このタイトルはずるいよねえ。つい手に取ってしまう。きっと「吾輩も猫である」っていう文章で始まるのかと思ったけど、そうではなかった。猫と飼い人のアンソロジーが8編。書いてるのはすごい著名な作家だらけ。中にはマンガもあった。村山由佳さんのが一番気に入ったかな。
5つの悪夢のような話が詰まった短編集。表題作はずっと前に亡くなった祖母の骨をお寺に納骨しようとする男女が、祖母に何があったのかを回想する話。殺人事件そのものよりも、村八分や村十分の風習にずーんと暗いくらい気分になるのです。しかし、それよりもさらにイヤな感じの作品が「姉のように」だった。犯罪を犯してしまった姉を持つ私が、3歳にもならない娘に苦しめられる。夫は理解なく、周りの人にも姉のことがあり相談できない。読むのが本当に辛くなって、もうやめて!って感じになる。他には「ありがとう、ばあば」も秀逸だった。