わたしの想い出は
わたしが生まれたとき
入れ替わってしまったという
写真の中のあのひと
のようなものだろうか
わたしがこの世から
姿かたちをなくしたとしても
彼女の髪の毛一本
甦るわけではないのだが
懸命に駆けるほど
失ってしまう
まっ白いまっ白い
この胸のまん中はなんだろう
それは
晴天の日音よりも速く
青麦畑を渡っていく稲光
それは
はずれた天気予報の暗い夕立の中
ひとり鳴り続けるテレビ
それは
数える紙で切っってしまった
しょっぱい小指の血豆
(まるで作物!)
…生きているわたしの想い出は
わたしが生まれたとき
入れ替わってしまったという
写真の中のあのひと
のようなものだろうか
わたしがこの世から
姿かたちをなくしたとしても
彼女の髪の毛一本
甦るわけではないのだが
懸命に駆けるほど
失ってしまう
まっ白いまっ白い
この胸のまん中はなんだろう
それは
晴天の日音よりも速く
青麦畑を渡っていく稲光
それは
はずれた天気予報の暗い夕立の中
ひとり鳴り続けるテレビ
それは
数える紙で切っってしまった
しょっぱい小指の血豆
(まるで作物!)
…生きているわたしの想い出は