、ハヤブサの営巣が確認されたことなどから登坂禁止となり、その代わり隣にクライミングウォールと呼ばれる人工壁が造られた。自然保護も大事だけど、なんと言っても神様が天降った神聖な場所ですからね。
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ここは府民の森「ほしだ園地」。トイレや自販機が整備されている。
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ちょうど紫陽花が満開だ。
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川沿いに上って行くと上方に大きな吊り橋が見えてくる。「星のブランコ」と呼ばれる長さ280m、高さ50mの人道橋としては国内最大級の吊り橋である。
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橋は真上に見えるのだが、渡り口はハイキングコースの奥にあるので、今回は下から眺めるだけで先に進むこととする。天野川の橋を渡って国道168号線方向に。
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道が狭く交通量が多いうえ、一部では歩車道の区別がないので、車に気をつけて車道を歩く。距離的には100mほどだ。
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右に「梅の木」というバス停が見えてくる。その真向かいには、何やら石灯籠と案内板が。案内板には「神功皇后が三韓征伐の折り、祖父に会うため大和へ行く途中ここで休息。食事の後、梅干しの種を捨てたところ、その種が芽を出し立派に成長した」旨の説明が書かれていた。
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バス停横には「名勝磐船峡」の石柱。以前は、この後ろから「鮎返しの滝」を巡る遊歩道が続いていたようだが、今は荒れて閉鎖されている。仕方がないので、また国道を歩く。
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途中まで歩道があり、歩道が途切れた後、比較的広いゼブラゾーンがあるのでさほど危険は感じない。ゼブラゾーンが途切れた後、前方にトンネルが見えてくるが、その手前から歩道が現れる。
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磐船隧道というトンネルを出たところが、かつての遊歩道への進入路であるが、今はフェンスで塞がれている。再整備計画もあったようだが、予算的な問題等から実現はしていない。
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そして、その横のバス停には「鮎返しの滝」。景観も楽しみたいが、国道は結構交通量も多いので、安全のためにも再整備が望まれる。
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磐船隧道を抜けると、新磐船トンネルが見えてくる。そのすぐ手前に「磐船神社」と「きさいちカントリークラブ」への表示が出てくるので、右の磐船神社方向へ。
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橋を渡ったところのバス停は「哮橋」。
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橋には「いかるがばし」との表示が。「哮ケ峯(たけるがみね)」は、「いかるがみね」とも呼ばれている。
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橋の上流には、天野トンネルから天野川が滝となって落ちる。
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そして「哮橋」バス停のすぐ向こうにログハウス風の「おじいさんの古時計」という喫茶レストランが。時間は、ちょうど正午。ここで昼食とする。
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インターネットによると、会社の倒産を機に脱サラで始められたとか。店内には、たくさんの時計が飾られていた。
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ブランチ(950円)を注文する。
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食事を終え、左へ進むとすぐに府民の森「ほしだ園地」の通用口があり、その横に赤い鳥居がある。
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「白龍大神、八大龍王」と書かれた石碑の横には、行場だろうか小さな滝が落ちていた。
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そしてさらに進むとすぐ左に神社が現れる。ここが、もうひとりの天孫「饒速日命」を祀る磐船神社だ。
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神社の横には、「天孫降臨の地」であると書かれた看板が立つ。
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ここの御神体は、饒速日命が天降る際に乗ってきたとされる「天磐船」といわれる巨石だ。
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拝殿は、この「天磐船」を拝むような形で建てられている。御祭神である饒速日命のフルネームは、「天照國照彦火明奇玉饒速日尊(アマテルクニテルヒコアメノホアカリクシタマニギハヤヒノミコト)」という長い名前だ。天孫「邇邇芸命(ニニギノミコト)」の兄とされる。そして「邇邇芸命」のフルネームも「天邇岐志國邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命(マメニキシクニニキシアマツヒコヒコホノニニギノミコト)」という、これまた長い名前だ。
