スタンドに入った時にはすでに選手のアップが始まっていて、
もちろん相手サポの応援も始まっていた。
山東サポはバックスタンドに3つのグループに分かれて陣取っていた。
ちょっと驚いたのはそれぞれのグループが特に連動するわけでもなく
バラバラに応援していたこと。
もっとも、日本のように組織立ったコールや歌はないようで、
バラバラにやっていても特に違和感がない。
おまけに持っていた武器は10個くらいの太鼓と
そろいの帽子(?)くらいで、旗や断幕は見うけられなかった。
やつらの応援自体にはそれ程の圧力は感じなかった。
確かにこれだけの数の太鼓の連打はそれなりに迫力があったが、
この時点では「意外とたいしたことないじゃん」という感じだったのだが…
スタンドに入ってもう一つ驚いたのは、
スタジアムの上空をTV中継用(?)に2機の飛行船が飛んでいたこと。
これもワールドカップなみだ。もっとも、単に監視用だったのかもしれないが。
われわれもようやく全員がそろい、かなり密集して陣取って応援開始。
その途端、メインスタンドのわれわれに近いところから激しいブーイングを
浴びせられた。でも、そんなものは無視して歌やコールを続けた。
それにしても、われわれの応援に実に良く反応する。
そしてついにキックオフ!
試合の内容や何が起きたのかはあらゆるところで語られているので、
もうここでは繰り返さない。
そのかわり、試合中に気がついたこと、感じたことをいくつか。
まず、試合が始まってすぐに、レフェリー、特に線審は完全に山東寄りだと感じた。
もちろん主審もとても公平と言える代物ではなかったが、
線審が特にひどかったというのが私の印象。
また、試合が進むにつれて相手観衆がどんどんヒートアップしてきた。
特にメインスタンドの連中の盛り上がりは強烈だった。
日本のようにコールリーダーにあわせてコールするというのではなく、
とにかくひたすら応援するために叫ぶという感じ。
山東がチャンスになれば、まさに狂気乱舞のような喜び方だし、
マリノスがボールを持っただけでスタジアム中がブーイングの嵐になる。
さらにウェーブも出る。「ジャーヨ!ジャーヨ!(がんばれがんばれ)」を
スタジアム全員で始める。
さらに、特に印象に残ったのがピッチの周りにいた報道陣。
こいつらも、見ていてはっきりわかるくらいに山東を応援していた。
マリノスが先制した時の悔しがり方、同点に追いつきさらに逆転した時の喜び方なんかは
観客より凄かったかもしれない。
そしてタイムアップ。
スタジアムにいた全員が敵という状況下で敗戦…
しばらく涙が止まらなかったが、これが現実だった。
(まだ続く・・・だろう・・・)