「緋毛氈 雛壇の春 外の雪」
「雛の日に 祖母は筑波の 雲になる」
三月三日は雛祭り。
東京では三月に雪が降って積もることがままあります。
それも近年では少なくなりましたが・・・・。
そんな今年の雛祭り、夕方から雪の予報ですがいかがなりますか。
万延元年(安政七年)三月三日、江戸は桜田門外で、上巳の節句(雛祭り)で登城する井伊直弼は水戸浪士らに襲われ殺害されます。皆さんもご存知のように、当日は雪が降っていました。
万延元年の三月三日は現在の暦で言うと1860年3月24日。三月も終わりのころです。
数年前にも桜の花が咲いているのに雪が降ったことがあります。
南岸低気圧というのが通ると東京で春先に雪が降るらしいですね。それも微妙な位置関係で雨になったり、雪になったりするらしいです。
三月の雪で父が昨日父がこんな話をしていました。
昭和36年3月、祖父がなくなる数日前に「葬式に雪が降ってみんなに迷惑をかけるな。」といったそうで、父は「春なのにそんな馬鹿なことがあるわけがない。」と思ったそうです。
実際、祖父が3月26日に亡くなり、葬式のときに雪が降ったそうです。不思議なこともあるものです。まだ子供だった私には記憶にないことですが・・・。
母方の祖母が亡くなったのは雛祭りのころでした。
母の実家で葬式の日、遠くに筑波山がくっきりと見えていたのを思い出します。その日は雪は降りませんでしたが・・・・。
大学の友人が亡くなったのも数年前の3月でした。
友人の葬儀に向かった北海道も暖冬で雪は少なく、東京から駆けつけた友人が、弔辞を読みながら東京で咲き出した桜の花びらを祭壇に散らしたことが今でも思い出されます。そして葬儀が終わって帰京するころには冷たい雨が降っていました。
そんなこんなことを思い巡らせると私にとって3月は悲しい思い出の多い月です。
だから私の春の雪は儚げで寂しいものなのかもしれません。