秘湯

昨年,温泉デビューをしました。



私が暮らす県は名湯が多い事で有名なのに,何故かこれまで温泉には縁がなかったのです。



あちこち傷だらけの身としては,温泉のお世話になるのが一番かな…と通い始めた訳で。

まさに「湯治」です。




昨日行った温泉は私の家から車で1時間程の有名な温泉郷から,もう少し奥に入った秘湯。

開湯1200年の名湯です。


でも鄙びた温泉という雰囲気ではなく,街道沿いの宿場町的風情で,はんなりとした場所です。




日帰り温泉もしているその施設は,洗い場もあまり広くはなく,5人入ればいっぱいになってしまう程だけど,大きく採った窓からは広い庭園が見渡せ,ほわりほわりと舞う綿雪が,ほんのりと灯された石灯籠に降り積もる様は,雪国らしい和の情緒に満ち溢れていて,日本の女に生まれてきた喜びに酔いしれる事ができます。



湯花が踊る源泉掛け流しのお湯は,毎日入れ替えて清掃する清潔感溢れる湯船で,アトピー肌の人にもよく効くそう。




空いている時間を見計らって訪れるので,身体を清め終える頃には,私一人貸切状態となります。



浮力に身を委ねた湯船の中で思いきり手足を伸ばした姿を,庭の雪灯りに照らされ,漆黒の空で輝いている月に見つめられる夜…… 。




身も心もトロトロになることは,言うまでもありません