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インテリアコーディネーターのブログ。
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7月4日 どこ照らしとんねん!のその後

2009-07-04 | インテリア/建築
「どこ照らしとんねん!」という衝撃のタイトルの本を手にしてからしばらく経ちました。
最近、あの本に書いてあることが果たして正しいのか?!迷い始めています。
照明空間の作り方には、色々な見解があります。
先日も、私が予め作ったプランを持って、お客様にショールームに出掛けて頂きましたが、ここでもすでに、ショールームのスタッフと私との間に見解の違いがあり、お客様を惑わせることに・・・。ホント難しいですね。
そんな最中、コイズミ照明の新商品展示会へ行ってきました。
もちろん!今年の目玉も「LED」でございます。どのメーカーもきっと同じですね。そしてぐんぐん進化している。参考商品として、製品化されていないものの発表もありましたが、いやぁ~。とっても魅力的なラインナップでしたよ。
そこで、前回取り上げた「電球型LEDランプ」について、担当の営業の方の見解を聞いてみました。まだまだ照明メーカー全体に浸透していないそのランプには、きっと簡単に飛び付くことのできない、メーカーなりの見解がおありなのでしょう。まだまだ発展途上、未知の世界だけに判断の基準が難しいですね。

さて、話を戻して、「どこ照らしとんねん!」についてです。
この中で語られているのは、特にダウンライトの使い方。
一言で言うなら、照明計画をする際に「平面図」でするな!「天井伏図」で考えろ!ということです。
ダウンライトは、天井に付けるものなのに、平面計画ばかりに目を捉われ、計画するものだから、ひっそりとしておきたい収納を煌々と照らしたり、エアコンをキラ~ん♪と浮かび上がらせてしまったり。ここも。ここも。という内に天井が星空になってしまったり・・・。

おいおい。せっかくの建築空間が美しくないんだよ(怒)!!!

という考え方です。大げさに言うと。そして私の勝手な解釈によると。

う~ん。言葉で説明してもわかり辛いと思いますので、DAIKOさんのカタログをちょっと拝借☆
 
↑これが平面図で計画した照明空間、
 
↑そしてこれが天井伏図をもとに計画した照明空間。

お~。たしかに天井がスッキリしてとってもキレイ(喜)☆
・・・と思ったわけです。私も。
でもでも、次第に「?」で頭の中がいっぱいになってきました。そして、昨日の展示会で久しぶりに照明空間を体感して、ますます「?」になったわけです。

たしかに、天井伏図をもとに計画した照明プランは「建築空間」としてとても美しい。
エアコンが無意味に目立つこともない。収納を照らして(なんだ?)と思うこともない。
でも、本当にこれが心地良い空間演出としてベストなのかどうかには疑問が残ります。
だってね、必要なところに必要なあかりが取れていないことになり兼ねないから。
この考え方だけに頼ってしまうとダウンライトの役割そのものから考え直さなければならないように思うのです。

照明空間の設計は、時代とともに移り変わっています。

まずは、「一室一灯」時代。
1つの空間に1つのシーリングライト、またはペンダントが設置されている手法です。
現在も、これがごく標準的な生活空間だと思います。
そして、「4隅ダウンライト」時代。
これは、シーリングライトが部屋の中央に設置された場合、どうしても部屋の4隅にまで光が回らず、そのあたりがどんよりと暗くなってしまいます。コレを、小さなダウンライトを配して補おう!としたものです。一時期、流行りましたよね。とっても。
お宅のリビングも4隅にダウンライト、付いていませんか?
現在の考え方の主流は「適所適光」。必要なところに必要なあかりを落してやろう。という考え方。この考え方と上記の「天井伏図で考える」考え方を照らし合わせると、(矛盾してるんじゃないか?!)と思ってしまうわけです。
ダウンライトを固めて使うのは、空間を美しく演出することができます。「分散しすぎると間が抜ける」という考え方です。ハイ。おっしゃる通り。
でも、ならば、シーリングで良いんじゃないか?!と気付いてしまったわけです。
例に挙げた写真を見ると、ちょっと違和感を感じませんか?
たしかに、キレイなんだけれど、ダイニングテーブルから光がズレてしまっている。
果たしてコレが食事をとる空間として気持ち良い照明設計なのでしょうか?

そんなこんなを一人考察した結果、私は平面図からもしっかり計画していこう!というところに落ち着きました。もちろん!美しい配灯の手法も頭に入れながらですよ。
だって、コレも間違っていないと思うし。
でも、私はあくまで「設計士」ではなく「コーディネーター」でありたいと思います。「コーディネーター」とは生活空間でものごとをとらえ、計画するもの。・・・だと私は思います。そのためには、決してかっこいいダケじゃダメなんだ!
心地良い空間を提供すること。それが私に与えられた役割だと思います。
様々な考え方があるけれど、デザインと機能性、そのどちらかに偏り過ぎることなく、それぞれの家庭のライフスタイルに合った照明設計をしていきたいものです。

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