サッカー・リオデジャネイロ五輪男子のアジア最終予選を兼ねたU―23(23歳以下)アジア選手権は30日、決勝がドーハで行われ、6大会連続の五輪出場を決めている日本は、3―2の逆転勝ちで韓国を破り優勝した。
甘利明前経済再生担当相の辞任は、安倍晋三政権の経済政策運営に暗い影を落としている。首相を支える麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官と甘利氏の3人が絶妙なバランスでデフレ脱却と財政再建の両立という難題に取り組んできたが石原伸晃経済再生担当相は麻生、菅両氏と緊密な関係があるとはいえない。日銀のマイナス金利導入でも麻生氏と阿吽の呼吸が必要な石原氏だが、その力量は未知数だ。
甘利氏は28日の記者会見で、疑惑を報じた週刊文春の記事のうち、自身が建設会社からの現金入り封筒をスーツのポケットに入れたとされた点について「するはずがない」と述べ、同社の依頼で秘書が口利きをしたという指摘も否定した。これについて、週刊文春編集部は読売新聞の取材に、「告発者の証言をメモ、録音などに基づいて長期間、取材検証した上で記事にした。記事には十分自信を持っている」と文書で回答した。
甘利明経済再生担当相(衆院神奈川13区)は28日、内閣府で記者会見し週刊誌が報じた金銭授受疑惑をめぐり建設会社側から大臣室などで現金計100万円を受け取ったと認めた上で、閣僚を辞任すると表明した。現金は政治資金として秘書に適切に処理するよう指示したと説明。だが国政への影響などを考慮し辞任を決めたと述べた。政権運営に打撃を与えるのは必至だ。安倍晋三首相は後任に石原伸晃元環境相を充てる意向を固めた。野党は首相の任命責任を追及する。
世界各国の汚職を追及する非政府組織(NGO)トランスペアレンシー・インターナショナル(本部ベルリン)は27日、2015年版「汚職指数」を発表した。日本の「清潔度」は168カ国・地域中18位で、14年版(175カ国・地域)の15位から三つ順位が下がった。最下位には北朝鮮とソマリアが並んだ。北朝鮮の最下位は5年連続。4年連続1位のデンマークの指数は91、日本は75で14年版の76からほぼ横ばい。北朝鮮は14年版に続き8にとどまった。習近平指導部が反腐敗運動を掲げ、汚職の取り締まりを強化する中国は37で、コロンビアやスリランカなどと並び83位。同団体は中国について、取り締まり強化にもかかわらず「改善につながっていない」と指摘した。このほかは米国が16位、韓国が37位、ロシアは119位。
天皇、皇后両陛下は26日午後、国交正常化60周年に際して友好親善を図り、太平洋戦争の戦没者を慰霊するため、歴代天皇で初めてフィリピンを訪問された。両陛下としては、皇太子ご夫妻時代の1962年に昭和天皇の名代として訪れて以来、54年ぶり。4泊5日の日程で、27日はアキノ大統領主催の晩さん会に臨み、天皇陛下が友好親善を誓って、あいさつする。日本人戦没者の慰霊は29日に予定され、両陛下はラグナ州カリラヤにある日本政府の「比島戦没者の碑」を初めて訪れ、約51万8千人に上った犠牲を悼む。
政務活動費をだまし取ったとして詐欺罪などに問われ、昨年11月に予定されていた初公判を欠席した元兵庫県議、野々村竜太郎被告(49)に対し、神戸地裁が25日、野々村被告を強制的に出廷させる勾引の手続きを取ったことが分かった。26日午前10時半開廷の初公判に強制的に出廷させるため、身柄を拘束した。拘束場所は明らかにされていない。
米軍普天間飛行場を抱える沖縄県の宜野湾市長選は24日投開票され、安倍政権が支援する現職の佐喜真淳(さきまあつし)氏(51)が再選を果たした。普天間の「辺野古移設阻止」をめざす翁長雄志(おながたけし)知事が推した新顔の志村恵一郎氏(63)は敗れ、政権が翁長氏との「代理対決」を制した。移設を進める政権は現職の勝利を追い風と受け止め、安堵(あんど)する一方、沖縄では新顔を支援した翁長氏の求心力低下が懸念されている。