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この神社の境内自体はさほど広くないが、境内中央を流れる天野川に被さる巨石でできた「岩窟めぐり」が有名だ。社務所で拝観料500円を納め、説明を聞いた後、白い法被を着用して洞内に入るが、内部はかなり狭く、リュックを背負っては拝観できないので、今回は見送ることにした。
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実は、私が小さい頃、亡父に連れられて岩窟めぐりをしたことがある。当日は雨の翌日で水かさが多く、足元まで濁流が押し寄せ、話し声が聞こえないほど、轟音が洞内に轟いていた記憶がある。
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参拝を終え、来た道を国道まで戻り、「きさいちカントリークラブ」への道を進む。
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ここは、ハイキングコースになっており、時折通るゴルフ客の車に気をつけながら緩やかな坂道を登っていく。
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ゴルフコースを見ながら進んでいく。30代中頃の1年間だけ、ゴルフの打ちっ放しに通ったことがあるが、結局、ゴルフとは縁のない人生だった。
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15分ほどでクラブハウスに着くが、向かって左端にハイキングコースの案内板がある。
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場内には案内板が整備されているので迷うことはない。
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しばらくすると左側に府民の森「くろんど園地」への入口がある。
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その前のグリーン越しに生駒山を望む。生駒山は大阪府と奈良県の境にそびえる。ここは大阪府であるが位置的に生駒山の裏側(奈良県側)が望める。
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くろんど園地に入り、登った分、緩やかな坂を下って行く。
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いくつかのカーブを曲がると公園休憩所に出る。ここには自販機や清潔なトイレがある。
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一帯は、通称「くろんど池」という池を中心に整備された緑豊かな公園であるが、くろんど池は奈良県側にあり、大阪府側は府民の森として整備されている。
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すいれん池と呼ばれる小さな池を左に見ながら下っていく。
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園内は案内板が整備されている。「月輪の滝」方面へ進む。
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尺治(しゃくし)川のせせらぎに沿って進んで行く。
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ハイキングコース右側に自然の岩窟があった。
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中には、ふたつの小さな滝が落ちていた。
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磐船神社ほどではないが、いくつかの岩窟が見られる。
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砂防ダムを見ながら下っていく。
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しばらく進むと巨石がゴロゴロと転がる谷に出る。その巨石に沿って渡されている橋や階段を進んで行くと「月輪の滝」が現れる。高さ4mほどの小さな滝であるが、付近は、かつてこの後訪れる「獅子窟寺」の寺域であり、修験の場であったようだ。
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かつて石には精霊が宿るという巨石信仰があり、「尺治の谷」と呼ばれるこの谷も「尺治の翠影」として交野八景に数えられている。
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坂を下ると突然、住宅街に出るので、そのまま進んで行く。
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私市山手の住宅を抜けていく。
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途中、小さな川を渡る。地図では、川沿いに登り、砂防ダムから藪道を上れば「獅子窟寺」の裏手にでるようだが、マムシが出るようなので、そのまま住宅街を進む。
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「この先行き止まり」を無視して進もう。
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すぐに水道タンクの横に出る。そこは河内森駅と獅子窟寺への三叉路になっているので獅子窟寺方向に曲がる。
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いろいろなものが出るな。
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この道は、獅子窟寺への自動車道でコンクリート舗装され、木陰の涼しい道だが、結構な坂道だ。
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寺まであと3丁、300mほどだ。
