ひとの生をうくるはかたく
やがて死すべきものの
いま生命(いのち)あるはありがたし
正法(みのり)を耳にするはかたく
諸仏(みほとけ)の世に出づるも
ありがたし
「法句経」182番
人間は生まれて育って毎日食べて寝て それが当たり前と思っています
よほど大病にかかって 死を予告された時とか 思いがけない災難に見舞われて 家を失ったり 両親と死に別れたりした時に いったい自分はどこからこの世に来て どこへ行くのだろうかと 自分の生死(しょうじ)の神秘さに思いをこらすのです
人間に生まれ 今命があり 生きていることがありがたいのです
しかもその命は必ずいつか死ぬ運命を持っている
だからこそ 今いきているのがありがたい
短い生涯に仏法の教えを耳に出来るのもありがたい人生です
尊い教えを始めてくださったお釈迦さまがこの世に生まれて下さったのも またありがたいことです
このありがたさをかみしめて 一日 一瞬を生きてゆきましょう
(師の法話より)
