「G6+1」。今回の主要7カ国首脳会議(G7サミット)は、有識者やメディアの間でこう表現されている。プラス1が指すのは、G7の中心メンバーであるはずの米国。「米国第一主義」を振りかざし、欧州首脳との対立を深めるトランプ米大統領の孤立ぶりを端的に示す言葉だ。
サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会では、プーチン大統領との対立を反映し、欧米諸国のほとんどが14日に首都モスクワで行われる開幕戦に政府要人を送らない見通しだ。自ら演説する式典に各国首脳を集め大国としての存在感を示したいプーチン氏の意向に反し、双方の溝が鮮明になった。
来年3月末の欧州連合(EU)離脱をめぐり、英国が完全離脱を事実上1年先送りする案を提案した。だがEUのバルニエ首席交渉官は8日、「解決策というより、疑問を生じさせるもの」と述べ、受け入れられないとの考えを示した。最大の問題となっているのは、英領北アイルランドと地続きのEU加盟国アイルランドとの国境管理だ。歴史的に関係が深い両地域の間に亀裂を生じさせないため、離脱後も厳しい国境管理をしないことで英・EUは一致している。だが、その方法を巡っては両者に大きな溝がある。