plainriver music: yuichi hirakawa, drummer in new york city

ニューヨークで暮らすドラマー、Yuichi Hirakawaのブログ

2008 NGW final week

2008年08月14日 | 音楽
今年の夏は合計4回NGWのドラム講師を勤める。あともう少しで今年の最終日。朝夕には長袖長ズボンが必要なくらい涼しくて心地良い天気が続いている。



週毎に開催されるこのワークショップ一回の期間は5日半なので、先週の最終日から今週の初日までの束の間ニューヨークに帰還。期間中に数週間籠っている田舎町は、渋滞が無ければニューヨークから車でほんの一時間半で行ける。その町の隣接する丘の上にある全寮制高校の施設から突然マンハッタンに来ると、何やら調子が狂う。地下鉄に乗って地上に出た直後の一瞬、見慣れたはずの高層ビルに戸惑う自分に戸惑う。別に文明から隔離された密林の奥地にいたわけでもないのに。





マンハッタンでは人間の手で植えられた木や芝生、護岸された川だけが住民にとっての「自然」。僕が籠っているところでは、人間がこさえた芝生と雑木林と小さい丘でできている箱庭のようなキャンパス自体が、その役割を担っている。どちらも人工的に自然を模倣していることには変わりない。ただ緑の割合が違うだけ。そう判っていても、久しぶりに見たマンハッタンの密集した高層ビルは特殊に見えて仕方が無い。





たった1日半でもニューヨークならでは、な出来事があった。例えば店で店員が注ぐテイクアウト用コーヒーが細かい事をいちいち指定しないと、自分の欲しいのとはまるで別物になるということ。今回アッパーウェストサイドのベーグル屋で、大盛りアイスコーヒーを注文した時も例に漏れず。注文してからつい気を許して友人と話している間に注がれた僕のアイスコーヒーのカップの中身半分以上は氷で、色は過剰なクリームのせいで殆ど白。こうなるともうコーヒーではない。注文した時側にいた地元のおっさんに、"You're not gonna get what you want." と言われたとおりになった。おまけにそのコーヒーらしきものについてきたストローの先は塞がっていたし。この時点でこの街自慢の「文句言った者勝ちの法則」を思い出し、英語とスペイン語入り交じりで店員のアミーゴに頼んでコーヒーを注ぎ足してもらった。"Bueno, amigo?" "(Es)ta bien, tabien. Gracias!"・・・。



先週のワークショップはブルース特集だった。今週はジャズ特集で、最終日には特別講師としてジョン・スコフィールドさんが自身のトリオを連れて2時間のクリニックを行う。