あなたとわたしとは いま薔薇の花園を歩いている。
あなたは言う,
「薔薇の花は美しい。だが,かげにはおそろしいトゲがある」と。
けれども,わたしは言いたい。
「なるほど,薔薇にはトゲがある。それでも,こんなに美しい花を咲かせる」と。
下村湖人
── 同じ一本の薔薇を見ていても,美しい花に目を注ぐか,トゲのほうに目を注ぐかで,そこに開かれてゆく世界は,まったく違ってしまいます。
一方は許された暖かい世界となり,一方は非をとがめあう冷たい世界となります。
ここで私たちがしっかり認識しておきたいのは,おそろしいトゲを作るエネルギーも,美しい薔薇の花を咲かせるエネルギーも,同じだということです。別ではないということです。
これは私たち人間も,同じことなのです。
《青山俊董老師》
あなたは言う,
「薔薇の花は美しい。だが,かげにはおそろしいトゲがある」と。
けれども,わたしは言いたい。
「なるほど,薔薇にはトゲがある。それでも,こんなに美しい花を咲かせる」と。
下村湖人
── 同じ一本の薔薇を見ていても,美しい花に目を注ぐか,トゲのほうに目を注ぐかで,そこに開かれてゆく世界は,まったく違ってしまいます。
一方は許された暖かい世界となり,一方は非をとがめあう冷たい世界となります。
ここで私たちがしっかり認識しておきたいのは,おそろしいトゲを作るエネルギーも,美しい薔薇の花を咲かせるエネルギーも,同じだということです。別ではないということです。
これは私たち人間も,同じことなのです。
《青山俊董老師》
つまづいたり ころんだりしたおかげで
物事を深く考えるようになりました
あやまちや失敗をくり返したおかげで
少しずつだが
人のやることを暖かい眼で見られるようになりました
何回も追いつめられたおかげで
人間としての自分の弱さとだらしなさを
いやというほど知りました
だまされたり 裏切られたりしたおかげで
馬鹿正直で 親切な人間の暖かさも知りました
そして・・・・
身近な人の死に逢うたびに
人のいのちのはかなさと
いまここに
生きていることの尊さを骨身にしみて味わいました
人のいのちの尊さを
骨身にしみて味わったおかげで
人のいのちをほんとうに大切にする
ほんものの人間に裸で逢うことができました
一人のほんものの人間にめぐり逢えたおかげで
それが縁となり
次々に 沢山のよい人たちに
めぐり逢うことができました
だから わたしのまわりにいる人たちは
みんな よい人ばかりなんです
《相田みつを》
まさにしるべし,
空は一草なり,この空かならず華さく。
百草に華さくごとし。
── 空華の空というのは,たとえば一本の草である。
この空には必ず華が咲く。
あたかも無数の草に,それぞれ華が咲くようなものである。
桃も梅も冬には華がないが,時節が到来すれば,華が咲く。
そのときに華が到来するのである。
空は一草なり,この空かならず華さく。
百草に華さくごとし。
── 空華の空というのは,たとえば一本の草である。
この空には必ず華が咲く。
あたかも無数の草に,それぞれ華が咲くようなものである。
桃も梅も冬には華がないが,時節が到来すれば,華が咲く。
そのときに華が到来するのである。