おはようございます。。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。
昨年の7月からHHPに参加しています。HHPというのは、「ひきこもり当事者発信プロジェクト」というもので、毎月会議が行われています。
HHPのスタートは、研究者や医者、支援者などが書いた「ひきこもりの本」というのはたくさんありますが、「当事者の声」というのは、ほとんど聞くことができない。もっと当事者の声を発信することができれば、それによって安心したり元気がでたりする人もいるのではないだろうか、世間のひきこもりに対する偏見が少しでもなくなるのではないだろうか、そう考える方がおられて、そのプロジェクトを進めていく会員というかスタッフの一員として私にも声をかけていだだきました。
私の仕事は塾の先生ですので、もちろんHHPの活動はそれほど関わることができません。ただ月1回の会議はできるだけ時間を作って参加させていただいております。私がHHPにこだわるのは、私がひきこもりを経験しているので、「どんな形でもいいから、何か役に立てることをしたい」という気持ちと、塾の先生として何百人という子どもたちと関わってきました。その中には学校や社会になじめなかったり、苦しい思いをしたりで不登校やひきこもりになった生徒もいます。彼らはみな、いろんなものと闘いながら必死で学校や社会に復帰しようと頑張り、それでもうまくいかなかったり、絶望に打ちひしがれるときもあります。このような子どもたちは全国には何万にもいるでしょうから、直接は関わることができなくても「元気になったり、楽な気持ちになるようなものを届けたい」そんな気持ちでHHPに参加しています。
発足当初は、「当事者の声を集めて本にする」という目的でしたが、会議を重ねていくうちに「本を出版すること」を目的とするのではなく、これから活動していくなかで、その過程を本にしてもいいし、本でなくとも冊子のようなものでもいいし、もっと言えば本でなくても「求められているもの・必要とされているもの」を作り上げていきましょうという流れになってきました。
メンバーもだんだんと増えてきて、元当事者やその家族、NPOなどの各支援団体の人だけでなく、企業を経営されている人なども参加していただくようになり、毎回の会議の内容が幅広い情報交換ができるようになり、広い視野で話し合いが行われるようになってきました。
最近の政府の発表では、日本のひきこもり人数が100万人を超えると伝えられました。実際にはこの人数の約2倍になるのではないかとも言われています。さらに以前の統計は39歳以下の人数であり、今回40歳~64歳までを調査すると39歳以下のひきこもりよりも、40歳以上のひきこもりの方が多いことがわかりました。これは相当深刻な問題です。
これまで行政のひきこもり支援対策も39歳以下が一般的でしたが、それではとうてい解決できなということが明らかになりました。またいわゆる「8050問題」をこれからどう向き合っていくのかというのも大きな社会課題です。「8050問題」というのは、ひきこもりが長期化し、80代の親が50代の子どもの生活を支えなければならないという問題です。親は自分たちがいなくなったらこの子はどうなってしまうのだろうか、もちろん子どもも同じ不安を抱えて毎日悩んでいます。
職歴がなく、40歳の人を企業が雇ってくれるかというと、それはかなり厳しいでしょう。ですが本当に大切なポイントはひきこもり当事者の人が「働こう」という勇気を持てるのかどうかということだと思います。私自身もそうでしたが、社会人としての経験がないため自信など持てるはずもなく、働けたとしても周囲から変な目で見られたり、「仕事できんやつやな」と思われてしまったり、自分よりずいぶんと年下の人に怒られたり、そんなことを考えると1歩踏み出すことができないのです。そんな状態の人に「それでも頑張って働けよ!」というのは私には言えませんし、根本的な解決にはならないと思うのです。
先日、就職氷河期世代にあたる30代半ばから40代の支援策を決めると政府が発表しました。しかし行政だけでは形だけの支援になる可能性が高いですし、民間だけでは継続していく体力がありません。行政と民間の企業やNPOなどが協力し合っていかないと、突破口が見えてこないと思います。それほど大きな根深い問題です。
不登校からひきこもりといった例も決して少なくありません。いったんレールから離れてしまうと、なかなか戻ってきにくいものです。それも時間がたてばたつほど。そういう意味では、10代の子どもたちが学校というレールから離れた場合、そこからでも社会とつながるルートを早急に作っていく必要があります。今の社会はまだ不登校というものを軽視しているように感じます。ちょうど中高年のひきこもりに対して何も対策してこなかったのと同じように。
不登校になったとしても、それをケアする施設、そして「学校に行かないという選択をしたからといって人生が終わったわけでもなんでもない。たった1つの可能性も消えていないんだよ」と声をかけてあげる人、さらに社会から孤立しないように、きちんと見える道を作っていくこと、これらに真剣に取り組んでいかない限りは今の流れをとめることはできないでしょう。
私もHHPを通じて、ひきこもり経験者として、子どもたちと関わっている教育者として役に立てるようなものを作り上げていきたいと思っています。
