尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

フォトポエム「男」

2012年09月25日 23時57分48秒 | 新詩集
おれは
コオロギではない
男である

コートの下
隠し持っている
垂らしていても
それは尾ではない
むしろ剣に似ている

空気が黄色いので
生えてきたのだ
膝までの長さの
卵管が

産み付けねばならない
都会のコンクリートをはがし
(その下は今でも浜辺だ)
地中深く白いものを

妬み深い連中に
見つからぬように
恥ずかしい恰好で
涙ぽろぽろ
潮騒が聞こえる

見えない月をにらみ
赤くなったり
黒くなったり

おれは
悪魔だろうか
天使だろうか

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フォトポエム「窓辺」

2012年09月25日 00時47分22秒 | 尾崎まことの「写真館」
「窓辺」


たとえ
窓のない部屋にいるとしても
ぼくは
窓辺に立つことができる

あの日
君がリンゴをかじり
部屋の中に
空を招いたように

ぼくは
いつでも
ぼくの窓を開くことができる

リンゴをかじる要領で



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