警部補、調書偽造録音され「はめられた」 捜査情報も漏洩か 兵庫県警
2013.1.14 01:45 (1/2ページ)
家宅捜索に向かう兵庫県警の捜査員を乗せた車両=13日、兵庫県加東市の社署(榎本雅弘撮影、一部画像処理)
兵庫県警の警察官が覚醒剤事件の目撃情報の供述調書を偽造した事件で、虚偽有印公文書作成容疑で逮捕された県警社(やしろ)署警部補、常深(つねみ)洋蔵容疑者(52)が県警の任意の事情聴取を受けた際、「(目撃情報の提供者側に)はめられた」という趣旨の供述をしていたことが13日、捜査関係者への取材で分かった。
提供者側は常深容疑者を風俗店で★接待した際や 調書偽造時の様子をひそかに★録音・録画していたといい、県警は提供者側による一連の行為について動機も調べる。
また、県警は同日、容疑を裏付けるため、社署など関係先18カ所を家宅捜索した。常深容疑者が車の所有者情報など捜査情報を漏洩していた疑いもあり、地方公務員法(守秘義務)違反容疑でも調べる。常深容疑者も漏洩を一部認めているという。
目撃情報を提供したのは、不動産仲介業の後藤新平容疑者(45)と、韓国籍で職業不詳の洪(こう)幸大(ゆきひろ)容疑者(42)。
捜査関係者などによると、常深容疑者は県警組織犯罪対策課に在籍していた平成23年6月ごろ、知人の後藤容疑者を通じて洪容疑者と知り合い、関係を深めたという。
社署刑事課に異動後の同年9~12月にも、洪容疑者らから居酒屋や性風俗店で繰り返し接待を受け、同年12月には社署内で今回事件となった偽造調書を作成したとされる。
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家宅捜索に向かう兵庫県警の捜査員を乗せた車両=13日、兵庫県加東市の社署(榎本雅弘撮影、一部画像処理)
家宅捜索に向かう兵庫県警の捜査員を乗せた車両=13日、兵庫県加東市の社署(榎本雅弘撮影、一部画像処理)
ところが、洪容疑者は昨年1~3月ごろ、県警に「常深容疑者は後藤容疑者のゲーム賭博を見逃す代わりに現金をもらっている」との情報を提供。県警は情報に基づき捜査を始めたが、現金の授受は裏付けられず、常深容疑者がゲーム賭博と関わりがなかったことも分かった。
しかし、捜査が行き詰まった昨年7月、洪容疑者が常深容疑者を風俗店で接待しているとみられる動画がネットサイトにアップされた。
さらに、県警が10月末に別の詐欺容疑で洪容疑者を逮捕した後、偽造調書を作成した際の会話の録音データが、洪容疑者の関係先で見つかっている。