今日ご紹介するのは、住宅のメイン空間LDKです。その中でも特に、仕上げ材のお話しをしたいと思います。
まずは、床材選びから。
カタログの中から「これは」と思うものに片端からチェックを入れていきます。
ナラ、タモ、ピンカド、タガヤサン、カリン、スギ(上小節、無節)・・・。
取り寄せたサンプルは13点を超えました。これについては、担当者と何度も何度も検討を重ねました。
担当者「今回は濃い色の材を使いたいと思っています。」
コストにも気を配りながら、選びます。(これは黒すぎる)(こっちは赤すぎる)(そしてこれは、色味が足りない・・・)許されたコストの範囲内で、私たちが求める材を見つけることはできませんでした。
「塗装で対応する?」
結局行き着いたのは、着色により、空間のイメージに合わせるということ。
町家の改装で頻繁に利用されるスギは、とりあえず検討から外しました。いつもとは違った味を出す為です。着色をしてしまうので、材種よりもサイズを基準にして選定。
そうして選ばれたのは、「ポンデロサパイン」。
写真は128mm巾のものですが、実際に使用したものは、17×171×4000の超巾広タイプ。例えば松下電工の標準的なフロアーが12×75.75×1818ですから、その差は歴然。価格は松下電工が19,400円/3.3㎡なのに対し、31,350円/㎡。これは、無塗装品の価格ですので、加えて塗装の費用がかかります。
ところでポンデロサパインとは、米国西部を代表するマツの一種です。ソフトな雰囲気の色合いに大きめの節が散在する大らかな表情と柔らかな木目が特徴で、施工後年月を経て深い飴色に変化していきます。松材にありがちなヤニつぼが少なく、材質が均一なことも特徴です。(参考:株式会社マルホン 木材見本帖)
この、豊かな風合いを持つムク材に自然の塗料で着色を施します。選んだのは環境問題との取り組みにも永い経験と実績を持ち、天然素材の良さを知り尽くしているドイツのメーカー、オスモ社の製品。
有色ウッドワックスを塗装の後、フロアクリアーラピッド(ツヤ消し)で仕上げます。
それぞれの成分表は下記の通り。
●ウッドワックス
【バインダー40%】
ひまわり油、大豆油、アザミ油
【ワックス10%】
カルナバワックス、カンデリラワックス
【溶剤40%】
脂肪族炭化水素-脱芳香族化した白色ミネラルオイル(ベンゾールは含まず、DAB10ffドイツ薬局方第10巻の純度規定に適合したもの)
【顔料5%】
鉱石ベースの鉱物顔料;二酸化チタンと酸化鉄(黄、赤、黒)
有機顔料(黄、赤、緑、青)でGerman industrial Norm DIN53160(唾液と汗溶解テスト)とEuro Norm EN71(玩具安全基準)に適合し食品のまわりでの使用が許可されているもの
【土類5%】
鉱物顔料;有機性粘土※使用されている鉱物顔料と土類は精製し、すべての毒物成分(重金属等)を取り除いてあり、生物学的に安全
【添加物1%未満】
オクチル酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸ジルコニウム(個々の鉱物より採取、無鉛)、ポリシロキサン(ケイ酸ベース)
●フロアクリアーラピッド
基本的に上記の成分と同じですが、顔料の代わりにつや消し剤5%(ポリシロキサン)
次に壁の仕上げを選びます。
こちらも自然素材にこだわり、珪藻土を採用。更に、広い空間における画一的な印象を防ぐため、フォーカルポイントとなる壁に「エコカラット プレシャスモザイク カッセ」を施工しました。
こうして、家族が集うリビング空間は、健康にも環境にも配慮した仕上げ材で完成しました。際立った豪華さには欠けるのかも知れませんが、自然ならではのぬくもりが家族の笑顔を包む優しい空間に仕上がりました。気が付けば、自然と家族が集う場所、それがこの空間であって欲しいと思います。
次回は、設備やサッシ、家具などのご紹介を致します。
まずは、床材選びから。
カタログの中から「これは」と思うものに片端からチェックを入れていきます。
