寒さや霜がまるで剣のようによだかを刺しました。
よだかははねがすっかりしびれてしまいました。
そしてなみだぐんだ目をあげてもう一ぺんそらを見ました。
そうです。
これがよだかの最後でした。
もうよだかは落ちているのか、のぼっているのか、さかさになっているのか、上を向いているのかも、わかりませんでした。
ただこころもちはやすらかに、その血のついた大きなくちばしは、横にまがっては居ましたが、たしかに少しわらって居りました。
それからしばらくたってよだかははっきりまなこをひらきました。
そして自分のからだがいま燐の火のような青い美しい光になって、しずかに燃えているのを見ました。
すぐとなりは、カシオピア座でした。
天の川の青じろいひかりが、すぐうしろになっていました。
そしてよだかの星は燃えつづけました。
いつまでもいつまでも燃えつづけました。
今でもまだ燃えています。
【宮沢賢治】
因と縁が消えれば消滅するという真理を知らず
すべてを実体だと思いこみ活動する
その行いがまた心の中にも外にも迷いやあらたな幻を生みだす
自然宇宙と人々の心の働きと如来の悟りの世界は
衆生と如来によって生みだされる
宇宙万有は如来の住みたもう宮殿にして
空にあらず有にあらず中道をも超え
空、仮、中の三つの真理は現象と名を離れる
春の園に咲く香しい桃李は眼を惑わし
秋の清水に映える清らかな月の輝きは幾たびか心を酔わせるが
浮き雲が生じ来ってまた消えるように無常にして
洛川に住まう女神の美しさのごとく幻なり
執着して迷い狂すれば三界に輪廻し
心と宇宙の内外の実相を正しく観れば
大日如来は清らかに顕れる
心瞑き迷う者、なぜこの真実の法を観ないのか
迷いを超越し速やかに大日如来の清浄宇宙に帰りたまえ
【空海】
すべてを実体だと思いこみ活動する
その行いがまた心の中にも外にも迷いやあらたな幻を生みだす
自然宇宙と人々の心の働きと如来の悟りの世界は
衆生と如来によって生みだされる
宇宙万有は如来の住みたもう宮殿にして
空にあらず有にあらず中道をも超え
空、仮、中の三つの真理は現象と名を離れる
春の園に咲く香しい桃李は眼を惑わし
秋の清水に映える清らかな月の輝きは幾たびか心を酔わせるが
浮き雲が生じ来ってまた消えるように無常にして
洛川に住まう女神の美しさのごとく幻なり
執着して迷い狂すれば三界に輪廻し
心と宇宙の内外の実相を正しく観れば
大日如来は清らかに顕れる
心瞑き迷う者、なぜこの真実の法を観ないのか
迷いを超越し速やかに大日如来の清浄宇宙に帰りたまえ
【空海】