New Yorkのジャズピアニスト、クニ三上(Kuni Mikami)のブログ

ツアーの様子を中心にお伝えしています。

ブラジル公演記4日目「サンパウロ」

2009-10-11 11:01:00 | 2009年10月ブラジル
 最初の2日間とはガラリと天候が変わり、25℃とやっと暑くなったサンパウロ。日曜なのでお店が閉まっている。昨日、CD屋に行ってブラジルのショーロ音楽のCDを買っておいて正解だった。

 今日の会場はモダンで立派な市立文化センター。吹き抜けになった構造で地下に舞台があり、客席は1階にもあるので四方に囲まれる具合となる。連休の中日、そしてサッカーの国際試合のテレビの真っ最中にも関わらず、470人が来場。交流基金スタッフの努力の成果で実にありがたし。

 ブラジル人共演者との演奏も金曜日よりリラックスして、お互いを笑みで見交わす事ができるようになった。

 明日は朝6時半出発なので早寝する。


市立文化センターで演奏中


左ドラム・Magno Bissoli(マギノ・ビソーリ)
右ベース・Sidiel Vieira(シディオ・ヴィエーラ)


ブラジル公演記3日目「サンパウロ」

2009-10-10 23:23:00 | 2009年10月ブラジル
 今日はオフである。祭日のせいか目抜き通りのパウリスタ通りには人の数が多い。丸の内なのに露天商がいる、という感じの大通りだ。

 異国での休日は案外とやっかいなものだ。現地の担当者も一緒ではないから、まずレストランに入れない。人々が何を食べているのかを眺めて「ハムとトマトね」と判っても壁のメニューのどれに相当するのか?文字が読めないから品名が判らず値段も不明である。値札がないと「私だけ高いこと言われてんじゃないの?」との疑いも捨てきれない。

 結局はスーパーでサンドイッチとコーラを買う。すると歩いていたら「Yakisoba」だけしかない店があった。食べてみると肉や味付けがブラジリアンの中華風。この自慢の一品、ではなくて、これしか作れません、の一品の感あり。だが4ドルと安い。

 ホテルの窓からの風景は日本のツアー中にホテルから眺めるものと酷似している。

 夕方からは昨日の会場でボサと並ぶブラジル音楽であるショーロの第一人者、ラエルシオ・デ・フレータス(Laercio De Freitas)氏の録音があるというので行ってみる。

 70歳近くのお洒落で陽気な男性ピアニストである、ショーロは管楽器とギター中心と思っていたのでピアノでの演奏は珍しい。クッキリとした右手の旋律、それを包む左手はオーケストラのストリングスの様でとても素晴らしかった。なるほど、このような美しい演奏法もあるんだ、と感心する。

 早速、私も練習したくなるがホテルにピアノが無い・・明日、会場に行って弾こう。



日本人街の飲み屋


日本人街の銀行


窓からの風景


フレータス氏・私・シェイさん


ブラジル公演記2日目「サンパウロ」

2009-10-09 22:54:00 | 2009年10月ブラジル
相変わらず涼しい、というよりも寒い日である。持ってきたのが夏服だけでなくて良かった。昼は日本街のリベルデージに行き、冷やし中華を食べ、緑茶を買う。これで日本食のない地方に行ってもしばらくは大丈夫だろう。



お風呂の表示、サウナのこと


公衆電話。可愛いけれどノイズがこもるとの事



素朴な一方通行表示


懐かしいワーゲン車がたくさん走る町・サンパウロ


果物売り、マンゴ70円也


夜の演奏は「カシュエラ」というライブコンサートも出来る録音スタジオなのでピアノが良い。

 共演はドラムのマギノ・ヴィソーラ、ベースにシディオ・ヴィエーラ、両氏ともアメリカに行った事はないというのに、何と絶妙なサポートをしてくれること。耳が良いのか機転が利くのか実に演奏しやすい。

 トリオの後半に加わった特別ゲストは日本で13年間修行をしたシェイ・リベイロ氏の尺八。サマーサンバや黒いオルフェなど尺八の旋律でうまいことあてはまる。はたして日本人の奏者より達者の感あり。

 1時間のコンサートのはずなのにスタンディング・オベーションで2回もアンコールがあった。初日のこの大成功は嬉しい。




立派な垂れ幕を作ってくれました!


ブラジル公演記、出発「サンパウロ」へ

2009-10-07 20:15:00 | 2009年10月ブラジル
 夕方発のフライトは結局その日一日中何も出来ない。朝から忘れ物はないかな、と荷物を開け閉めする位が関の山だ。

 ラッシュだからと午後5時に家を出たら6時にはJFK空港に着いてしまった。出発は9時なのに・・・。私、もうちょっと落ち着いた人間になりたいものである。

 機内は空いていて横になれたし、飛行時間は9時間で時差も1時間だけなので身体は楽だった。日本からだと時差は12時間、ちょうど地球を挟んで裏側だから、調整が大変だろう。

 窓から湧き上がるような白い雲が見え、熱帯を感じる・・・・・・はずがサンパウロは雨で17℃、これから秋に向かうNYを出るときに着てきた上着が必要なほど涼しかった。

 飛行場内を税関まで延々と歩く。どこの飛行場もこの歩く距離が長過ぎる。スーツケースを乗せるカートは無料、NYでは5ドル取られた。滞在目的も期間も何も質問しない移民官、税関には申告書を受け取るために一人いるだけ、と米国の入管に比べて何と簡単な事。

 さて今回の主催団体、国際交流基金からのお迎えの車で市内へ、これが首都高なみの大混雑、ホテルまで2時間かかってしまった。狭い車線の間を宅急便のオートバイが何台もすり抜けるし、そのすぐ横を車輪が12個もついている大型ダンプがすれすれに走る。この町じゃ、私では運転できないな。

 NYではお目にかかれないフォルクスワーゲンの荷物車やプジョーの小型車がたくさん走っているのが異国情緒だ。ampmのコンビニがある、この店は日本の資本経営じゃなかったのだろうか?

 10時半にチェックイン、早速、午後からは交流基金のジョー高橋氏と「サンパウロ州立ジャズオーケストラ」のリハを視察。弦楽器の入った70人編成の交響楽団である、美しい音色が旅の疲れを癒してくれた。
 
 次には明日の会場Cachueraを見学、ヤマハのグランドピアノの調整の素晴らしい事、録音スタジオとしても機能している会場なので音響も抜群である。

 雨のせいもあってかまだ、車の混雑は続いている。

夕食には日本領事館の首席領事を始め、関係者の方々が集まり、それぞれが駐在されていた各国のお話を伺い、見聞を広める食事会となった。


Cachueraにて。交流基金のジョー高橋氏(左)と明日の共演者シェン・リベイロ氏


ホテルのエレベーターは右上の箱にカードキーを差し込まないと動かない。壊れない限り安全である。


夕食に出た「アマゾン川に住む魚、タンバッキーのかば焼き」
ピラニアもスープにすると美味しいとの事


サンパウロの皆さん。左から松代領事、小林首席領事、
坂尾さん、私、シェン、ジョー、前方は交流基金所長、内山氏