コンサートが終了し、その余韻に浸っている間もなく、特別講演に突入です。
今年度は日韓国交正常化50周年の記念の年ですから、特別講演として「友達だからできること」という演題で、鄭玄実(チョン・ヒョンシル)さんに講演をしていただきました。
鄭玄実さんは韓国生まれで、日本に来て30年。首都圏の大学で、韓国語や韓国文化の教鞭を取り、福島県に転居後は、福島韓国語・韓国文化ネットワークを結成し、またNPO法人ふくかんねっとを設立したり、福島大学と福島学院大でも教鞭を取り、テレビ番組に出演したり、著書多数と精力的に活動している方です。
講演の概要を以下のように簡単にまとめさせていただきますと、
福島に越してきて、韓国料理やキムチ教室を通して、人と人との出会いの大切さを知りました。食べ物が繋ぐ縁を通して、改めて食べ物の大切さに気付き、食べ物を通しての活動を開始したそうです。それが東日本大震災に起因する風評被害によって、韓国から人が来ない等の問題が発生しました。それを救ってくれたのは友達だったそうです。福島の魅力は外から見ると非常に魅力的なのに、福島県人にとってはそれが「当たり前」だから気が付かない、そこでもっと人と近く関われるように、学業を離れ、大学の先生からFUKUKANいやしカフェというお店の店主になったそうです。人が集まったり、通える場所を作ったわけですね。
そんな鄭さんの目標は風評被害をなくすことと、福島県への人の往来をもっと活発にするために空の玄関である福島空港の韓国便の再開だそうです。そのためにも今年の夏、韓国から福島へ学生約170名を連れてきて、実際の福島を見てもらう活動をしました。最初は福島県に対して悪い印象を持っていた学生が10日間の滞在後は、福島県にまた来たい、という感想に変わっていたそうです。
このような意識の変化を多くの人に体験してもらうことが、風評被害の払しょくにつながるわけですね。
国レベルで見ると、歴史認識の問題等一朝一夕にはいかない問題が多数山積しているかもしれませんが、友達だから出来ることがあるんじゃないか、と民間交流で草の根的な活動をコツコツと続けて行けば、それがやがては大きな問題を解決することに繋がるかも知れません。
という今後に役立つお話をしていただいた後には、
鄭さんにお話にもあった食を通じての人との出会い、ということで、本日のボランティアフェスティバルでも素敵な出会いがあるようにと願いを込めまして、韓国料理の代表的なキムチやチジミ等を持って来てもらいました。
どれを食べても非常に美味でした。このブログをご覧になってくださって、興味を持った方は庭坂にあります鄭さんのお店FUKUKANいやしカフェに足をお運びください。キムチ等も含めての美味しい薬膳料理が食べれますよ。
ちなみに鄭さんは韓国の民族衣装チマチョゴリも多数持って来てくれましたので、会場後方では試着会がここはミラノか、LAか、というぐらいに行われていました。
チマチョゴリは色の使い方が赤や青、紫、ピンク等の原色を使っていることが多く、着るのにも10分あれば着れるとのことです。
特別講演の様子はこのくらいにして、ボランティアフェスティバルの会場ではこれまでに紹介した以外にも、
大玉村内外の方に多く物品提供をしていただき実施しているバザー、
こちらは11時ちょっと過ぎに開始したのですが、9割引きとかの大バーゲンをやっているお店の喧騒と同じぐらいの賑わい、
というか争い。押入れの奥に眠っていたもの、もしくはすでに使わなくなってしまったものでも、
それを必要とする人が沢山いるということですね。
そして総合福祉センターさくらの入り口では募金活動を実施しました。
ここで集められた善意の募金は全額ふれんどりー大玉さんへ寄付させていただきました。
今年度も26,000円を超える額をふれんどりー大玉さんに寄付することが出来たのは、
皆さんの温かい心によりますね。
また模擬店として、
大玉村手をつなぐ親の会さんとふれんどりー大玉さん
シャロームさん
オープンハウスのぞみさんが出店してくれました。
どれも手作りの美味しいフランクやお菓子、漬物、コーヒー等でした。
また会場には小さな子ども達も多く来てくれるので、
昔遊びコーナーとしてコマやタケコプター、じゃなくて竹とんぼ等、今ではあまり触れる機会がなくなってしまった懐かしの遊び道具の遊び方を習いました。
そしてコンサートや講演会の音響を一手に引き受けてくださった天野さんと大玉アマチュア無線クラブの皆様です。
司会進行には今年も斎藤マキさんと
佐原佐百合さんです。お二人ともベテランですので、スムーズな司会進行っぷりが板についていますね。
こちらは今回のボランティアフェスティバルで新設された似顔絵コーナー。
国際アート&デザイン専門学校さんに協力してもらって学生さんが4名来て似顔絵を描いてくれました。
似顔絵コーナーは12時30分から始まったのですが、ずっと人が途切れることなく、フェスティバルが終わる4時を過ぎても、似顔絵を描いてもらい人で溢れていました。それにしても学生さん4名ともに非常に手際が良いんですよね。
おおよそ15分で完成するのですが、皆さん自分の似顔絵を描いてもらった方は笑顔になっているんですよね。
そしてその似顔絵を大事にバッグ等にしまう姿が印象的でした。
福島大学ボランティアグループkey's(一部大玉社協職員含む)の皆さんです。
今年度は5名の学生さんが協力してくれました。key'sさんはもう今回で4年連続協力してくれております。
朝早くから清掃活動、厨房でのもち、そば、おにぎり作り。
そしてバザーや写真撮影等で毎年大活躍をしてくれています。
こちらはパネルにかあちゃん弁当の会さんやシャロームさん、ふれんどりー大玉さんです。
大玉村内にいるとそれぞれの名前は耳にする機会があるのですが、それぞれにどのような活動をしているのかについて、詳しく知る機会がなかなかなかったりします。
ですから多くの方にご来場いただくので、多くの方に普段の活動内容を知ってもらう良い機会ですので、パネル展示をしております。
というわけで、多くの団体や個人の方々と協働で進めてきた第12回ボランティアフェスティバルですが、この「多くの団体や個人の方々と協働で進めてきた」というのは、まさに地域福祉ですよね。
一方的にこんなイベントをやるから協力してください、ではなく一緒になってイベントの形や中身を創っていく、だからこそ多くの方に足を運んでいただけるイベントになっているのかもしれませんね。