中国の国会に当たる全人代常務委員会は28日、「海外NGO国内活動管理法」を成立させた。海外とつながるNGOが中国の体制を脅かすという政権の警戒感を強く反映している。様々な分野で育ってきた民間の力をそぐとの懸念が出ている。習近平指導部の下で審議が始まった新法は「海外NGOの活動に法による保護を与える」とうたう一方、海外NGOが「中国の国家安全や国家利益を損なってはならない」と定めた。全人代によると、対象になる組織は7千以上に上る。海外NGOと交流のある国内NGOにも監視が及ぶため、中国の大半のNGOが影響を受ける。
熊本地震は28日、発生から2週間となり、地震回数は午前中に1000回を超えた。気象庁によると、最初に震度7を観測した14日夜の「前震」以降、熊本、大分両県で起きた震度1以上の地震は、28日正午現在で1006回に上っている。一方、国土交通省は、九州自動車道が29日に全線復旧すると発表した。一連の熊本地震では、1日あたりの地震回数は「本震」のあった16日の202回をピークに減少傾向となり、23日から26日は30回以下で推移。ただ、27日は49回を記録し、28日は未明と昼過ぎに熊本市周辺で震度4の地震が発生した。
共産党の志位和夫委員長は27日、東京都内で講演し、野党統一候補が善戦した衆院北海道5区補選の結果について「共産党と組むと票が逃げるというのは杞憂だったとはっきりした。逃げるどころか無党派層に浸透することが証明された」と述べ、共産党との選挙協力に慎重な民進党に連携強化を求めた。同補選では、報道各社の出口調査で民進、共産支持層のいずれも約9割、無党派層の約7割が野党統一候補に投票したと回答。これを踏まえ、志位氏は夏の参院選で32ある「1人区」(改選数1)全てで野党候補の一本化を目指す考えを強調した。次期衆院選の小選挙区でも一本化に向けて民進党に早期の協議入りを呼びかけ、「共産党と連立すれば多数になる場合でも連立政権の道を取らないのか」と民進党に政権構想を明示するよう訴えた。
日独仏3か国が参画を目指したオーストラリアの次期潜水艦計画で、ターンブル豪首相は26日、フランスの造船大手DCNSを共同開発相手に決めたと発表した。日本は落選した。この計画は、豪州が老朽化したコリンズ級潜水艦6隻を2030年代から最新の12隻に切り替えるもので、総事業費は約500億豪ドル。豪政府は日独仏の3か国からの提案を受け、共同開発相手の選考を進めていた。今月19、20両日には国家安全保障会議(NSC)が最終的な検討を実施。日本は「海外建造実績がなく相当なリスクがあると判断された」(米紙ウォール・ストリート・ジャーナル)とみられている。
2020年東京五輪・パラリンピックのエンブレム選考で、大会組織委員会は25日、最終候補4作品の中から市松模様をモチーフにしたデザインが特徴のA案に決定した。同日午前に開かれた組織委エンブレム委員会(委員長=宮田亮平文化庁長官)の委員21人による投票で同案を選び、組織委理事会の承認を経て正式決定した。A案は、日本の伝統色の藍色で日本らしさを表現したのが特徴。エンブレムは大会のポスターやパンフレット、関連グッズなどに使われる。
熊本県で16日未明に起きたマグニチュード(M)7・3の地震で、阿蘇山のカルデラ内の北西部でできた大規模な亀裂を、中田高・広島大名誉教授らのグループが24日、現地調査で確認した。地震を起こした布田川断層帯の延長線上の地域にあたり、未知の断層が動いた可能性もあるという。
在日米軍司令部は24日、熊本地震の被災地への輸送支援を終了したと発表した。ジョン・ドーラン司令官は声明で「日米同盟と日米の友情を際立たせる活動だった」と述べた。米軍は18日から、ヘリコプターのように垂直離着陸できる輸送機MV22オスプレイを使い、物資輸送を始めた。熊本県南阿蘇村などに届けられた食料や水などの支援物資は計約36トンにのぼったという。オスプレイが日本国内の災害で派遣されるのは初めてだった。オスプレイは2機態勢で、19日のみ4機出動した。米軍はC130輸送機やUC35輸送機も投入した。オスプレイと両機による米軍の支援物資輸送は計20回で、自衛隊員や車両の輸送を目的とする飛行も50回以上に及んだ。
