帰り道だった
舗道の向こう側
むかし葡萄畑であったところから
今年はじめて
暗闇を刻みながら
昇ってゆく水玉の
秋虫の声を聞いた
ラジオから流れてくる
人間の未来の言葉のように聞いた
草と草のあいだの見えないコオロギに
人間の未来の鉄仮面の顔を見た
舗道の向こう側
むかし葡萄畑であったところから
今年はじめて
暗闇を刻みながら
昇ってゆく水玉の
秋虫の声を聞いた
ラジオから流れてくる
人間の未来の言葉のように聞いた
草と草のあいだの見えないコオロギに
人間の未来の鉄仮面の顔を見た