ナラ、タモ、ピンカド、タガヤサン、カリン、スギ(上小節、無節)・・・。
取り寄せたサンプルは13点を超えました。これについては、担当者と何度も何度も検討を重ねました。
担当者「今回は濃い色の材を使いたいと思っています。」
コストにも気を配りながら、選びます。(これは黒すぎる)(こっちは赤すぎる)(そしてこれは、色味が足りない・・・)許されたコストの範囲内で、私たちが求める材を見つけることはできませんでした。
「塗装で対応する?」
結局行き着いたのは、着色により、空間のイメージに合わせるということ。
町家の改装で頻繁に利用されるスギは、とりあえず検討から外しました。いつもとは違った味を出す為です。着色をしてしまうので、材種よりもサイズを基準にして選定。
そうして選ばれたのは、「ポンデロサパイン」。
写真は128mm巾のものですが、実際に使用したものは、17×171×4000の超巾広タイプ。例えば松下電工の標準的なフロアーが12×75.75×1818ですから、その差は歴然。価格は松下電工が19,400円/3.3㎡なのに対し、31,350円/㎡。これは、無塗装品の価格ですので、加えて塗装の費用がかかります。
ところでポンデロサパインとは、米国西部を代表するマツの一種です。ソフトな雰囲気の色合いに大きめの節が散在する大らかな表情と柔らかな木目が特徴で、施工後年月を経て深い飴色に変化していきます。松材にありがちなヤニつぼが少なく、材質が均一なことも特徴です。(参考:株式会社マルホン 木材見本帖)
この、豊かな風合いを持つムク材に自然の塗料で着色を施します。選んだのは環境問題との取り組みにも永い経験と実績を持ち、天然素材の良さを知り尽くしているドイツのメーカー、オスモ社の製品。
有色ウッドワックスを塗装の後、フロアクリアーラピッド(ツヤ消し)で仕上げます。
それぞれの成分表は下記の通り。
●ウッドワックス
【バインダー40%】
ひまわり油、大豆油、アザミ油
【ワックス10%】
カルナバワックス、カンデリラワックス
【溶剤40%】
脂肪族炭化水素-脱芳香族化した白色ミネラルオイル(ベンゾールは含まず、DAB10ffドイツ薬局方第10巻の純度規定に適合したもの)
【顔料5%】
鉱石ベースの鉱物顔料;二酸化チタンと酸化鉄(黄、赤、黒)
有機顔料(黄、赤、緑、青)でGerman industrial Norm DIN53160(唾液と汗溶解テスト)とEuro Norm EN71(玩具安全基準)に適合し食品のまわりでの使用が許可されているもの
【土類5%】
鉱物顔料;有機性粘土※使用されている鉱物顔料と土類は精製し、すべての毒物成分(重金属等)を取り除いてあり、生物学的に安全
【添加物1%未満】
オクチル酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸ジルコニウム(個々の鉱物より採取、無鉛)、ポリシロキサン(ケイ酸ベース)
●フロアクリアーラピッド
基本的に上記の成分と同じですが、顔料の代わりにつや消し剤5%(ポリシロキサン)
次に壁の仕上げを選びます。
こちらも自然素材にこだわり、珪藻土を採用。更に、広い空間における画一的な印象を防ぐため、フォーカルポイントとなる壁に「エコカラット プレシャスモザイク カッセ」を施工しました。
こうして、家族が集うリビング空間は、健康にも環境にも配慮した仕上げ材で完成しました。際立った豪華さには欠けるのかも知れませんが、自然ならではのぬくもりが家族の笑顔を包む優しい空間に仕上がりました。気が付けば、自然と家族が集う場所、それがこの空間であって欲しいと思います。
次回は、設備やサッシ、家具などのご紹介を致します。
壁に珪藻土使うと、湿度の調整もするんでしたよね?
さらには、防汚、省エネ、不燃、音響効果などがあると言われています。
近頃では人気の仕上げ材で、クロスに比べてかなりのコストUPになるものの、随分普及し、一般化してきたように感じます。