中野ブロードウェイを隅から隅まで、B1からほぼ閉店中の怪しい4Fまでなめるように探検してから、懐かしい早稲田通りを歩いて、昔住んでいたアパートがあった東中野の方面へ向かった。なにしろ20年振りである。「いやあ、懐かしい風景だなあ」と思い出がフラッシュバックすると思って心の準備をして歩き出した・・
ところが、3年ほどにわたって通ったはずのこの道にまったく見覚えがないのである。交差点やら公共私設などは変わらぬ場所にあるはずなのに、交番(駐車禁止で出頭した思い出あり)をのぞいて記憶が戻ってこないのだ.というより、この通り自体が私を受け入れてくれないという意思を表しているがごとく、よそよそしい。
通った銭湯は、コインランドリー付きマンションに変わり、長野へ帰る金を作るためにレコードプレーヤーを預けた質屋はコンビニに変わっていた。昼飯用にラーメン「ちびろく」とキャベツとインスタントクリームシチューを買いに通ったスーパーは経営者が変わっていた。
歩くほどに、本当に自分はこの町で暮らしていたのだろうかと不安になった。
借りて住んでいたアパートをようやく見つけ出した。「あけぼの荘」は昔どおりに坂を下った突き当たりに建っていた。大家さんを訪ねたい欲求にかられた.門は固く閉じられていたので突然の訪問は控えたけれど表札を見ると大家さんは弁護士さんだったということをいまさら知った。
東中野へ向かう道すがら、大学で知り合った酒乱の友人が拳を血だらけにして殴りつけた電柱も移設されていたし、彼が彼女に電話しようとして間違えて自宅にかけた赤電話も肉屋と共になくなっていた。
20年間なんていう年月が自分の生きた人生にあるなんて若いころは予想もしなかったけれど、気が付くと2クール以上生きている。
いろんなものが変わってしまうはずだよ。
ところが、3年ほどにわたって通ったはずのこの道にまったく見覚えがないのである。交差点やら公共私設などは変わらぬ場所にあるはずなのに、交番(駐車禁止で出頭した思い出あり)をのぞいて記憶が戻ってこないのだ.というより、この通り自体が私を受け入れてくれないという意思を表しているがごとく、よそよそしい。
通った銭湯は、コインランドリー付きマンションに変わり、長野へ帰る金を作るためにレコードプレーヤーを預けた質屋はコンビニに変わっていた。昼飯用にラーメン「ちびろく」とキャベツとインスタントクリームシチューを買いに通ったスーパーは経営者が変わっていた。
歩くほどに、本当に自分はこの町で暮らしていたのだろうかと不安になった。
借りて住んでいたアパートをようやく見つけ出した。「あけぼの荘」は昔どおりに坂を下った突き当たりに建っていた。大家さんを訪ねたい欲求にかられた.門は固く閉じられていたので突然の訪問は控えたけれど表札を見ると大家さんは弁護士さんだったということをいまさら知った。
東中野へ向かう道すがら、大学で知り合った酒乱の友人が拳を血だらけにして殴りつけた電柱も移設されていたし、彼が彼女に電話しようとして間違えて自宅にかけた赤電話も肉屋と共になくなっていた。
20年間なんていう年月が自分の生きた人生にあるなんて若いころは予想もしなかったけれど、気が付くと2クール以上生きている。
いろんなものが変わってしまうはずだよ。