日本列島は24日も上空に非常に強い寒気が流れ込み、西日本や北陸を中心に記録的な寒さとなった。鹿児島県・奄美大島は、同日午後1時過ぎにみぞれとなり、1901年2月以来、115年ぶりの降雪を観測した。 気象庁によると、同日夕までの24時間降雪量は、島根県邑南町70センチ、広島県北広島町66センチ、山口市11センチ、鹿児島市10センチ、福岡市2センチを観測。長崎市では同日午後5時、観測史上最高の17センチの積雪となった。
大相撲初場所は24日、東京・両国国技館で千秋楽を迎え、大関琴奨菊(31)が14勝1敗で初優勝を飾った。モンゴル出身で日本に帰化した旭天鵬(現大島親方)が2012年夏場所を制した例を除き、日本人力士が優勝するのは、06年初場所の栃東(現玉ノ井親方)以来、10年ぶり。1敗で単独首位の琴奨菊は豪栄道との大関対決を突き落としで制し、初優勝を決めた。
国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産の選定で、専門家が非公開で行っていた事前審査に申請国が出席し、意見交換する場を設けるよう制度が変更された。2016年夏に登録の是非が決まる申請分からスタートした。「密室」で審査を行うことへの批判を受けた制度変更で、世界遺産のうち、建築物や遺跡を対象とする文化遺産が対象となる。新制度は日本が登録を目指す「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」にも適用される。
16日の台湾総統選で当選した蔡英文・民進党主席のフェイスブック(FB)に、中国大陸からとみられる書き込みが殺到し、台湾の政治報道に慎重な中国メディアが「蔡氏FB炎上」などと報じる事態になっている。22日現在、当選した蔡氏の立法院改革などに関するコメントに、最大約4万5000件の書き込みが寄せられている。台湾とは異なる中国大陸で使う漢字(簡体字)で、「我々は同じ中華民族に属する中国人だ」「台湾は古来、中国の分割できない一部だ」など、独立志向の強い民進党と蔡氏をけん制する内容が目立つ。当局が厳しくネットを管理する中国では、フェイスブック利用は制限されており、利用者は規制をかいくぐって投稿していることになる。
中国の人権問題に取り組むスウェーデン人男性が今月上旬、北京で中国の国家安全当局に拘束される事件があり、新華社通信は19日、男性が「国家安全を脅かした」として、ホテルなどで事実上軟禁される「居住監視」の強制措置が取られていると伝えた。男性が海外の民間活動団体(NGO)などから資金援助を受け、人権派弁護士らを支援していたとしている。習近平政権は海外NGOに関連した組織の中国国内での活動に警戒を強めているが、外国人に強制措置を行うのは異例で、欧米などからの批判が強まりそうだ。人権派弁護士らの活動をさらに抑え込む狙いがあるとみられる。同通信は、男性が容疑を認め「深くおわびする」と供述したとも伝えた。
夏の参院選を控え、安倍首相が自民党内で発信力が際立つ小泉進次郎・農林部会長の取り込みを図っている。24日投開票の沖縄県宜野湾市長選では、人気のある小泉氏を応援弁士に送り込み、無党派層の支持獲得を狙う。小泉氏も首相官邸との近さを示すことで、自身が手がける農政改革の実現に生かす利点から、「安倍・小泉」ラインの思惑が一致する面もある。
韓国で学術書「帝国の慰安婦」の記述が元慰安婦らの名誉を傷つけたとして、名誉毀損罪で在宅起訴された韓国・世宗大の朴裕河教授(58)の初公判が20日、ソウル東部地裁で開かれた。朴教授の弁護人は法廷で「個人の名誉を毀損していない。著書の出版は公共の利益のためだった」と起訴事実を否認し、無罪を主張した。起訴状によると、朴教授は2013年8月に出版した学術書で、元慰安婦について「自発的な売春」や「日本軍と同志的な関係にあった」など「虚偽の事実」を記載し、元慰安婦らの名誉を毀損したとされる。