あの日から5年。
被災地は今日も
あの時のように小雪舞う日となりました。
哀しみはいまも癒えることなく
この雪のように、時にハラハラと胸に降り積もります。
遺された者たちは、時間という概念の枠の中
前へ進む事を余儀無くされますが
逝った人々が奪われ失ってしまった、今日という日を想うにつけ
哀しみの癒しかたを探しあぐねてしまいます。
師は
命日はそれほど特別な事ではない。
大切なのはいまここなのだから、普段から冥福を祈る生き方をするのが大事なのだよ。
そう、仰っています。
今日私は、比叡山に納める
御写経を謹書しました。
別れも告げられず、突然逝かなければならなかった方々の魂が
安らかな眠りに就くことができますよう。
遺された人達の未来に
暖かな光射す日が来ますように。
そんな祈りを込めました。
遺された者の使命を模索しながら
今日からもまた、赦されて在る命を活きていこうと想います。
北国の春の訪れは
驚くほどのドカ雪から始まる.
水気の多い心なしか温もりを含んだ雪は
土を潤し、芽吹きの呼び水ともなって。
やがて閉ざされたmonochromeの世界からは
新しい色が産まれ華やかに彩り始める。
桜の季節の薄紅色の空気を先取りしたくて
pinkのルージュを唇に纏った。
春はすぐそこ … 。