南方単車亭日乗

奄美大島にIターンした中年単車乗りが、てげてげに綴ります。
はじめての方は、最初に《ごあいさつ》をお読みください。

焼内湾彷徨 参

2006年11月28日 11時07分14秒 | 南方単車旅案内
焼内湾彷徨 弐よりつづく。

焼内(やけうち)湾の南岸でもっとも西に位置する集落・屋鈍(やどん)。
自然と古俗を色濃く残す土地ではあるが、過疎化の進行のため、土俵と公民館を中心として扇状に広がった集落には、家屋を取り壊して更地となった箇所が点在する。
学校、保育施設は、ない。
15分ほど歩いて、雑貨屋が二軒あることを認める。
多すぎず、少なすぎずといったところか。
新しい建造物があるな、と近づいてみると、集落の合同慰霊場であった。
これは、とくに災害あるいは戦禍に関するものではなく、墓地が崩落に遭ったか何かで新たに建てたものだろう。
車が停まり、人がふたり、降りてきた。
長距離を運転してきて疲れた、といった風情で伸びをしている。
すべての家屋が老朽化する中、新しい施設は哀しいほど目立つ。

思った以上に時間をすごしたようだ。
次の阿室(あむろ)集落に向けて出発することにした。
土俵前から走り出し、100mほどで最後の人家の前を通過する。
防波堤はここで途切れ、アダンの並木が波と砂を防いでいる。
アダンの影を進むこと100m弱で、屋鈍海水浴場の入り口に達する。



駐車スペースは普通車でおよそ10台分。
奥に見える建物はトイレ兼シャワー棟(シャワーは水道水をそのまま使うもの)。



屋鈍集落を振り返る。
ブロック舗装は短く、脇にはコンクリート製のテーブルと腰掛けが2組、設置されている。
芝生の部分はあまり広くはないが、モンベルやダンロップ等のツーリングテントならば2~3張は張れるだろう。



連休や夏休みの週末などにはスポーツクラブの活動か、小中学生と親のグループで賑わう日もある。
それ以外は、ただただ静かに時間が過ぎていく。



アダンの実が熟す頃にはオカヤドカリが辺りを埋め尽くすだろう。
満月の夜にはウミガメもやってくるのだという。

つづく


にほんブログ村 バイクブログへにほんブログ村 地域生活ブログへにほんブログ村 アウトドアブログへブログランキング・にほんブログ村へ
人気blogランキング

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 9月のフツーの生き物たち 6 | トップ | カタリうるもの »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
一番右の ()
2006-11-29 14:09:17
家が教員住宅。その左に見えるのが倉庫、その後ろに同僚の家があるそうです。昔、シマジマを廻り古老やいりこみの人にインタビューした事がありました。記事を読み必ず反応があったもんですよ。あなたの写真を見て喜ぶ人がいるのです。これからも足を伸ばしてくださいね!!燃料代上がったけど・・・(笑)
返信する
Unknown (亭の主)
2006-11-30 01:29:56
いつもながら、貴重なお話をありがとうございます。
> あなたの写真を見て喜ぶ人がいるのです。
うーん、フクザツな気分(笑)。
もっときれいな写真を撮る人はたくさんいるし、
てか、オレより下手な写真を公開してる人を探すのはきっと難しい。
その分、フツーに見える写真かな、と。
返信する

コメントを投稿

南方単車旅案内」カテゴリの最新記事