(妄話は妄想によって繰り成されるアトラクションです。ご乗車中にご気分が悪くなられたり、しても一切の責任等は負いませんので、あらかじめご了承ください。それでは、いってらっしゃーい!)
イベントごとのあるときには、コイツが登場します。
そうー…。
*妄話* NaNa雪姫 ~in Autumn SP~
「姫、喜ぶかなあ?」
「喜ぶやろ、当り前やろ。これで喜ばへんかったら、ぶっ潰す。」
「ちょ、潰したアカンやん!」
「せっかく作ったのに潰すとか、自虐的すぎるわ。」
「なあ、ここ、この、窓んとこ、スルメイカにせえへん?ってか、するわ。全面的に。」
「いや、明らかにおかしいやろ、おかしすぎるやろ。」
「何となく洋風やのに…。」
「甘っ!うまっ!」
「お前、何してんねん!」
「ええ~、食べたらアカンかった?」
森の中で、なにやら忙しそうな、7人の小人達。
その周囲からは、あまーいあまーい匂いが漂っていました。
「よっしゃ!完成や!」
「そろそろ行くか!」
「はっくしょん。」
「大魔王!!」
「いこいこ。」
一仕事終えた、小人達は、急いで王子のもとへと向かいました。
「おう!終わったか!」
「あ、姫は?」
「あ、何処やろ。今日見てへん。」
「(何でやねん何でやねん。城が広いとこうだから…アカンな。)」
「見てないて…。」
「俺さっきまで、電話屋行ってたからさ。携帯、かっこいいやろ?なあ?」
「うん!めっちゃカッコイイ!」
「…あの…姫なら防音ルームに、歌舞伎同好会の皆さんを呼んで、楽しんでますよ。」
「(うお、急に妃出た!!)」
「てか、どこぞのメンバーやねんな。その人ら。」
「ほんまやね。」
「ああ、そうやったんや。ほな、もうじき夕方やし。NaNa呼ぼか。」
「そうしましょうそうしましょう!」
「ほんっま、何やねん妃。」
「へ?」
一同は、NaNa雪姫と歌舞伎同好会のメンバーが集う、防音ルーム(9階)へと向かいました。
コンコンコンー…。
「入るでー?」
「はーい!」
「うお、」
「こわっ!」
「突っ込みどころが多すぎる。ほんっまに。」
「あはははー。」
NaNa雪姫と歌舞伎同好会メンバーの居る部屋の戸を開けると、そこには異様な光景が広がっていました。
なんと、部屋には、びっしりと、文楽人形用の黒子のマントを被った人たちが敷き詰められるようにしていたのです。
「わあ!皆いらっしゃーい!」
「ちゅーか、NaNa、お前はどれや。何処におんねん。」
「皆真っ黒やあー!」
「これ、もう、黒子同好会ちゃう?」
「バッシュフルー!怖いよー!」
「うるさいわ、ドーピー!もうじき、俺離れせえや。」
「いやや!」
「…、ま、ええけど…さ。」
「照れちゃって…もー!」
「そこ二人(ドーピーバッシュフル)、いちゃいちゃすな!」
「えへへー!」
「で、あたしはここよーーー!(お手手ぶんぶん!)」
「おっ、目の前すぎるわ。まず、被ってる黒いの脱げ。」
「はあーい!ってことで、愛しのマイダーリンがお迎えに着たので、黒子同好会は、今日のところ解散でーす。有り難う御座いました。また来年。」
(同好会の皆さん)「「おつかれっしたー!」」
「一年に一回なんや。」
「やっぱ、黒子同好会やったんや。」
「これは、一体なんなんや。」
「で、皆何しにきたのー?」
「お、そうやそうや、本題や。」
「うんうん!」
「今日は何の日か、お前わかるか?」
「えっと…井伊直弼の誕生日の二日後! 」
「ハロウィンや!」
「あ、そっか!」
「びっくりするわ!いい、い、いいなおすけ?誰やねん。で、まあ、それはおいといてやな。」
「あ!わかった、あれでしょ、あれ!」
「(やばい、ばれたか…?)」
「お菓子あげないから、だからいたずらしてください!!っていう日だよね!へへへ!」
「ちゃうわ、全力でちゃうわ!お、前、何、恥ずかしいこと言ってんねん!」
「…ナイスコンビや。」
「今夜はいたずらな夜を過ごすんや。」
「これは一体なんなんや。」
そう、今日は、一年に一回のハロウィンの日。
実は、この日のために王子はある、ものを小人達に作らせていたのでした。
「で、やな。お前が前に住んでた家あったやろ。小人達の家な。」
「うんうん。」
「あっこにいいもん、ある、から…。」
「うんうん。」
「行こか。」
「うん!」
そして、一同は、森の中の小人の家へと向かいました。
すると、NaNa雪の前に現れたのは…
「お菓子の家!?」
「お前甘いもん好きやろ。」
「うん!え、これ、小人が作ってくれて、王子が計画?すご…。嬉しい…。」
「おん。」
「あ、ちなみに内装の一部の、レーズンで出来た黒子は王子が作ったんやで?」
「(お前、それ言うなってゆうたやろ!)」
「えー!すごい!早くみたい!ね、家の中入ろう?」
「おん!中もっとすごいんやで!小人らも頑張ってん!」
「ん?でも何か、外壁がぽろぽろ落ちてきてるね。」
「あー、これ外壁チーズケーキで出来てんねん。」
「なるほど!脆いな!」
中へ入ると、まるでおとぎ話の世界のようです。部屋の中は基本的にチーズケーキで出来ているので、たまにぽろぽろ落ちてきます。けれど、白くてふわふわしていてとても綺麗。
するめいかで出来た出窓や雨戸。
グミで出来た、スリッパ。
チョコレートで出来た歯ブラシ。
都こんぶで出来たテレビ。
キャンディーで出来た棚や机。
マショマロで出来たパソコン。
わたあめで出来たダブルベット。
「これ、なにー?」
「ああ、それ、な。黒子や。」
「レーズンのかたまりだー。」
「黒子や、って。」
「どうみても、ざっくばらんに置き去りにされたレーズンですね。」
しょうもないものばかりでしたが、皆の愛はたっぷり詰まっています。
すると、急にNaNa雪はある一点めがけて歩き始めました。
そう、その先にはー…!
「お祭りの屋台みたい!」
「ああ、梅ジャムとか、塗るおせんべいのブースやで、ここは。」
「梅苦手だから、このぺらぺらのおせんべいに、あたしはミルクを塗ります。」
「おう!」
「そしてカスタードも塗っちゃいます!」
「おう!」
「ひゃっほーい!おうぃすぃ~!皆有り難う!」
「よし、小人も妃も食べろ!特別にええで!」
「わーい!」
「やったーやったーやったー」
こうして、皆は森の家改めチーズケーキーベースのお菓子の家に、集まり楽しいハロウィンの晩を過ごしたのでした。次の日の朝には、見事にお菓子の家は綺麗な森の家に戻ったとさ。
めでたし!めでたし?
「あの、くしゃみくん、くしゃみくん。」
「ん?」
「世界中を歩き回って、激安で美味しいコーヒー豆を探しに行きませんか。」
「は?」
「名づけて、妃とスニージーの激安コーヒー豆を求めて五万万里…うん、いける。中々いける。」
「…何が?」
「ふっふっふ…」
ちゃんちゃん。
Happy Halloween!!&click or treat!!