わたしは首をたれ
ぶあつい詩書を
僧侶のように口をむすび
祈るように読んではいるが
ほんとうは知っている
あのページもこのページも
一番大切なページでさえ
すっかり忘れさることを
空と海との間に
揺れる水平線があって
昔から
この首がさらされているということも
今も
ひたひたひた
洗われているということも
世界のうすい皮であろのだろうか
ページをめくると白い音をたて
指には塩の香りがうつる
ほんとうは知っている
わたしがなにもかも忘れ去る日に
世界はなにひとつ失はないのだと
ぶあつい詩書を
僧侶のように口をむすび
祈るように読んではいるが
ほんとうは知っている
あのページもこのページも
一番大切なページでさえ
すっかり忘れさることを
空と海との間に
揺れる水平線があって
昔から
この首がさらされているということも
今も
ひたひたひた
洗われているということも
世界のうすい皮であろのだろうか
ページをめくると白い音をたて
指には塩の香りがうつる
ほんとうは知っている
わたしがなにもかも忘れ去る日に
世界はなにひとつ失はないのだと