わたしというあこがれに
ついに到着できなかった悲しみと
わたしは
ついにわたしでしかなかった悲しみと
闇にまぎれて
つるりと撫でてみる
わたしというムジナ
ついに到着できなかった悲しみと
わたしは
ついにわたしでしかなかった悲しみと
闇にまぎれて
つるりと撫でてみる
わたしというムジナ
ゴルゴダと呼ばれた丘を登り
ゴルゴダと呼ばれた丘を降り
また登っては
ゆかりのない人にまで
木を背負わせ
ハンケチを自分で被り
溜息のように
詩を書くひとよ
いつまで
新しいひとであることの
振りを 続けなければならないのか
こんなにも裸で
こんなにもさらされているのに
こんな丘で
ゴルゴダと呼ばれた丘を降り
また登っては
ゆかりのない人にまで
木を背負わせ
ハンケチを自分で被り
溜息のように
詩を書くひとよ
いつまで
新しいひとであることの
振りを 続けなければならないのか
こんなにも裸で
こんなにもさらされているのに
こんな丘で
庭園はは顔を真似したのであろう
顔はしげしげ眺めるほどに
庭である
花が咲き蝶が舞い
鯉が泳ぐ池だってある
月が昇る築山だってある
雲の影だって通り過ぎる
稲光が走り雹だって降るさ
なるほど
どの顔も庭である
荒れ放題というわけではない
手入れもある程度されているだろう
しかし真ん中の家がない
主がいないのだ
主がいない同士退屈で
キスなどをする
狂ったように突然
笑もする泣きもする
しかしやっぱり真顔に戻ってはものを喰う
さびしい庭である
しゃぼん玉 しゃぼん玉
しゃぼん玉は思い出の気球
翼はないけど
屋根をこえ川をこえ街をこえ
しゃぼん玉は時さえこえて
しゃぼん玉 しゃぼん玉
しゃぼん玉のなかには
いつも君がいる 僕がいる
あの日と同じように 笑いながら
しゃぼん玉は季節をわたる
しゃぼん玉 しゃぼん玉
しゃぼん玉は壊れても大丈夫
丸い虹を見ただけ
淋しいけれど空から見ると
わたしの庭にわたしが待っている
しゃぼん玉 しゃぼん玉
しゃぼん玉は息のカタチ
約束しよう約束しよう
いつもいるよ 君のなかに
時を旅する気球に乗って
しゃぼん玉は思い出の気球
翼はないけど
屋根をこえ川をこえ街をこえ
しゃぼん玉は時さえこえて
しゃぼん玉 しゃぼん玉
しゃぼん玉のなかには
いつも君がいる 僕がいる
あの日と同じように 笑いながら
しゃぼん玉は季節をわたる
しゃぼん玉 しゃぼん玉
しゃぼん玉は壊れても大丈夫
丸い虹を見ただけ
淋しいけれど空から見ると
わたしの庭にわたしが待っている
しゃぼん玉 しゃぼん玉
しゃぼん玉は息のカタチ
約束しよう約束しよう
いつもいるよ 君のなかに
時を旅する気球に乗って