尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

フォトポエム「脳・ボディ、アリスの壁」

2008年04月13日 16時52分07秒 | フォトポエム


都市のアリスが
ウサギのようなたわいのない罠?
あるいは象徴のために走り出し
次の瞬間時間の狭間に落ちてゆくとしても
私たちは私たちの時代の既視感のうちにあるので
誰もふり向きやしないだろう

ただ記憶が音のように浸みてゆく壁
壁!壁!壁!だけがある
それは物質の乾いたフィルムである
「…そしてみんないなくなった」という近代の説話
つまり資本の論理の帰結であるところの
私どもの最後の信仰さえ
吸い込むのだ

たぶん人は
神の前ですべてを言い尽くしている
愚かさは詩の責任ではない
愚かさはその行為である
いずれ
まじめで愛らしい植物たち動物たちを巻き込みながら
戯れの神真似の系譜
私たちが私たちでなくなるとしても
地球が脳である
宇宙がボディである

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