熊本地震で獣舎が壊れた熊本市動植物園(熊本市)から、ライオンなどの猛獣が県外の4園に移されることになった。福岡市動物園には23日午前、ウンピョウ2頭が運び込まれた。 この日は大牟田市動物園(福岡県大牟田市)にユキヒョウ1頭、到津の森公園(北九州市)にアムールトラ1頭が運ばれた。九州自然動物公園アフリカンサファリ(大分県宇佐市)にはライオン1頭が移る予定。
東京都の舛添要一知事の海外出張経費について、首都圏の神奈川、埼玉、千葉3県の知事が高額さを批判している。舛添知事の宿泊費は条例の上限額を大幅に上回るが、3県知事は全員、2015年度の海外出張の宿泊費を条例の規定内に収めていた。埼玉県の上田清司知事は12日の定例記者会見で「東京都は財政に余裕があり、おおらかなお金の使い方だ。国民目線からはどうなのかなと正直思う」と皮肉った。都条例では、知事の宿泊費上限は出張先で異なるが、最高で1泊4万200円。都人事委員会の確認を経れば上限を超えられる。
国産初のステルス実証機「X-2」の初飛行で、防衛省は悲願の国産戦闘機に一歩近づいた。結果的に次期戦闘機が他国との共同開発になっても、戦闘機技術の確立は国内防衛産業の拡大を促し、民間企業の軍需依存率が平均約5%にとどまる国内産業の転換点になる可能性がある。武器輸出を原則解禁する防衛装備移転三原則が二〇一四年四月に閣議決定されると、翌五月には経団連が武器輸出に関する説明会を開催した。以降、防衛装備庁も各地の商工会議所などでX-2や武器輸出に関連する説明会を開いている。
気象庁は、大きな地震の後に発表する「余震の発生確率」について、「今回は過去の経験則が当てはめられず、発表できない」として、熊本県を中心に相次いでいる地震では発表を取りやめる方針を明らかにした。余震の発生確率はこれまで、群発地震を除く大地震の際は必ず発表されており、異例の措置となる。同庁は、過去の余震の減少傾向などを基に余震確率を算出、「今後3日間で震度5弱以上の余震が発生する確率」などを発表してきた。
三菱自動車は20日、自社製車両の燃費試験での不正行為について、同日午後5時から国土交通省で記者会見すると発表した。相川哲郎社長が出席して説明する。内容については、まだ非公表だが、燃費試験でデータを操作するなどの行為を行っていた可能性がある。三菱自は平成12年や16年のリコール隠しでブランドが失墜し、経営危機に陥った。組織的な不正行為が確認されれば、再び消費者の信頼を失いかねず、経営陣の責任問題や業績悪化につながる恐れもある。
国連制裁で包囲網が狭まるなか北朝鮮が偽札稼業を活発化させている。今月、昨秋に発行されたばかりの中国の新札(100元)の精巧な偽札が中国南西部でみつかった。北朝鮮の偽札は「スーパーノート」と呼ばれる米ドル札(100ドル)が知られるが、最近は中朝国境で中国元が大量に流通している。中国はメディアを使い、新しい偽札摘発を素早く公表、核ミサイルの挑発を繰り返す北朝鮮の“金づる”の取り締まりに容赦ない姿勢をみせている。
熊本、大分両県で相次ぐ地震で、自動車内に避難していた熊本市西区の女性(51)がエコノミークラス症候群で搬送され、死亡していたことが19日、分かった。同市消防局が明らかにした。今回の地震で同症候群による死者が明らかになったのは初めて。車中泊をする人も多く、被災地では健康悪化や突然死への不安が高まっている。
熊本地震の被災者に救援物資を搬送するため、在日米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが18日午後、米軍と海上自衛隊が共用する岩国基地(山口県岩国市)を飛び立つ。国内の災害派遣で同機が使われるのは初めて。また、陸海空自衛隊で構成する「統合任務部隊」内に18日「日米共同作業所」を開設し、被災地支援に日米連携を図る。