何からご説明して何を一番にお伝えしたらいいのでしょう。
この本をご紹介しようと思った瞬間から一度に頭の中にいろんなことが
あふれてきてしまって。まるで、思い思いの格好の少年たちが一斉に目の前で
「あのね、あのときはね、」とおしゃべりをはじめてしまったようです。
泣いたり笑ったり、胸が痛くなったり、励まされたり、それはそれは
眠っていた感情のすべてを万遍なく起こしてもらったような気分になりました。
そんな本を、今日はご紹介します。
写真でお分かりかと思いますが、この本は多くの「少年たち」のことばで編集されています。
昭和19年春、戦争はますます厳しくなるころ、・・・今はだれしもが言えますが、まさに
敗戦へ向けての悲しい一年あまり、・・・もちろん当時の日本人は、勝利に向けて
疑いもなく突き進んでいたわけですが、そんな年の春、少年たちは「中学修猷館」に
入学します。といっても授業はほんのしばらくの間で、お国の為、その少年たちは
さまざまな場所に借り出されます。
タイトルの「チンチン電車を運転した少年たち」は驚くべきことに、あの電車の
運転を13,4歳の少年たちが頑張っていたということです。
栄養もままならない頃の少年たちの、小さな体にだぶだぶの大人の制服、
まるで、漫画のようですが、少年たちは与えられた環境を素直に力強く生きています。
学徒出陣など、年端もいかないこどもたちがその命を「お国の為」と捧げてしまった。
映画や本で、私たちも多く教えられその悲劇を胸に刻んできましたが、ここでは
あまり語られていない、内地に残った少年たちの「お国の為」の功績を、当時の少年たちが
そのままの気持ちをそれぞれのことばで表しています。大人と違うその目でとらえたものは、
苦難や悲劇よりも、逞しさとこどもながらの生きていく工夫と知恵、そしてなんといっても明るい!
今さらながら、こどもたちに秘められた限りない可能性を感じさせられます。
電車の運転をはじめとした少年たちの仕事、そして福岡空襲、終戦、貧しい中での
青春の思い出、男の子らしいいたずらの数々、部活動、お友達や先生の思い出、
話題は尽きません。中でも印象的なのは少年たちの心に残ったのは当時の素晴らしい先生方の教え。
こどもたちはこんなに大人の言動を理解しているのだと、少々、今の大人としては
胸が痛むほどです。
なにはともあれ、あの辛かった時代の出来事なのに、悲壮感がないのが少年たちの魅力です。
どうぞこの魅力あふれるこどもたちに触れてみてください。
12月の発表会でミュージシャンデビューの辻さんがご紹介くださいました。
2年前に復刻をなさったものとのこと、御友人たちとの復刻に当たる経緯も含めて、
もちろん、当時の辻少年の思い出もおさめられています。ペニーレイン文庫の仲間入りです。
どうぞ、みなさん、ページをめくってみてください。こどもたちの記憶の引き出し、
小さないとおしい引き出しがたくさんですから、少しの時間で少しずつ、読んでいただけます。
ぜひぜひ、ご覧ください。
最後に・・・。
復刻に当たってのコメントで、辻さんが述べておいでの言葉が印象的でした。
「私たちは中学二年生の時、国のために働きましたが、天皇も軍隊も政府も
いよいよになると、私たち庶民を助けてくれないことを身をもって知りました」
この言葉の重さと、だからこそ、仲間たちで助け合って、自分たちで生きていこうと
頑張った・・・というその強さ、すべては考え方ひとつで方向が決まるのだという、
とても基本的な教訓を、わずか、13,4歳の少年たちが実感した、その時代の悲しさと
心強い逞しさ、実直さを改めて感じました。
そして、その少年たちが今の日本を支えてきてくれたということに心から感謝したいと思います。
寒い寒い冬の一日、あのころの逞しい愛らしい少年たちを思って。
この本をご紹介しようと思った瞬間から一度に頭の中にいろんなことが
あふれてきてしまって。まるで、思い思いの格好の少年たちが一斉に目の前で
「あのね、あのときはね、」とおしゃべりをはじめてしまったようです。
泣いたり笑ったり、胸が痛くなったり、励まされたり、それはそれは
眠っていた感情のすべてを万遍なく起こしてもらったような気分になりました。
そんな本を、今日はご紹介します。
写真でお分かりかと思いますが、この本は多くの「少年たち」のことばで編集されています。
昭和19年春、戦争はますます厳しくなるころ、・・・今はだれしもが言えますが、まさに
敗戦へ向けての悲しい一年あまり、・・・もちろん当時の日本人は、勝利に向けて
疑いもなく突き進んでいたわけですが、そんな年の春、少年たちは「中学修猷館」に
入学します。といっても授業はほんのしばらくの間で、お国の為、その少年たちは
さまざまな場所に借り出されます。
タイトルの「チンチン電車を運転した少年たち」は驚くべきことに、あの電車の
運転を13,4歳の少年たちが頑張っていたということです。
栄養もままならない頃の少年たちの、小さな体にだぶだぶの大人の制服、
まるで、漫画のようですが、少年たちは与えられた環境を素直に力強く生きています。
学徒出陣など、年端もいかないこどもたちがその命を「お国の為」と捧げてしまった。
映画や本で、私たちも多く教えられその悲劇を胸に刻んできましたが、ここでは
あまり語られていない、内地に残った少年たちの「お国の為」の功績を、当時の少年たちが
そのままの気持ちをそれぞれのことばで表しています。大人と違うその目でとらえたものは、
苦難や悲劇よりも、逞しさとこどもながらの生きていく工夫と知恵、そしてなんといっても明るい!
今さらながら、こどもたちに秘められた限りない可能性を感じさせられます。
電車の運転をはじめとした少年たちの仕事、そして福岡空襲、終戦、貧しい中での
青春の思い出、男の子らしいいたずらの数々、部活動、お友達や先生の思い出、
話題は尽きません。中でも印象的なのは少年たちの心に残ったのは当時の素晴らしい先生方の教え。
こどもたちはこんなに大人の言動を理解しているのだと、少々、今の大人としては
胸が痛むほどです。
なにはともあれ、あの辛かった時代の出来事なのに、悲壮感がないのが少年たちの魅力です。
どうぞこの魅力あふれるこどもたちに触れてみてください。
12月の発表会でミュージシャンデビューの辻さんがご紹介くださいました。
2年前に復刻をなさったものとのこと、御友人たちとの復刻に当たる経緯も含めて、
もちろん、当時の辻少年の思い出もおさめられています。ペニーレイン文庫の仲間入りです。
どうぞ、みなさん、ページをめくってみてください。こどもたちの記憶の引き出し、
小さないとおしい引き出しがたくさんですから、少しの時間で少しずつ、読んでいただけます。
ぜひぜひ、ご覧ください。
最後に・・・。
復刻に当たってのコメントで、辻さんが述べておいでの言葉が印象的でした。
「私たちは中学二年生の時、国のために働きましたが、天皇も軍隊も政府も
いよいよになると、私たち庶民を助けてくれないことを身をもって知りました」
この言葉の重さと、だからこそ、仲間たちで助け合って、自分たちで生きていこうと
頑張った・・・というその強さ、すべては考え方ひとつで方向が決まるのだという、
とても基本的な教訓を、わずか、13,4歳の少年たちが実感した、その時代の悲しさと
心強い逞しさ、実直さを改めて感じました。
そして、その少年たちが今の日本を支えてきてくれたということに心から感謝したいと思います。
寒い寒い冬の一日、あのころの逞しい愛らしい少年たちを思って。
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