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コンクリート舗装が途切れたところで左に駐車場への進入路が現れる。その奥には展望台が設けられているので行ってみた。鉄塔式の展望台であったが、樹木に遮られ眺めはもうひとつだった。
駐車場を過ぎ、地道を上って行く。
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一旦、坂を登り切ったところに獅子窟寺の「仁王門跡」が残る。門があると想像し、一礼してから門柱跡の間を通り抜ける。
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門跡を抜けるとすぐに「弘法の水」という看板が立つ。左手の坂を下ると岩の間から「お大師さまの水」が流れ落ちる。
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門跡まで戻り、最後の坂道を登る。
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かなりの急坂を登り切ると獅子窟寺の境内に着く。高野山真言宗の寺院で、元々は文武天皇の頃、行基が創建したと言われるが、その後、興亡・焼失等を経て、寛永年間(1624~1643)に再興されたといわれる。御本尊は、薬師如来で「木造薬師如来坐像」は、国宝に指定されている。
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ここも多くの巨石が並ぶ。「天福岩」。岩を両手で抱えて願い事を3回唱えると叶えられるという。
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磐船神社の「天磐船」にも負けない巨石には、弁財天が祀られていた。
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境内奥のトイレに行くと、すぐ横にベンチが置かれ、その向こうに交野市を望む。先ほどの展望台よりもこちらからの景色の方が素晴らしい。
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参拝と自販機での給水を終え、来た道を戻る。参道横は90度近い崖であり、寺が絶壁の上に建っているのがわかる。
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先ほどの水道タンクの三叉路を「河内森駅」方向に行く。すぐに「天田神社」という神社前に出る。ゴールも近い。
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由緒によると、かつてこの地を治めた「肩野物部氏」所領地の氏神として、長らく「饒速日命」を御祭神として祀っていたが、物部氏の衰退と住吉信仰の流行により、住吉四神(表筒男命、中筒男命、底筒男命、息長帯姫命)が祀られるようになったという。
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田んぼの向こうには本日のゴール京阪電車「河内森駅」の屋根が見える。午後3時到着、本日の歩紀「18366歩」(15.79km)。
マイカーを停めている交野市駅まで1駅(150円、約3分)。大阪(京橋)までなら枚方市で乗り換え約30分(340円)で着く。
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出 発:京阪電車「私市駅」
到 着:京阪電車「河内森駅」
古事記では、高天原に坐す「天照大御神(アマテラスオオミカミ)」の孫「邇邇芸命(ニニギノミコト)」が、「天照大御神」より現在の日本「豊葦原水穂國(とよあしはらのみずほのくに)」を平定するようご神託を受け、多くの神々を引き連れて筑紫の日向の高千穂の霊峰「くじふる」に天降った。その「天孫降臨」の地は、現在の宮崎県高千穂とされている。
その後、「邇邇芸命」の子孫にあたる「伊波礼毘古命(イワレビコノミコト)」が高千穂より東征、それを迎え撃つ「那賀須泥毘古(ナガスネヒコ)」を死闘の末打ち破り、畝傍・白檮原宮(かしはらのみや)で天下を治める。後の初代神武天皇である。その際「邇芸速日命(ニギハヤヒノミコト)」が現れ「伊波礼毘古命」に帰順する。
一方、日本書紀では「邇芸速日命」を「饒速日命」と記し、「伊波礼毘古命(日本書記では磐余彦尊)」と戦った「那賀須泥毘古(日本書記では長髄彦)」の主君であり、「天磐船(あめのいわふね)」に乗って天降った天神の子とされ、天上より郷を見下ろし「虚空から見た日本の國」と述べたと記されている。
そして「饒速日命」を祖とする物部氏の伝承記「先代旧事本紀」では、「饒速日命」は天磐船に乗って「河内國川上哮ヶ峯」に降臨したとか。もうひとつの「天孫降臨」の地「哮ケ峯(たけるがみね)」と伝わる大阪府交野市「河内磐船」を訪ねる。若干起伏はあるが難路ではない。整備されたハイキングコースを歩くので、給水・トイレには困らない。
京阪交野市駅前には大きなコインパーキングがあるので、そこにマイカーを駐車(1日最大700円)し、京阪電車交野線で2駅先の終点(約5分、150円)「私市駅」へ。ここが今日のスタート地点。「きさいち」と読む。3月より機関車トーマスを模した列車を運行していることから、三角屋根の駅舎にはトーマスのデコが飾られていた。午前11時スタート。
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駅から国道168号線に出て右折、小さなお堂に参る。何の表示もないが地図では「大師堂」と書かれているので「弘法大師」様をお祀りするのだろう。今日1日の安全を祈願する。
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大阪府交野(かたの)市。淀川に落ちる生駒山地の北端、交野山(341m)からの丘陵地に広がる田園地帯。大阪のベッドタウンとして宅地化が進み、人口は約7万6千人。これといった特徴はなく、大阪に住む人でも「交野」と聞いてピンと来る人は少ないだろう。しかし、結構、歴史のある町だ。
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国道に沿って歩いても良いのだが、車を避けるため川岸に下りる。そこは「水辺プラザ」と呼ばれる親水公園になっている。
