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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
念のため、「地に足をつけなければいいのですか」と
問いただしました。
使者にしても、空に浮いて、
生活できるなどとは、想像もできませんでしたし、
その頃はまだ、権利は空中にも及ぶのだなどという、
世知辛い世の中でも、ありませんでしたので、
ついうっかりと
「そうじゃ」と、答えてしまったのです。
上人はしめたと心秘かに思いました。
そこで、使者をハンモックの場所まで、
さりげなく導いてゆき、飛び乗ったのであります。
使者は、上人の意表をついた行動と、
上人は魔力を持つという先入観があるものですから、
対象をじっくり観察しようなどという、
気はさらさらありませんでした。
つづく