凹みネタです。長いですよ~。
年も変わりそろそろケチャの進路を決める季節になりました。
進路といっても学校ではなく野球のです。
小学生の野球から中学生の野球へ移行するには3つの選択肢があります。
①進学する中学校の部活動として、野球部に入部する
②シニア軟式野球クラブチームに入部する
③シニア硬式野球クラブチームに入部する
①では今の練習に比べ、もの足りないので卒業生のほとんどは②か③に進んでいきます。ケチャも同じです。
硬式野球に進んだ先輩が合宿や練習に来てくれます。その姿を見て、当然ケチャは「かっこいい。僕も硬式に進みたい」と思っていました。
6年生はケチャを入れて3人ですが、他の2人も硬式に進む道を望んでいます。ケチャにとって「硬式に進みたい」は自然の流れなのです。
ケチャは小柄で肉付きも悪く、おまけに少し猫背なところが一層体格を貧相に見せます。
コーチ陣の意見は「体ができていないので、体力的に硬式に進むのは難しい」が大勢です。
正直なところ、私も同意見です。
先日の日曜日、練習をしていた隣のグラウンドで、軟式シニアのチームが練習をしていました。
体験入部のお誘いを受け、6年生3人は揃って、中学生の練習に参加させてもらいました。
参加した感想を監督に尋ねられたケチャは「楽しかった」と答えたそうです。
練習終了後、私はコーチ陣にグルッと囲まれ、ケチャの進路についての「レクチャー」を受けました。
結論から言うと、
「軟式に進むように説得せよ」
でした。
これだけ聞くと、本人の望みを大人の一声でもみ消すように聞こえますが、「レクチャー」は私に説得を促すに足る十分な内容でした。
・体格ができていない
・上記事由で体力が伴わない
・体格ができていないうちにハードなトレーニングを無理にすると、逆に成長の妨げになる
・希望する硬式のチームは各チームから選りすぐりの選手が何十人もあがってくる。ひときわ抜きん出た選手でなければ、練習すらさせてもらえない
・中学生3年間できちんと体を作り、一生懸命やってから硬式に転向しても遅くない
・その他いろいろ
帰り道、私はどう説得するか考えあぐねていました。
これまで、なんとなく「軟式がいいんじゃない?」と勧めてみても、いつも答えは「NO」だったからです。
帰宅し、不運にも私はすぐにケチャと、はちあわせしてしまいました。
「中学生の練習、どうだった?」
「うん、楽しかったよ」
監督に答えた返事と同じです。
私が優しく語りかける時は、言いにくいことを言う前触れだとわかっているのでしょう、なんとなく構えた面持ちでした。
そして私はコーチ陣に言われた事を正直に話し、軟式に行くことを勧めました。
こわばった顔が少し紅潮したのは見間違えではでは無かったと思います。
それでもケチャは反論することなく、
「わかった、僕は軟式にいく」
と、あっさり承諾したのです。
そういう話を勧められることを予期していたようでした。
彼は人生で最初の挫折を味わったことでしょう。
体が小さいという理由で門前払いをくらう現実の壁、不条理、虚しさ。
でもね、ケチャ、この挫折は大いにあなたの力になるよ。
自分の努力ではどうにもならない現実、その現実を踏み越えるたびに挫折は竹の節のようになって、強く、曲がらない、折れない強い人間にしてくれるからね。
私はといえば...
もっと説得は難航すると思っていたのに簡単に事が済んでしまいホッとした反面、どうしてもっと我を通さないのだろうと歯がゆい気持ち、抵抗を待ち望んでいたかのような矛盾した気持ちで落ち着きませんでした。
湯船につかりながら、けしてケチャは涙を見せなかったなと思うと、かわりにポロポロと涙がこぼれてきました。
年も変わりそろそろケチャの進路を決める季節になりました。
進路といっても学校ではなく野球のです。
小学生の野球から中学生の野球へ移行するには3つの選択肢があります。
①進学する中学校の部活動として、野球部に入部する
②シニア軟式野球クラブチームに入部する
③シニア硬式野球クラブチームに入部する
①では今の練習に比べ、もの足りないので卒業生のほとんどは②か③に進んでいきます。ケチャも同じです。
硬式野球に進んだ先輩が合宿や練習に来てくれます。その姿を見て、当然ケチャは「かっこいい。僕も硬式に進みたい」と思っていました。
6年生はケチャを入れて3人ですが、他の2人も硬式に進む道を望んでいます。ケチャにとって「硬式に進みたい」は自然の流れなのです。
ケチャは小柄で肉付きも悪く、おまけに少し猫背なところが一層体格を貧相に見せます。
コーチ陣の意見は「体ができていないので、体力的に硬式に進むのは難しい」が大勢です。
正直なところ、私も同意見です。
先日の日曜日、練習をしていた隣のグラウンドで、軟式シニアのチームが練習をしていました。
体験入部のお誘いを受け、6年生3人は揃って、中学生の練習に参加させてもらいました。
参加した感想を監督に尋ねられたケチャは「楽しかった」と答えたそうです。
練習終了後、私はコーチ陣にグルッと囲まれ、ケチャの進路についての「レクチャー」を受けました。
結論から言うと、
「軟式に進むように説得せよ」
でした。
これだけ聞くと、本人の望みを大人の一声でもみ消すように聞こえますが、「レクチャー」は私に説得を促すに足る十分な内容でした。
・体格ができていない
・上記事由で体力が伴わない
・体格ができていないうちにハードなトレーニングを無理にすると、逆に成長の妨げになる
・希望する硬式のチームは各チームから選りすぐりの選手が何十人もあがってくる。ひときわ抜きん出た選手でなければ、練習すらさせてもらえない
・中学生3年間できちんと体を作り、一生懸命やってから硬式に転向しても遅くない
・その他いろいろ
帰り道、私はどう説得するか考えあぐねていました。
これまで、なんとなく「軟式がいいんじゃない?」と勧めてみても、いつも答えは「NO」だったからです。
帰宅し、不運にも私はすぐにケチャと、はちあわせしてしまいました。
「中学生の練習、どうだった?」
「うん、楽しかったよ」
監督に答えた返事と同じです。
私が優しく語りかける時は、言いにくいことを言う前触れだとわかっているのでしょう、なんとなく構えた面持ちでした。
そして私はコーチ陣に言われた事を正直に話し、軟式に行くことを勧めました。
こわばった顔が少し紅潮したのは見間違えではでは無かったと思います。
それでもケチャは反論することなく、
「わかった、僕は軟式にいく」
と、あっさり承諾したのです。
そういう話を勧められることを予期していたようでした。
彼は人生で最初の挫折を味わったことでしょう。
体が小さいという理由で門前払いをくらう現実の壁、不条理、虚しさ。
でもね、ケチャ、この挫折は大いにあなたの力になるよ。
自分の努力ではどうにもならない現実、その現実を踏み越えるたびに挫折は竹の節のようになって、強く、曲がらない、折れない強い人間にしてくれるからね。
私はといえば...
もっと説得は難航すると思っていたのに簡単に事が済んでしまいホッとした反面、どうしてもっと我を通さないのだろうと歯がゆい気持ち、抵抗を待ち望んでいたかのような矛盾した気持ちで落ち着きませんでした。
湯船につかりながら、けしてケチャは涙を見せなかったなと思うと、かわりにポロポロと涙がこぼれてきました。