トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は十二日、シンガポールで史上初の米朝首脳会談を行う。北朝鮮の「完全な非核化」を巡り、時期や手順など具体的に道筋を付けられるかが最大の焦点。朝鮮戦争(一九五〇~五三年)の終結合意など、北朝鮮が求める体制保証を巡っても議論する。
トランプ氏は米朝首脳会談後の会見で、今回の会談での合意を受けて、米国のポンペオ国務長官やボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)らが北朝鮮の高官と「来週会う」と表明した。一方、北朝鮮の非核化にかかる費用については、「韓国と日本が払う」と述べた。
トランプ米大統領は、12日午後4時過ぎからシンガポールで行った記者会見で、同日の米朝首脳会談の際に日本人拉致問題を提起したことを明らかにした。トランプ氏は「拉致問題は、安倍首相が非常に重要だと考えている問題だ」と語った。合意文書に盛り込まれなかったことについては、「これから協議を行っていく」とだけ述べた。トランプ氏は、今月7日に米ワシントンで行われた日米首脳会談で、拉致問題を「絶対に議題にする」と首相に約束していた。