大河ドラマ:「平清盛」 混乱の世、たくましく生きるより転載
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NHK大河ドラマ「平清盛」のロゴ
◇ 「松山世代」そろえ、豪快に群像劇
NHK大河ドラマ第1作が放送されてから50年目の記念すべき年に選ばれたのは、平安末期が舞台となる「平清盛」。白河法皇の落とし種として孤独に生まれながら、やがてトップに上り詰めた男の生涯を描く。通底するテーマは「たくましき平安」だ。総合は8日午後8時、BSプレミアムでは同日午後6時スタート。【高橋咲子】
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NHK大河ドラマ「平清盛」 登場人物相関図
これまでの大河50作で平安時代はわずか5本。「敗者である平氏は資料が乏しく、極悪人や負け組の代表となり、ドラマの主人公としても描きにくかった」と磯智明チーフプロデューサーは語る。
このイメージを打ち破るのが今年の清盛。ドラマは「無頼の高平太」として仲間を束ねていく前半、「平安版ゴッドファーザー」(柴田岳志チーフディレクター)として大家族を率いるものの、世間の不評を買い命を落とす後半--に分かれる。
「罪なき民を泣かせて武士など名乗れるか!」。劇中で清盛はそう叫ぶ。大きな体に派手な着物。汚れた顔で市中を闊歩(かっぽ)し、腹がくちくなればごろりと寝転ぶ。平家の御曹司として育ったのに、なんと野性的で豪快なのだろう。
平清盛を演じる松山ケンイチ
渡哲也ら、これまで清盛を演じてきた俳優に比べて、主役の松山ケンイチはぐんと若い26歳だ。源義朝役の玉木宏、後白河天皇役の松田翔太も同世代。実力ある“松山世代”をそろえることで群像劇を描くことが可能になった。
<遊びをせんとや 生まれけむ 戯れせんとや 生まれけん>
「梁塵秘抄」の中のこの歌が、ドラマを象徴する。子どもが夢中で遊ぶように生きる。そんなセリフが形を変えて何度も登場する。
柴田チーフディレクターは言う。「番組のメッセージを一言で言うと“生きる”。生きるなかには困難がつきまとうが、あえて現在を夢中になって生きてみよう、と」
◇第1回「ふたりの父」あらすじ
1118年、京都。300年の平安を誇った貴族の世も乱れ、武家・平氏の嫡男である平忠盛(中井貴一)も、朝廷の命令のまま盗賊を捕らえる汚れ仕事を行っていた。そんなある日、忠盛は物乞い姿の一人の女と出会う。その女・舞子(吹石一恵)は、院の御所に出入りする白拍子で、時の最高権力者・白河法皇(伊東四朗)の子を身ごもっていた。不吉な子として殺されることを恐れ、逃げてきた舞子を、忠盛は、追っ手の源氏方の武士・源為義(小日向文世)の追及を逃れ、自らのもとにかくまう。人を斬ることに疲れていた忠盛と舞子は、やがて心を通い合わせるようになり、忠盛の家の納屋で、舞子は赤ん坊を産み落とす。その赤ん坊こそがのちの平清盛だった。
2012年1月1日
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NHK大河ドラマ「平清盛」のロゴ
◇ 「松山世代」そろえ、豪快に群像劇
NHK大河ドラマ第1作が放送されてから50年目の記念すべき年に選ばれたのは、平安末期が舞台となる「平清盛」。白河法皇の落とし種として孤独に生まれながら、やがてトップに上り詰めた男の生涯を描く。通底するテーマは「たくましき平安」だ。総合は8日午後8時、BSプレミアムでは同日午後6時スタート。【高橋咲子】
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NHK大河ドラマ「平清盛」 登場人物相関図
これまでの大河50作で平安時代はわずか5本。「敗者である平氏は資料が乏しく、極悪人や負け組の代表となり、ドラマの主人公としても描きにくかった」と磯智明チーフプロデューサーは語る。
このイメージを打ち破るのが今年の清盛。ドラマは「無頼の高平太」として仲間を束ねていく前半、「平安版ゴッドファーザー」(柴田岳志チーフディレクター)として大家族を率いるものの、世間の不評を買い命を落とす後半--に分かれる。
「罪なき民を泣かせて武士など名乗れるか!」。劇中で清盛はそう叫ぶ。大きな体に派手な着物。汚れた顔で市中を闊歩(かっぽ)し、腹がくちくなればごろりと寝転ぶ。平家の御曹司として育ったのに、なんと野性的で豪快なのだろう。
平清盛を演じる松山ケンイチ
渡哲也ら、これまで清盛を演じてきた俳優に比べて、主役の松山ケンイチはぐんと若い26歳だ。源義朝役の玉木宏、後白河天皇役の松田翔太も同世代。実力ある“松山世代”をそろえることで群像劇を描くことが可能になった。
<遊びをせんとや 生まれけむ 戯れせんとや 生まれけん>
「梁塵秘抄」の中のこの歌が、ドラマを象徴する。子どもが夢中で遊ぶように生きる。そんなセリフが形を変えて何度も登場する。
柴田チーフディレクターは言う。「番組のメッセージを一言で言うと“生きる”。生きるなかには困難がつきまとうが、あえて現在を夢中になって生きてみよう、と」
◇第1回「ふたりの父」あらすじ
1118年、京都。300年の平安を誇った貴族の世も乱れ、武家・平氏の嫡男である平忠盛(中井貴一)も、朝廷の命令のまま盗賊を捕らえる汚れ仕事を行っていた。そんなある日、忠盛は物乞い姿の一人の女と出会う。その女・舞子(吹石一恵)は、院の御所に出入りする白拍子で、時の最高権力者・白河法皇(伊東四朗)の子を身ごもっていた。不吉な子として殺されることを恐れ、逃げてきた舞子を、忠盛は、追っ手の源氏方の武士・源為義(小日向文世)の追及を逃れ、自らのもとにかくまう。人を斬ることに疲れていた忠盛と舞子は、やがて心を通い合わせるようになり、忠盛の家の納屋で、舞子は赤ん坊を産み落とす。その赤ん坊こそがのちの平清盛だった。
2012年1月1日