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少し歩くと木の陰になっているが大きな堰がある。案内標示によると明治32年に造られた、長さ7.1m、高低差1.7mの「天野川砂防堰堤」と呼ばれる堰で、国の登録有形文化財に登録されている。
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堤に上がり目の前に見えている橋を渡る。ここは「星の里いわふね」と呼ばれ、ログハウス風のロッジやバーベキュー施設、プラネタリウムなどを備えた、交野市立のアウトドアスポーツ(野外活動)施設だ。トイレや自販機が完備されている。
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磐船峡と呼ばれる天野川に沿って「かわぞいの路」という遊歩道が整備されている。
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対岸には国道168号線。結構、交通量が多い。
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府民の森ほしだ園地に向かって歩く。
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ハイキングコースとして整備されている。
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しかし、こんなのが出るらしい。
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こんなのも。
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標識に従って一旦国道に出るが橋の手前ですぐに遊歩道に入る。
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駐車場に出るが、そのまま真っ直ぐ進んでいこう。
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「森林鉄道風歩道橋」という遊歩道に出る。
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真っ直ぐ木道を進んで行く。
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10分ほどで右に大きな岩山が見えてくる。これが「饒速日命」が天磐船に乗って降臨したと伝わる「河内國川上哮ヶ峯」だ。
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かつてロッククライミングの名所として親しまれていたらしいが、ハヤブサの営巣が確認されたことなどから登坂禁止となり、その代わり隣にクライミングウォールと呼ばれる人工壁が造られた。自然保護も大事だけど、なんと言っても神様が天降った神聖な場所ですからね。
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ここは府民の森「ほしだ園地」。トイレや自販機が整備されている。
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ちょうど紫陽花が満開だ。
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川沿いに上って行くと上方に大きな吊り橋が見えてくる。「星のブランコ」と呼ばれる長さ280m、高さ50mの人道橋としては国内最大級の吊り橋である。
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橋は真上に見えるのだが、渡り口はハイキングコースの奥にあるので、今回は下から眺めるだけで先に進むこととする。天野川の橋を渡って国道168号線方向に。
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道が狭く交通量が多いうえ、一部では歩車道の区別がないので、車に気をつけて車道を歩く。距離的には100mほどだ。
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右に「梅の木」というバス停が見えてくる。その真向かいには、何やら石灯籠と案内板が。案内板には「神功皇后が三韓征伐の折り、祖父に会うため大和へ行く途中ここで休息。食事の後、梅干しの種を捨てたところ、その種が芽を出し立派に成長した」旨の説明が書かれていた。
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バス停横には「名勝磐船峡」の石柱。以前は、この後ろから「鮎返しの滝」を巡る遊歩道が続いていたようだが、今は荒れて閉鎖されている。仕方がないので、また国道を歩く。
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途中まで歩道があり、歩道が途切れた後、比較的広いゼブラゾーンがあるのでさほど危険は感じない。ゼブラゾーンが途切れた後、前方にトンネルが見えてくるが、その手前から歩道が現れる。
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磐船隧道というトンネルを出たところが、かつての遊歩道への進入路であるが、今はフェンスで塞がれている。再整備計画もあったようだが、予算的な問題等から実現はしていない。
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そして、その横のバス停には「鮎返しの滝」。景観も楽しみたいが、国道は結構交通量も多いので、安全のためにも再整備が望まれる。
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磐船隧道を抜けると、新磐船トンネルが見えてくる。そのすぐ手前に「磐船神社」と「きさいちカントリークラブ」への表示が出てくるので、右の磐船神社方向へ。
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橋を渡ったところのバス停は「哮橋」。
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橋には「いかるがばし」との表示が。「哮ケ峯(たけるがみね)」は、「いかるがみね」とも呼ばれている。
