ふくろう親父の昔語り

地域の歴史とか、その時々の感想などを、書き続けてみたいと思います。
高知県の東のほうの物語です。

蒸気機関車登場

2009-08-17 00:05:55 | 森林鉄道物語
 魚梁瀬森林鉄道に、なんと土讃線より早く蒸気機関車が導入された話です。それだけ魚梁瀬の森林資源が豊かだった証なのですが、困った話も満載でした。

 写真が大正8年に全国で始めて青森県の津軽森林鉄道で使っていたものを引き取ったシェー式蒸気機関車です。当時の金で6万円という代物なんです。
 それまでは、トロッコを引くのは犬や牛だったのですが、馬路村釈迦ヶ生から久木の間に逆勾配の場所があったもので、3トンにもなる荷重に無理があると判断されたようです。

 この蒸気機関車は薪を燃料にしたこともあって、期待されたほどは力を発揮できなかったようです。あまりにも鈍足で、「牛のほうがまし」といわれたのです。
 また10トンもの自重のために線路への負担が大きく、よく脱線をしたのです。
 ただ高知の人間の好奇の目には好評だったようで、遠くから走る姿を見に集ったとの記録がありますよ。

 山の中を木を満載をしたトロッコを引っ張って疾走する蒸気機関車は、見る人を驚かせたでしょうし、噂が噂を呼んで注目を集めたことでしょう。
 この蒸気機関車、1年ちょっとでお払い箱になったそうな。

 よかったのか悪かったのか???。それでも走る姿は迫力があったでしょうね。