新年早々、「食べログ」のやらせ投稿が発覚した。
飲食店をやっているとよく電話で「インターネットでお店の宣伝をしませんか?」などという怪しい電話がかかってくる。いつも即座にお断りする。たぶんこのような手で、口コミへの投稿を有料で請け負うのだろうな。
お店を繁昌させるためにやらせの手法をとるとということで、思い出したことがある。仙台でおなじみの「仙台四郎」の話だ。
仙台四郎は、明治のころに仙台にいた実在の人物で、ほとんど話のできず、町のあちらこちらをさまよい歩いていたそうだ。彼が立ち寄り、彼に親切にした店はなぜか繁昌したらしい。そんな評判を聞いて、彼を無理やり店に引き込む輩が出てきたという。ところがそんな「やらせ」を演じた店は、ことごとく廃れたというのだ。今でも、仙台では店先に「仙台四郎」の写真や像を飾る店も多い。彼はある種の「はやり神」になったわけだ。
人は少しでも美味しいものを食べたい。それを知る手段が「口コミ」なのかも知れない。でも人の味覚は、どこまでいっても自分の味覚ではない。少なくとも、投稿評価するために食事などしたくない。