南方単車亭日乗

奄美大島にIターンした中年単車乗りが、てげてげに綴ります。
はじめての方は、最初に《ごあいさつ》をお読みください。

初夏の加計呂麻を行く 拾六

2006年06月03日 00時30分01秒 | 南方単車旅案内
初夏の加計呂麻を行く 拾伍よりつづく。

野営地である実久(さねく)を出たときには、一気に南を目指すつもりであったが、
どこを間違えたか瀬相(せそう)から於斉(おさい)を素通りして伊子茂(いこも)に来てしまった。
於斉に戻って南を目指すのが本来だろうが、前日に回れなかった南西岸の集落のうち幾つかを巡ってみるのもいいかもしれない。
伊子茂から南西岸をさらに進めば、ここも切り立った崖を大きく越える形で花富(けどぅみ)集落に至る。
花富(けどぅみ)は、3年前に御歳67歳でメジャーデビューした朝崎郁恵さんの故郷として、彼女のファンによく知られている。
伊子茂から山越えしてきた道は、花富集落の狭隘な後背地をそのまま抜けて西阿室(にしあむろ)へと向かう。
どこに停めようか、どこから歩いてみようかと思う間もなく、花富集落は通過してしまった。いずれまた来よう。
花富から西阿室への道も、他の集落を結ぶ道と同様、山越えである。
軽自動車同士でも擦れ違いが困難であろうと思えるほどに狭い道ではあるが、完全に舗装されている。
ただし、利用者が極端に少ない道路なので、悪天候が続いた後などは倒木や崩落などで通行が困難になったまま放置される可能性が高い地域である。
どうやらその最高点に達したらしいので、バイクを路肩に停めてみた。



路肩の、小高くなったところに登って西阿室を眺めてみる。
中央の入り江に面した集落が西阿室集落。
手前の建物は、よく判らない。



写真を撮り終えてから、ふたたび走り出す前に、なんの気なしに山側の崖を眺めてみた。
これはもしかして、巨大な一個の岩盤なのではないか?
道路工事によって露出している部分だけ見てもさし渡しおよそ30m、高さは10m弱に渡って、褶曲の痕跡が明確なこの岩には、わずかな亀裂が見られるだけだ。
雑草や、わずかな隙間に根を下ろすリュウキュウマツが表面を彩っているが、崖の上の方には、大きな木が見られない。
つまり、大きな木が根を下ろせるほどの隙間がないということだろう。
むろん、シロートにはこれ以上の判断は不可能なので
「へー、たいしたものだ」と感心して先へ進むことにしよう。



大岩盤(?)から先は、ひたすら坂を下りつづけ、西阿室に至る。
西阿室には郵便局があるが、郵政民営化法案成立のあおりを受けたか、《集配廃止の検討対象》とされた。
ちなみに、加計呂麻島の郵便局で、廃止検討の対象とされない局はない
付け加えるならば、加計呂麻島のさらに外側の離島である請島(うけじま)、与路島(よろじま)の郵便局も廃止検討の対象とされた。
実際の民営化までに赤字郵便局そのものを廃止するための布石であろう。
みなさんは、郵便局がなくなるというが、そんなことはありません
所謂《郵政選挙》前の国会における首相だか郵政民営化担当相だかの答弁である。
これは、馬鹿や無知に言う言葉である
この問題が争点となった選挙に関するオレの考えは、こちらをご覧いただきたい。



西阿室の入り江は美しく、貧弱な設備など気にする必要はない。

つづく

コメント
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