ONE-SのHP
昨年の7月からHHPに参加しています。HHPというのは、「ひきこもり当事者発信プロジェクト」というもので、毎月会議が行われています。
HHPのスタートは、研究者や医者、支援者などが書いた「ひきこもりの本」というのはたくさんありますが、「当事者の声」というのは、ほとんど聞くことができない。もっと当事者の声を発信することができれば、それによって安心したり元気がでたりする人もいるのではないだろうか、世間のひきこもりに対する偏見が少しでもなくなるのではないだろうか、そう考える方がおられて、そのプロジェクトを進めていく会員というかスタッフの一員として私にも声をかけていだだきました。
私の仕事は塾の先生ですので、もちろんHHPの活動はそれほど関わることができません。ただ月1回の会議はできるだけ時間を作って参加させていただいております。私がHHPにこだわるのは、私がひきこもりを経験しているので、「どんな形でもいいから、何か役に立てることをしたい」という気持ちと、塾の先生として何百人という子どもたちと関わってきました。その中には学校や社会になじめなかったり、苦しい思いをしたりで不登校やひきこもりになった生徒もいます。彼らはみな、いろんなものと闘いながら必死で学校や社会に復帰しようと頑張り、それでもうまくいかなかったり、絶望に打ちひしがれるときもあります。このような子どもたちは全国には何万にもいるでしょうから、直接は関わることができなくても「元気になったり、楽な気持ちになるようなものを届けたい」そんな気持ちでHHPに参加しています。
発足当初は、「当事者の声を集めて本にする」という目的でしたが、会議を重ねていくうちに「本を出版すること」を目的とするのではなく、これから活動していくなかで、その過程を本にしてもいいし、本でなくとも冊子のようなものでもいいし、もっと言えば本でなくても「求められているもの・必要とされているもの」を作り上げていきましょうという流れになってきました。
メンバーもだんだんと増えてきて、元当事者やその家族、NPOなどの各支援団体の人だけでなく、企業を経営されている人なども参加していただくようになり、毎回の会議の内容が幅広い情報交換ができるようになり、広い視野で話し合いが行われるようになってきました。
最近の政府の発表では、日本のひきこもり人数が100万人を超えると伝えられました。実際にはこの人数の約2倍になるのではないかとも言われています。さらに以前の統計は39歳以下の人数であり、今回40歳~64歳までを調査すると39歳以下のひきこもりよりも、40歳以上のひきこもりの方が多いことがわかりました。これは相当深刻な問題です。
これまで行政のひきこもり支援対策も39歳以下が一般的でしたが、それではとうてい解決できなということが明らかになりました。またいわゆる「8050問題」をこれからどう向き合っていくのかというのも大きな社会課題です。「8050問題」というのは、ひきこもりが長期化し、80代の親が50代の子どもの生活を支えなければならないという問題です。親は自分たちがいなくなったらこの子はどうなってしまうのだろうか、もちろん子どもも同じ不安を抱えて毎日悩んでいます。
職歴がなく、40歳の人を企業が雇ってくれるかというと、それはかなり厳しいでしょう。ですが本当に大切なポイントはひきこもり当事者の人が「働こう」という勇気を持てるのかどうかということだと思います。私自身もそうでしたが、社会人としての経験がないため自信など持てるはずもなく、働けたとしても周囲から変な目で見られたり、「仕事できんやつやな」と思われてしまったり、自分よりずいぶんと年下の人に怒られたり、そんなことを考えると1歩踏み出すことができないのです。そんな状態の人に「それでも頑張って働けよ!」というのは私には言えませんし、根本的な解決にはならないと思うのです。
先日、就職氷河期世代にあたる30代半ばから40代の支援策を決めると政府が発表しました。しかし行政だけでは形だけの支援になる可能性が高いですし、民間だけでは継続していく体力がありません。行政と民間の企業やNPOなどが協力し合っていかないと、突破口が見えてこないと思います。それほど大きな根深い問題です。
不登校からひきこもりといった例も決して少なくありません。いったんレールから離れてしまうと、なかなか戻ってきにくいものです。それも時間がたてばたつほど。そういう意味では、10代の子どもたちが学校というレールから離れた場合、そこからでも社会とつながるルートを早急に作っていく必要があります。今の社会はまだ不登校というものを軽視しているように感じます。ちょうど中高年のひきこもりに対して何も対策してこなかったのと同じように。
不登校になったとしても、それをケアする施設、そして「学校に行かないという選択をしたからといって人生が終わったわけでもなんでもない。たった1つの可能性も消えていないんだよ」と声をかけてあげる人、さらに社会から孤立しないように、きちんと見える道を作っていくこと、これらに真剣に取り組んでいかない限りは今の流れをとめることはできないでしょう。
私もHHPを通じて、ひきこもり経験者として、子どもたちと関わっている教育者として役に立てるようなものを作り上げていきたいと思っています。
ONE-SのHP