小雨が降りやんだ土曜日のお昼前。
私はお気に入りの傘を手に、かさ張る手土産を持ち電車に乗った。
新しい路線が走り、利便性も良くなって新駅が出来たけれど、乗り換えた後の懐かしい車窓の景色になんとも言えない郷愁を感じていた。
待ち合わせはあえて通学に利用していた駅に設定。
集合時間はランチには少し早目の11時。
お店も決めないまま。
みんなと会ってから、ああでもないこうでもないと、話ながら決めるのもいいかなって思ったから。
25年ぶりの同窓会。
以前に書いた「アナホリッシュの会」はゼミの友人の集まりで、今回はサークルの友人達の4人で。
結婚の時期が違い、子育ての忙し時期も少しづつズレていたし、友人の一人は米国の大学で教鞭をとっているので、卒業後は日本にいない時間の方が長かったのかもしれない。
そんな事もあってか、特に合わない理由があったわけでもないのだけれど、4人で揃って会うのは四半世紀ぶりとなった。
乗り換え駅での計算外の混雑で一本逃してしまった私が集合時間の二分後に到着した時には、すでに3人の輪が昔の様に出来ていて、笑い声ですぐに彼女たちだと分かった。
宝塚歌劇団の大階段のつもりで、優雅に階段を降りていく私を見つけて、
「わー、久しぶり~」と声が掛かる。
「昔は乙女、今は太目!お待たせしましたー(*´▽`*)」
と流行りのCMの様に声を掛けた。
爆笑する私達4人は、すぐに女子大生だった頃に戻った。
「お店は決めてないから、歩きながら決めよう。」
そう言って、通いなれた商店街の中を4人で歩いた。
私が今回の連絡係になってから、実は横浜のガイドブックを買っていた。
その事をみんなに話すと、「なんでよー」と笑われた。
「だってほら、久しぶりだからね、新しいムーブメントが起こっているかもしれないし。」
そう答えると、笑いは爆笑に変わった。
ブラブラ歩いて、結局は悩むことも無く、大学時代にも行ったことのあるお店に決めた。
飲茶のお店は当時と変わらず、そういえば見覚えがあった。
大学時代に群馬から出て来た私は、中華街で初めて食べた飲茶にカルチャーショックを受けた。
大根餅にゴマ団子、透き通る海老蒸し餃子、そしてタマゴカスタード饅頭・・・
意外にも、横浜で生まれ育った友人も当時は同様にカルチャーショックを受けていたと聞いて驚いた。
美味しい飲茶をしながら、お互いの近況報告をした。
自らの体調に関する事がメインだったけど(笑)
とにかくみんな元気で集まる事が出来て、美味しくご飯を食べられる事が本当に幸せだね、という統一見解に至った。
サークルの活動は至極真面目なものだったので、1つの事が「議題」として上がると必ずみんなが自分の意見を話して、議論して、結論を出していた、その一連の流れはとても美しく・・・まるで当時のサークルの活動みたいだった。
最初のお店を出て、当時は無かった観光名所で足を止めて、道行く人にお願いして4人で記念撮影をした。
ガイドブックまで買ってはみたものの、結局二軒目のお店も当時からある喫茶店に決めた。
バラバラで会う事はあっても、どうしてこんなにも長い間4人で揃う事が無かったのかと、改めて話題・・・議題が提出された(笑)
よくよく考えてみたら、幹事不在が原因であると分かった。
どうやら、幹事は私の役目らしかった(汗)
結婚も早めで、年子の育児、それから体調を崩して、ボヤボヤしていたら手術したりして、ようやく二人の子供が大学生になって余裕が出来た私が連絡係になって、4人で会う事が実現した。
とういことで、来年も友人が帰国したら4人で会う事に決めた。
そう決まる頃には夕暮れが迫っていた。
品行方正で真面目な主婦である私達は、4時過ぎには再会を誓い笑顔で別れた。
本当にね、みんな変わってないの。
真面目でスマートで優しくて可愛いの。
そんなみんなが改めて大好きだと思いました。
今の私があるのは間違いなく、この3人のお蔭でもあります。
あの頃に出会って築き上げた沢山の事は、今日を生きる私の大切な一部であり、欠かせない一部です。
今は年齢を重ねて、見た目通りに色々と積み重なっているけれど。
みんなと過ごしていた「あの頃」が無かったら、きっと私は別人だったね。
昨日は言えなかったから、ここで言わせて下さい。
ありがとう。
私と出会ってくれて本当にありがとう。
これからもよろしくね。
連絡係、頑張ります(*'▽')