私の部屋には時計がない。
正確には動いている時計がない。
中学3年生の頃に美術の授業で作成した掛け時計。
わざと電池が抜かれている。
昨日、たまたま弟が帰って来ており、私の部屋で時計を探していた。
「この部屋、時計ないの?」
たちまち、母も参戦して、「おかしい」だの「変わっている」だの言い始めた。
そう。私の部屋には時計がない。
私の部屋から時計が消えて、もう何年になるだろうか。
社会人になって、腕時計が手放せなくなった。
常に腕を見、事務所であれば、電話の表示や掛け時計を見て、時間を刻みながら仕事することが当たり前になった。
そんなことに慣れ始めたある日、私の部屋から時計が消えた。
理由は、簡単。
家に戻ったときくらい、時間に追われない生活をしたいから。
何時になったから眠るとか、何時まで勉強する。とか・・・
そんなんじゃなくて、眠たくなったから寝て、眠らないで済むなら作業をする。
実際には、口で言うほど簡単ではなく、全く時間を気にしないで生活することは不可能だけれど、リビングを出て、自分の部屋に戻った後のわずかな時間は、そんな風に過ごしている。いや、過ごしたいと思っている。
そんな些細な私のコダワリ。
でも、時々は不便を感じたりもする・・・。