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橋の上流には、天野トンネルから天野川が滝となって落ちる。
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そして「哮橋」バス停のすぐ向こうにログハウス風の「おじいさんの古時計」という喫茶レストランが。時間は、ちょうど正午。ここで昼食とする。
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インターネットによると、会社の倒産を機に脱サラで始められたとか。店内には、たくさんの時計が飾られていた。
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ブランチ(950円)を注文する。
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食事を終え、左へ進むとすぐに府民の森「ほしだ園地」の通用口があり、その横に赤い鳥居がある。
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「白龍大神、八大龍王」と書かれた石碑の横には、行場だろうか小さな滝が落ちていた。
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そしてさらに進むとすぐ左に神社が現れる。ここが、もうひとりの天孫「饒速日命」を祀る磐船神社だ。
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神社の横には、「天孫降臨の地」であると書かれた看板が立つ。
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ここの御神体は、饒速日命が天降る際に乗ってきたとされる「天磐船」といわれる巨石だ。
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拝殿は、この「天磐船」を拝むような形で建てられている。御祭神である饒速日命のフルネームは、「天照國照彦火明奇玉饒速日尊(アマテルクニテルヒコアメノホアカリクシタマニギハヤヒノミコト)」という長い名前だ。天孫「邇邇芸命(ニニギノミコト)」の兄とされる。そして「邇邇芸命」のフルネームも「天邇岐志國邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命(マメニキシクニニキシアマツヒコヒコホノニニギノミコト)」という、これまた長い名前だ。
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この神社の境内自体はさほど広くないが、境内中央を流れる天野川に被さる巨石でできた「岩窟めぐり」が有名だ。社務所で拝観料500円を納め、説明を聞いた後、白い法被を着用して洞内に入るが、内部はかなり狭く、リュックを背負っては拝観できないので、今回は見送ることにした。
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実は、私が小さい頃、亡父に連れられて岩窟めぐりをしたことがある。当日は雨の翌日で水かさが多く、足元まで濁流が押し寄せ、話し声が聞こえないほど、轟音が洞内に轟いていた記憶がある。
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参拝を終え、来た道を国道まで戻り、「きさいちカントリークラブ」への道を進む。
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ここは、ハイキングコースになっており、時折通るゴルフ客の車に気をつけながら緩やかな坂道を登っていく。
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ゴルフコースを見ながら進んでいく。30代中頃の1年間だけ、ゴルフの打ちっ放しに通ったことがあるが、結局、ゴルフとは縁のない人生だった。
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15分ほどでクラブハウスに着くが、向かって左端にハイキングコースの案内板がある。
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場内には案内板が整備されているので迷うことはない。
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しばらくすると左側に府民の森「くろんど園地」への入口がある。
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その前のグリーン越しに生駒山を望む。生駒山は大阪府と奈良県の境にそびえる。ここは大阪府であるが位置的に生駒山の裏側(奈良県側)が望める。
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くろんど園地に入り、登った分、緩やかな坂を下って行く。
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いくつかのカーブを曲がると公園休憩所に出る。ここには自販機や清潔なトイレがある。
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一帯は、通称「くろんど池」という池を中心に整備された緑豊かな公園であるが、くろんど池は奈良県側にあり、大阪府側は府民の森として整備されている。
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すいれん池と呼ばれる小さな池を左に見ながら下っていく。
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園内は案内板が整備されている。「月輪の滝」方面へ進む。
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尺治(しゃくし)川のせせらぎに沿って進んで行く。
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ハイキングコース右側に自然の岩窟があった。
