DEEP SEAα

ココロの軌跡

Beautiful Colors

衆生本来仏なり

2007-03-05 | 遠い日の海(過去エントリー)
尊敬する尼僧の御一方である。

村瀬明道尼





庵主様を初めて存じ上げたのはいつ頃だったろうか?


辿るのも困難な程遠い記憶である。




私が庵主様をお慕いする理由のひとつに、庵主様がお作りになる精進料理の存在がある。




月心寺の精進料理は、あの吉兆でさえ唸らせる程の出来栄えであり、有名な胡麻豆腐は天下一と賞される逸品なのだ。



以前放送していたNHKの連続ドラマ「ほんまもん」の中の庵主さまは、明道庵主様がモデルとなっていたので、御存知の方もいるかもしれない。



私が精進料理にに興味を持つ事になったのは、月心寺の影響が大きい。

庵主様は体の右半身が不自由だ。



39歳の時に大変な事故に遭ったが、奇跡的に一命は取り留めた。



その時の後遺症で不自由なお身体になった。




しかしその自由の利かないお身体で、庵主様は天下一の御料理をお作りになる。







今の形の御料理になるまでにどれだけの苦労と努力があったかは、想像することさえ憚られる程だ。





庵主様の凛としたお姿が、どれだけ私を励ましたかわからない。





理解されない孤独に打ちひしがれた時、屈辱に苛まれる時、庵主様の御心に思いを馳せることによって、己を納得させてきた。


人となりを学ばせて頂いた。



同じ辛辣な思いをした庵主様でなければ、私にはダメだったのだ。




そんな仏縁を結ばせて頂いた事を、御仏に感謝をしながら歩んできた。


そして、これからも…。





生かされて過ごした、事故後2年をもう直ぐ迎える。



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