釋守成の転居物語(旧タイトル・GONTAの東京散歩)

またまた転居を目論んでいます。
5年間で5回の転居。
6回目の転居の経緯を書いていきます。

2006年03月06日 21時38分20秒 | 四季の花
梅の花を見に都内某所へ。
今年は梅の開花も遅れているような。

梅について思いついたことを脈絡なく書きます。

今、歌舞伎座で上演中の「菅原伝授手習鑑」、もともとは人形浄瑠璃の作品で、菅原道真が政敵によって大宰府に流される話です。
菅原道真(芝居では菅丞相)と梅は切っても切れない間柄。
菅原道真をお祭りする天神の神紋は梅。
道真は梅をこよなく愛していたようで、大宰府まで道真を慕って飛んでいった梅の話などいろいろな説話があります。
道真の有名な歌があります。

 東風吹かば匂いおこせよ梅の花 主なくとて春な忘れそ

さてその歌舞伎、その主要登場人物に三つ子の兄弟がいます。
松王丸・梅王丸・櫻丸の三兄弟。
実際に当時話題になった三つ子がモデルとか。
江戸時代に三つ子は相当話題になっただろうな。
それぞれ奥さんがいて、松王には千代、梅王には春、櫻丸には八重・・・・いつも思うんですけど、いい名前だな。
このように「梅」はやっぱり「春」なんですよ。

菅原道真が廃止したといわれる遣唐使。
そう、この時代までは唐風文化が絶頂期で、国風文化はこれ以降の話。
ですから中国で愛されていた梅が桜に勝って、漢詩や和歌に詠まれていたのは有名な話です。
桜が日本を代表する花になるのはこれ以降のことなのです。

 梅は飛び桜は枯るる世の中に何とて松のつれなかるらん

こちらは道真の歌ではなく、菅原伝授の四段目で菅丞相が詠む歌です。
歌舞伎中で、梅王は道真に従い、桜丸は自害して果て、そして松王は敵の時平方についているということを暗示しています。
日本的な情緒と言葉遊びや謎に満ちた作品ですので、機会があったらごらんくださいませ。

謡曲を習っていたころ、『梅』は「んめ」と謡うようにとご指導がありました。
桃山時代に日本に来た宣教師が残した『日葡辞典』は当時の日本語の発音がよくわかる資料ですが、それでも「んめ」と発音したことがわかるようです。
ちなみに『馬』も「んま」だったようです。
古典芸能ってその辺がすごいと思いませんか、それ自体がタイムカプセルに入って
るようで。

 桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿

これって本当なのでしょうか?
梅は剪定して育てるって・・・・・・。





コメント
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