神学を学ぶということは経済学を学ぶということと同義だと私は思う。鳥井林太朗は早稲田大学で東洋哲学を学び、その後独学で研鑽を積みながら、いまだかつて誰も踏み込んだことのない孤高の境地で、アートと哲学、神学と経済学の領域を不器用だが繊細に歩み続けている作家である。彼は古美術にも造詣が深く、或る日ひょっこり私のギャラリーを訪ねて来た。あれから数年。この度『神の夜』というタイトルでこの稀有なペインティングをご紹介できることは望外の喜びに他ならない。地平線、或いは水平線を思わせるこれらの絵画は多面的な解釈が可能だが、<命の線>を視覚化し、〈光〉というモチーフを一アーティストが表現することは神をも恐れぬ偉業だと私は考える。大袈裟ではない。鳥井林太朗はいとも易々とホリゾンタルアート=神の夜を我々の現前に指し示してくれたのだ。
鳥井林太朗 Lyntalo torii 神の夜
会期 2011年2月1日(火)~2月14日(月)
12時~19時 日曜休廊
場所 晶アート
東京都中央区銀座5-9-19 2F
烏井 林太朗 ( Lyntalo TORII )
早稲田大学第一文学部東洋哲学科卒業
1999.9月 フランス政府給費留学により渡仏
2000.9月 グループ展(ギャラリー・アタノー/マルセイユ)
2001.1月 グループ展(タルブ現代アートセンター”Le Parvis”/フランス)
4月 グループ展(トゥールーズ現代美術館”Les Abbatoir”/フランス)
4月 個展(ギャラリー・ジャンフランソワメイヤー/マルセイユ)
10月 グループ展(フィエスタ・アートフェスティバル/マルセイユ)
9月 個展(Hitomi Bushi d’eau/パリ)
11月 個展『深く身をかがめて』(ギャラリー・アートポイント/東京)
2002.3月 個展(ギャラリー・ド・タブロー/マルセイユ)
7月 グループ展「1%アーティスティック」(マルセイユ美術大学ギャラリー)
壁画製作(マルセイユ幼稚園・小学校)
9月 個展(国際ポエムセンターCIPM/マルセイユ)
二人展(Hitomi Bushi d’eau/パリ)
10月 個展(シネマ・デ・バリエテ・エントランスギャラリー/マルセイユ)
2003.1月 個展(パッサージダートギャラリー/マルセイユ)
10月 個展(フィエスタ・アートフェスティバル/エスパス・エクルイユ/マルセイユ)
11月 個展(La Minotorieエントランスホール/マルセイユ)
2004.9月 帰国
2005.6月 個展『ぽちゃん』(エス・ギャラリー/東京)
2006.1月 個展『ウサギの羽根に鳩がとまった』(海画廊/東京)
2月 個展『無限のスキマ』(ギャラリー川船/東京)
2009.4月 個展『わらいごと』(和田画廊)
コレクション
2001 マルセイユ市Fonds Communal により「反復の庭」がコレクションされる
レジデンス
1996 銅版画アトリエ<Atelier 63>にて1年間版画を学ぶ(パリ)
1999~2000 アーティストレジデンス<Astterids/La Friche>(マルセイユ)
奨学金
1999~2000 フランス政府給費留学によりマルセイユに渡仏(以後2004年2月まで延長)
2000~2001 Aide individuelle a la Creation (DRAC プロバンス/フランス)
公共製作
2002 マルセイユ幼稚園の壁画及び入り口のホールの壁画「想像の庭」を
1%アーティスティック基金より依頼されて製作(マルセイユ)