「あれから、帰りずっと考えてたんですよ、
あれはね、やっぱりもっと小さかった、小学校の6年生だったと思うの。
音楽の先生がね、連れて行ってくれたんだったと思う。」
ずっと弾きたかったけど、難しそうだから・・・と、今まで教えてくださらなかった曲を
最近、アイネクライネが上手になってちょっと自信がついたわって気分で教えてくださったのが
シューマンの「トロイメライ」
そうです。この曲、「やさしく弾ける・・・」といった楽譜でも難しい。
曲そのものが難しい・・・でもほんとにきれいで人気があります。
前回のレッスンの時、この曲に出会った思い出話をしてくださったのですが、
さらにいろいろ思い出したって、今日教えてくださいました。
終戦から数年、広島の福山市内、多分記憶をたどって、おそらく昭和24年、1949年のこと。
音楽の先生に連れられて見に行った映画はシューマンの物語、その中に出てきた美しい旋律、
「トロイメライ」は忘れられない曲になったそうです。
これ!この映画のようです。
1947年制作公開のアメリカ映画。日本公開はまさに1949年。
音楽の先生が熱心に映画のお話をして、こどもたちを連れていったのだそうです。
終戦からわずか4年。6年生のこどもたちには物語そのものは難しかったかもしれないけど
それからずっとこの美しい曲が胸に残っていて、昭和12年生まれのその女性は、
70代後半にして、その思い出をもう一度、ご自分の手で蘇らせたんですから・・・
なんてすてきなこと!
若い男性の先生だったそうです。その先生がお聞きになったらうれしいだろうなぁ。
聴かせてあげたい!その先生に。
あの時の女の子が今こうしてじょうずに弾かれてる「トロイメライ」を。
70代、80代のみなさんのお話は終戦後の大変な時代のことだけど、
どこか、夢があって未来へ向かっていて、とてもすてきです。
それはきっと日々辛い思いは絶えなかったと思うけど・・・心が頑張っていて
素晴らしい時代だったのだろうなぁと・・・思ってしまう。
たいへんだったのだから・・・そんなこと、言っちゃいけないのだけど。
すてきなお話、ありがとうございました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます