みなさま、ごきげんよう。
会場の東京芸術劇場シアターイースト、客席数は272席。感覚としてはグローブ座より二回り位小さい、そしてステージが近い。このキャパの舞台に当選した奇跡に感動し、着席してその幸せを実感して開演前からちょっと震えてしまった。
舞台上の上手に楽器隊。ヴァイオリン、チェロ、ピアノの三重奏にドラムが加わっている。
開演直前に音合わせをする楽器隊、一気に緊張感が高まる。
音出し後の会場内の静寂。緊張感があるけれど、開演への期待も高まる空気感が不思議と心地よい。会場内には空調設備の機械音だけが響いていた。
切なく響くヴァイオリンの音で始まった舞台。
なかなかロボットが登場しなくて、まだかな、まだかな?とドキドキしていた。
何度も鳴らされるドアベルの音を追いかけるように登場したロボット!!
登場するやいなや早口で捲し立てる様に話す。流れるような台詞はまるで立板に水。さらさらと澱みなく畳み掛ける様にロボットが話している。ロボットなので台詞を噛む事はないのだろうか、台詞もとても聞きやすい。
真弓くんの登場に心の中で全力の声援を送っていた。
ケアロボットさん、か、か、かっ、可愛い。
軽やかにステップを踏みながら歌うロボット。振り付けもそれはそれは可愛らしくて、可愛らしさの中に真弓くんが見え隠れしている。
台詞の中に登場した早口言葉の中でも難しい「骨粗鬆症」をスラっと言うのもスゴイ。
慣れるまで 御辛抱
あぁ、なんて愛らしいのでしょう!(こんなんいくらでも辛抱しますよってに、と私の心の中で村上信五が叫ぶ)
ワルツはどう?
とエンマに語りかける時の瞳がうるうる。優しくジェントルにエンマをエスコートするロボット。
お相手が老婆という事でエンマ側に大きく感情移入出来ちゃうお年頃の私でしたが、ロボットのスマートな振る舞いにキュンキュンでした。
サラストヘアーで天使の輪がキラキラに光るロボットな真弓くん。お衣装のトップスが白いシャツなので、後ろ姿をじっくりと見ると割とがっしりとしており、肩から肘にかけての腕の逞しさも垣間見える。
ん、んん〜8BEATの頃はまだ幼ささえ感じられたというのに、何というか、あらゆる意味でこの著しい成長に泣きそうになる。
そして、お姫様抱っこ(キラキラ)
私の観劇した回は高橋由美子さんがエンマ役だったのですが、軽々と抱き上げて、顔が近いーーーー、などど思いつつ、ここまででロボットが歌い踊った曲は一曲なのに、既に真弓くんの良い所と魅力がぎゅうぎゅうに詰まっていて胸が熱くなりました。
歌い終わって客席から拍手が沸き起こったのも良かったなー。客席の雰囲気も良かったのだと思われます。
エンマが自身の現状や楽しかった思い出、辛った過去の感情を歌に乗せて吐露していた時、瞳を濡らしていたロボット。何とも哀しげな表情で心配そうに、優しくエンマを見つめていました
。
可愛い。とにかく可愛い。
他に言葉は要らないのかもしれないと思う程、真弓くんの演じるロボットが可愛い。
この辺りでふっと思う。これって当て書きじゃないんだよね、と。真弓くんのイメージにぴったりのハマり役過ぎて、真弓くんの主演ありきで書かれたのでは?と思う程だった。切り口を変えれば、それだけ真弓くんがロボットを演じ切っていたとも言える。
だって、もう本当に可愛いんだもの。
散らかったエンマの部屋を片付ける時には掃除機を掛けながら鼻歌を歌ったり、振り付けにパントマイムも盛り込まれていたり、一つ一つの仕草がとんでもなく可愛い。
それが私の自慢です!という台詞の言い方もまた素晴らしく可愛い。ロボットなので同じ台詞は同じ様に単調なんだけど、何度聞いても可愛いさが揺らぐ事は無かったです。
AIなのでエンマも最初は本当にロボットなのか?と疑ってしまう程だったけれど。ロボットだけど感情豊かで人間らしさも感じさせる、ロボットと人間の中間点を演じるのは大変だったのかな?真弓くんのロボットは素の真弓くんを感じられる位に温かみが感じられました。
インタビューで敢えて空気を読まない事も優しさ?的な事を語っていたけれど、そうだよね、そういう優しさもあるなって。でも、その優しさは相手には伝わっているんだよね、きっと。物語の中ではエンマにも伝わっていくのよね。
以前にもこのブログで真弓くんは仕草が可愛いと書いた記憶があるのですが、もう本当に一挙手一投足、無駄なく可愛い、可愛すぎる。そんな真弓くんの可愛いがステージ上に散りばめられていて、その姿をずっと観る事が出来て幸せだったな。
今回、久しぶりにちょっとメモを取ったのですが手元を見ていなかったので文字が重なって判読不能な箇所があって、我ながら残念。(メモを取る時あるあるですが、見返すとヒエログリフ笑)
ロボットの朝の挨拶も愛らしい。可愛いと愛らしいしか言ってないけど、本当に可愛くて愛らしいのだから仕方がない。
それにしても膨大な台詞。アンビリーバボーの楽屋でサンキューベリーストロベリーの台本を読んでいたそうですが、あの日横アリで緊張からなのかマイクを両手でにぎにぎしていた真弓くんと同一人物とは思えない成長ぶりにお母さんは涙涙でございました。
エンマが眠ってしまい、優しくブランケットを掛けてあげるロボット。その時のお顔がアルカイックスマイルの美しい御仏の様で思わす客席で合掌しそうになりました。真弓くんのとてつもなく柔らかで温かい表情はこの世の極楽のようで、なんとも穏やかな気持ちになりました。あんなにもほんわかとした表情を見せてくれるだなんて・・・。
小説のおはなし、だったかな。
沢山の本の中からオススメを探して差し上げます的なシーンで歌われた曲ですが、エンマとのハモリも、最後に聞こえたビブラートも心が洗われるように初々しくてキラキラとしていて掌にふわりと包んで家に持ち帰りたくなるくらいでした。
ロボットが椅子に寝そべる様な姿で充電する時、上向になっている耳からアゴにかけてのラインの美しさにため息が漏れました。
こんなに近くでこんなに長く見つめちゃっていいの?と僅かな背徳感に苛まれる位に、そのラインは美しい物でした。