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中には、ふたつの小さな滝が落ちていた。
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磐船神社ほどではないが、いくつかの岩窟が見られる。
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砂防ダムを見ながら下っていく。
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しばらく進むと巨石がゴロゴロと転がる谷に出る。その巨石に沿って渡されている橋や階段を進んで行くと「月輪の滝」が現れる。高さ4mほどの小さな滝であるが、付近は、かつてこの後訪れる「獅子窟寺」の寺域であり、修験の場であったようだ。
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かつて石には精霊が宿るという巨石信仰があり、「尺治の谷」と呼ばれるこの谷も「尺治の翠影」として交野八景に数えられている。
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坂を下ると突然、住宅街に出るので、そのまま進んで行く。
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私市山手の住宅を抜けていく。
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途中、小さな川を渡る。地図では、川沿いに登り、砂防ダムから藪道を上れば「獅子窟寺」の裏手にでるようだが、マムシが出るようなので、そのまま住宅街を進む。
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「この先行き止まり」を無視して進もう。
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すぐに水道タンクの横に出る。そこは河内森駅と獅子窟寺への三叉路になっているので獅子窟寺方向に曲がる。
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いろいろなものが出るな。
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この道は、獅子窟寺への自動車道でコンクリート舗装され、木陰の涼しい道だが、結構な坂道だ。
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寺まであと3丁、300mほどだ。
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コンクリート舗装が途切れたところで左に駐車場への進入路が現れる。その奥には展望台が設けられているので行ってみた。鉄塔式の展望台であったが、樹木に遮られ眺めはもうひとつだった。
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駐車場を過ぎ、地道を上って行く。
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一旦、坂を登り切ったところに獅子窟寺の「仁王門跡」が残る。門があると想像し、一礼してから門柱跡の間を通り抜ける。
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門跡を抜けるとすぐに「弘法の水」という看板が立つ。左手の坂を下ると岩の間から「お大師さまの水」が流れ落ちる。
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門跡まで戻り、最後の坂道を登る。
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かなりの急坂を登り切ると獅子窟寺の境内に着く。高野山真言宗の寺院で、元々は文武天皇の頃、行基が創建したと言われるが、その後、興亡・焼失等を経て、寛永年間(1624~1643)に再興されたといわれる。御本尊は、薬師如来で「木造薬師如来坐像」は、国宝に指定されている。
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ここも多くの巨石が並ぶ。「天福岩」。岩を両手で抱えて願い事を3回唱えると叶えられるという。
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磐船神社の「天磐船」にも負けない巨石には、弁財天が祀られていた。
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境内奥のトイレに行くと、すぐ横にベンチが置かれ、その向こうに交野市を望む。先ほどの展望台よりもこちらからの景色の方が素晴らしい。
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参拝と自販機での給水を終え、来た道を戻る。参道横は90度近い崖であり、寺が絶壁の上に建っているのがわかる。
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先ほどの水道タンクの三叉路を「河内森駅」方向に行く。すぐに「天田神社」という神社前に出る。ゴールも近い。
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由緒によると、かつてこの地を治めた「肩野物部氏」所領地の氏神として、長らく「饒速日命」を御祭神として祀っていたが、物部氏の衰退と住吉信仰の流行により、住吉四神(表筒男命、中筒男命、底筒男命、息長帯姫命)が祀られるようになったという。
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田んぼの向こうには本日のゴール京阪電車「河内森駅」の屋根が見える。午後3時到着、本日の歩紀「18366歩」(15.79km)。
マイカーを停めている交野市駅まで1駅(150円、約3分)。大阪(京橋)までなら枚方市で乗り換え約30分(340円)で着く。
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